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12/4 ニュースなスペイン語 Indignas palabras:ふさわしくないことば

昨日の続報。

共通の敵を持てば結束する――。これは洋の東も西も、そして、イデオロギーの左も右も問わない。

11月28日の記事で反フェミニズム的動きを前に、フェミニズム志向の女性政治家たちが団結(solidaridad)を表明したと紹介した。

そして、今度は、反フェミニズムに対抗するフェミニズムのこうした動きに、反フェミニズム派の議員たちが連帯を示した。

連帯の応酬の様相。

国民党(PP)の議員たちは1日、国会前で集会(concentración)を開き、平等大臣(ministra de Igualdad)イレネ・モンテロ(Irene Montero)の辞任(dimisión)と「性的自由を保証する基本法(Ley Orgánica de garantía de la libertad sexual(以下、「基本法」))」の改正(se rectifique)を要求した。

国民党党首のアルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)は「日程の都合(motivos de agenda)」で欠席したが、同党報道官のクカ・ガマラ(Cuca Gamarra)は次のように語気を強めた。

我々がしているのは、国民の代表たるスペイン政府としてのふさわしくないことばと、これを語った、あの大臣の話なのです(Estamos hablando de una ministra y de palabras del propio Gobierno de España que son indignas de quien representa a todos los españoles)。

「あの大臣」とは、つまりイレネ・モンテロのこと、そして、モンテロが語ったという「ふさわしくないことば」とは、昨日の記事でも紹介した、国民党は「レイプ文化を推進している(impulsa la cultura de la violación)」という発言のこと。

しかし、モンテロの告訴(querella)は否定。なぜなら、下院という国会の中で語られたことばなら、裁判沙汰という選択肢は「ありえない(no cabe)」と、フトコロの深さをのぞかせた。

そして、怒り収まらぬ国民党に合流したのが、極右政党ボックス党(Vox)だった。

同党報道官のイバン・エスピノサ(Iván Espinosa)は国民党の集会を支持(secundado)し、次のように述べた。

我々はどちらの側にいるべきかをしっかりと見極めなければならない(de qué lado hay que estar)。我々が選んだのは良い側で、あの彼女(モンテロ)は悪い側の代表だ (del lado del bien y ella (Montero) representa el mal)。

エスピノサも、そして、一躍、時の人となったカルラ・トスカノ(Carla Toscano(11月26日と27日の記事参照))も、集会会場には来ていたというが、国民党の公式写真(foto oficial(写真))には入らなかったようだ。

こうした共闘にいつヒビが入るかが分からないのが政治の世界。へんな物証は残したくないというのが、国民党とボックス党双方の正直な気持ちかもしれない。

日頃は付かず離れずの国民党とボックス党だが、この日ばかりは、蜜月をアピールした。

もちろん、カメラのないところで、隠れて……。

写真は国民党議員の掲げた横断幕。

上段には「No a la rebaja de penas por delitos sexuales(性犯罪の減刑に反対)」そして、下段には「¡Rectificación ya!((基本法の)即時改正を!)」と書いてある。