見出し画像

【2019年】エキサイティング妊娠生活記

妊娠生活もあと1ヶ月を切り、ついに臨月を迎えた。妊娠期間は想像していたよりも長く感じたが、赤子と共にトツキトオカ過ごす中で様々な経験ができた。

初めての妊娠は、人やネット子育て本から見聞きしたことと違う部分がたくさんあった。「夜中に何度もトイレに起きると聞いたけど私は起きないな」意外と思いもよらぬ食の志向の変化はなく、爆食いはしなかったななどなど。一口に妊娠といっても、その体験は千差万別だなと改めて思った。逆に「マックのポテトの爆食い」はすべての妊婦さんが同じ経験をしているのでは!?と思うくらいネットでよく目にした「妊婦の常識」も体感した。

長くて既に忘れていることもあるのだけど、総じて妊娠生活は楽しく、また今までに味わったことのない神秘を感じる期間だった(これからが本番なんだけど)。

この時期は1年の多くのライターの方々のまとめ記事が多くあがる(Twitterであがるたびに読んでは年の瀬を実感している)。
私もせっかくなので、2019年大半を占めた妊婦生活についてまとめたいと思う。
ありがたいことに、自分の周りに子育ての1、2年上の先輩が多く、アドバイスをいただいたりマタニティ用品をいただいたりする機会があった。話を聞くと、彼女たちは「出産すると妊娠中のことを忘れる」声を揃えた。

多分私もこれから迎える子育ての日々で、これまでの妊娠期間についての感情や行動を忘れてしまうだろう。今後もしかしたら第二子、第三子を産む機会がやってくるかもしれないし、ないかもしれない。その時に「初めての妊娠」を振り返られたら、少しは支えになるだろう。

だからこの記事は備忘録的な側面が大きい。人にとっては役立つ情報もあるかもしれないし、「何だよこんなこと常識的に知ってるよ」と思う情報ばかりかもしれない。だけど、私がそうだったように体験談は色々知っていて損はないし、知っていることで不安が軽減されると思ったので、これからの文章は「なるほどこんなケースもあるのね」くらいにチラチラっと読んでもらえたら嬉しい。年末年始の特番に飽きて、Netflixを見ながら流し読みしてもらえてもこれまた嬉しい。

本当に、赤ん坊はお腹にいる?

画像8


妊娠が発覚したのは2019年5月。毎月予定通りに生理が来ていたので、3日ほど遅れた辺りから「おや?」と思いだし、5日遅れた辺りでドラッグストアで妊娠検査薬を買い、生理予定日から1週間後に検査薬を使い、結果「陽性」が出た。また、2ヶ月前くらいから基礎体温(口で測る小数点第二位まででる婦人体温計を使う)を測り始めていて、体温にも妊娠の兆候が見られたので「これは可能性がかなり高いな」と思った。

陽性が出てからは、その場にいた旦那に「妊娠したっぽい」と伝え、家族ラインに「もしかしたら妊娠してるかも」と報告し、早速、翌日産婦人科に行くことにした。

・婦人科・・・基本的に事前予約制ではない(整理番号順)
・産科・・・完全予約制(検診の度に次回予約を行う)

私の通っていた産婦人科の診察の流れはこんな感じだ(多分大体の病院はそうかもしれない)。検査薬で陽性が出て「妊娠した!」と思ったら、まず婦人科に行けばいい。病院に足を運ぶ日はちょうど旦那も都合がよく、初診に付き合ってくれたので心強かった。ただ、これがものすごく待つ。先に書いたとおり事前予約制ではなく整理番号順なので、初診では2時間近く待ったと思う(次からは病院のオープン時間前に行くようにし、待ち時間は軽減した)。無事診察の順番が回ってきて、超音波検査の結果、胎嚢(たいのう・赤ちゃんが包まれている袋)を確認でき、妊娠が確実になった。(おもしろいなと思ったのが、妊娠の週数の数え方は妊娠が分かった日が1週目ではなく、最終生理日を1週目と数えるということ。実質赤ちゃんがお腹の中にいるのは約9ヶ月なのだ)

妊娠が確定したとはいえ、当初はお腹に新たな命が宿っている実感が全く湧かなかった。妊娠の初期にはお腹がポコリと出てこないし胎動を感じるわけでもない。「本当にちゃんと育っているのかな?」と不安に思いお腹をさすりながら一日を終えることが多かった。妊娠発覚から炭酸の泡がお腹で弾けるような胎動を感じるようになる妊娠5ヶ月までは、1ヶ月に1度の検診でみるエコー写真でしか赤ん坊の存在を実感することができなかった(写真を見ても自分のお腹の中に「どうやらいるっぽいな」くらいの感覚)。

マックのポテトは妊婦生活を支えるMVP

画像2


当たり前なのだが、妊娠は病気でもなければケガでもない(妊娠によって身体に不調がでたり、引き起こされる病気や症状はあるけれど)。
その当たり前に気付かされたのは、婦人科に初診にかかった時のことだ。てっきりお医者さんや助産師さんが手取り足取り親身になって今後のスケジュールを立てたり相談に乗ってくれたりするのかと思ったら(一応先々でそういうタイミングはある)あっさり検査と診察を行い終わって拍子抜けした。そりゃそうか。だけど正直、次の一歩が分からず不安だったし「だから『たまごクラブ』があるのか」と納得して、即買った。妊娠したら最初に読む『たまごクラブ』、めちゃ親切。

妊娠は病気でもなければ、怪我でもない。それなのに自分の身体が通常運転ではない状態が不思議だったし、おもしろくもあった。なんせ今まで29年間ひとりだった身体を、突如もうひとりが間借りする状態だ。普通、ではない。

妊婦の普通ではない状態を表す最たる例が「つわり」だ。
妊娠発覚後2週間ほどで、私にもつわりがやってきた。俗に言う「食べづわり」というやつで、何かを口に入れていないと車酔いのようなムカッとした気持ち悪さが襲ってきた。そして無性にマックのポテトが食べたくなった。

時同じくして、マックに妊婦が並んでいる旨のツイートが炎上していた。リアルタイムでマックのポテトを欲していた身としては「身体が求めている」のでどうしようもないのだと声を大にして言いたい。自宅から車で5分の所にマックがあったことにも感謝しかない・・・(カメラロールにマックのポテトの写真が見つからなかったので、二番目によく食べたポッポのポテトの写真を冒頭に貼った。ポッポのポテトのコスパの良さには頭が上がらない)。

妊娠4ヶ月を迎える頃になると、つわりはスパッとおさまった。私は他の人よりもつわりの症状は軽かったかもしれないが、それでも辛さはあった。「このどうしようもできない状態が耐えられん・・・!」と旦那に訴えたり(ごめん)、常にアメ・ガムを口に入れたりして過ごした。

マックのポテトを欲する以外は特に大きな食べ物の趣味嗜好の変化はなかったが、なぜかおせんべいの香ばしい醤油の匂いに嫌悪感を抱くようになった。旦那がバリンバリンとおせんべいを目の前で食べていた時は、勘弁してくれと距離を置いた。つわり時に食べられない物・欲する物リストはパートナーと共有しておくのが吉、だ。また、アルコールとタバコは避けつつも、あまり神経質になりすぎず、食べられるものを食べられるだけ食べるのが大切だ。

ちなみに、つわりと並行して毎日昼間にどうしようもないくらいの眠気に襲われていた。昼食後に欲する昼寝の程度ではなく、二徹後にやってくるような耐えられないくらいの眠気だ。これに関しては、本当にフリーランスでよかったと思ったし、理解のある仕事仲間やインターン生にかなり助けていただき、業務に支障がでない塩梅で睡眠を摂ることで乗り越えられた。

これも妊娠して初めて知ったことだが、母子手帳の交付は赤ん坊の心拍が確認できる妊娠3ヶ月頃になる。心拍が確認できたら、検診も婦人科から産科にスライドする流れだ。心拍が確認されたときに初めてお医者さんと助産師さんに「おめでとうございます」と言われた。
当時「胎嚢が確認された時じゃなくて、このタイミングで言われるんだ」とすこし不思議に思った。しかし、思い返してみると、妊娠から出産までの期間の中で、胎嚢が確認されてから赤ん坊の心拍が確認できるまでが最も神秘的で慎重な時期なのだと感じた。そんなミラクルな時期を乗り越えたなら確かに「おめでとう」だ。

想像を絶するスピードで細胞が分裂して、命を形づくろうとエネルギーを爆発させているのだろう。そう思うと、その期間中につわりが起こるのも致し方ない。だけどやっぱりツラいものはツラい、それは間違いない。

人生で最も「食」に想いを馳せた

画像1

妊娠発覚が分かった時からずっと「体重管理」が頭によぎっていた。一念発起し成功を納めたダイエット生活(1年弱で10kg痩せた)を半年前に終えていたからだ。喜ばしいことだけど「ここからまた体重が増える」という未来に少しナーバスになっていた。妊娠生活で私がネットで検索したワードベスト3はおそらく「妊婦が食べてはいけないもの」「出産の痛み」そして、「体重管理」だ。

ダイエット時には、「あすけん」というダイエットアプリを使ってレコーディングダイエットを行っていた。毎朝同じタイミングで体重を測り、三食の食事内容を入力する。アプリが自分に足りない栄養素を教えてくれるので、それに応じておかずをプラスしたり、減らしたりするという生活を送り見事に高校生時の体重まで落とすことに成功した。アプリのおかげで、1年もレコーディングを続けるようになると、食事の栄養バランスが肌感覚で分かるようになっていた。

「ちょっと体重が一度に増えすぎだね」
妊娠6ヶ月に差し掛かる頃、二回目の妊婦健診で怖れていた事態が起きた。妊婦検診で病院が推進するスピードよりも早く体重が増加していると指摘を受けたのだ。
目標体重まで落とせたので半年前から食事を記録することはストップしていたし、体重計に乗るのも1週間に一度あるかないか。確かに最近意識せず食べてはいたけど、このままだと産道に肉が付き出産が危険になりかねないし、産後のダイエットでまた苦労することになる。そこで再び「あすけん」にお世話になることになった。

それまで外食が増えがちだった食生活を改善し、自炊に重心を置くことにした(全然お金もなかったし)。自炊に目を向けたのは、塩分コントロールがしやすいこともあった。妊娠発覚当初、ファミレスでハンバーグを食べた翌日に顔がパンパンにむくむことがあった。「妊婦塩分控えろ警報」を肌で感じた。

自炊に関してはまた別記事にもまとめたいと思っているが、料理家の方のTwitterアカウント、Instagramアカウントには今年一番お世話になった。レンジを使ったレシピや惣菜のアレンジレシピなど、栄養バランス遵守に頭でっかちにならず簡単な手順でおいしい食事を楽しめた。「料理が楽しい!」と思い三日坊主で終わらなかったのは、画面の向こうの諸料理家の方々のおかげだ。

結果的に体重の増加はゆるやかになり(とはいえ増えてはいるのだけど身体の状態はいいのでよしとしている)、自炊を始めてから風邪を引いてもいないのでおそらくちゃんと栄養は摂れているはずだ。ダイエットの時と違い、体重を減らすというよりもキープさせることを意識した。
「摂取カロリーを消費カロリーよりも減らす=食べなきゃ痩せる」
この当たり前の原理はダイエットの際に身を持って感じ、一時期ガクッと食事量を減らしたのだけど、集中力が散漫になったり、ふらついたりと母子の健康に全くよろしくないので、とにかく栄養バランスをきれいな五角形にすることに専念した。

もちろん全く外食がなくなったわけではないし、むしろ息抜きに週1ペースくらいで外食をしていたけど(おやつも食べてる)、なるべく昼の外食にしたり、食べ過ぎたら次の食事を少し軽くしたりなど自分なりにルールを設けて食事量を調節した。1日の中で頑張りすぎるとストレスが溜まりバカ食いしてしまうので、1週間スパンで栄養バランスを整えるのが私には合っていた。ひとまずこの調子で「あすけん」のお世話になっていきたい。

ちなみに、栄養バランスを整えたからか多くの妊婦が通るらしい「便秘」と「貧血」とは縁遠い生活を送ることができた。食物繊維がたっぷり入ったきのこ、鉄分補給のために小松菜、ほうれんそうやドライプルーンを意識的に食べたのがよかったのだと思う。
また妊娠後期、毎晩のように就寝中「こむら返り(足のつり)」に悩まされていたが、朝食にバナナ(カリウムの摂取)を食べることを習慣化させ、喉の乾きを感じる前に白湯を飲むことでかなり解消された。妊娠のマイナートラブルは食改善である程度軽減できるのだと身をもって感じた。

保湿はメンタルを救う

スクリーンショット 2019-12-31 15.06.24

妊娠したことで、自分の身体に触る機会がとても増えた。これは大きな変化のひとつだ。

私はこれまであまり自分の身体のケアに執着することがなかった。「化粧をする」「髪型を変えたり、自分なりにセットをする」「自分の気に入った服を着る」みたいなオシャレはとても好きだし、たまにお金をかけることもあるが、「冬、ゆっくりお風呂に入ったあとに保湿クリームを全身に塗る」とか「化粧水の重ね塗りをして美容液の後に乳液をたっぷり浸透させる」みたいな身体に触れる時間が長い動作がとても苦手だった。「なるべくなら触れたくないな」と思っていたので、もしかしたらどこかで自分の身体にコンプレックスを感じているのかもしれない。

とはいえ、楽して、なるべくお金をかけずにきれいでいたいワガママな願望はあるので、ドラッグストアのプチプラ化粧品やスキンケア用品にはよくお世話になっている。

そんな日々ペペっとニベアを顔に塗りたくり、お手軽にきれいでいたい願望を持つ私が、妊娠5ヶ月頃から全身の保湿に精を出すようになった。
「保湿だけは絶対したほうがいいよ」と先輩ママたちが口を揃えて言うものだから「そうか、そこまでみんなが口を揃えて言うなら絶対にした方がいいんだなあ」と従った。「保湿絶対!」の理由は妊娠線予防のためだ。妊娠線は赤ん坊の成長や皮下脂肪が付くにつれてムクムクと大きくなるお腹に耐えられず、皮下組織の真皮が切れてしまうことでできるようだ。できてしまったら仕方ないが、どうやら一生消えないもののようだ。「『一生消えない』のはいやだなぁ。予防できるものならしておきたいな」と思い、ドラッグストアで保湿クリームを購入し、さっそくその日の夜から保湿をすることにした。

保湿に精を出したにも関わらず、結果的に妊娠線ができた。できてしまった。臨月直前に赤ん坊から執拗に1箇所を蹴られ続けて真皮が裂けて、お腹に赤い筋が無数についている。「これはもう身体に刻まれた我が子の成長記録と思うしかないな」と開き直った。すっかり習慣化した保湿は、今も毎朝毎晩せっせと続けている。ちなみに、お腹、脚についで触れる機会が増えたのは乳首だ。日常生活で自分の乳首に触れる女性は少ないのではないだろうか。赤ん坊の吸い付きに耐えうる強靭な乳首にカスタマイズするため、妊娠後期になると乳首のマッサージを推奨される。無心でマッサージをする様子はなかなかシュールだ。

全身の保湿を続けているうちに、なんだか自分の身体を愛おしく感じるようになった。少し柔らかくなった足裏に、あまり掻くことのなくなった背中。保湿することでいくらか具合のよくなった自分の身体に意識をめぐらせるのは割と心地がよいのだ。

よく「人に触れたりハグをしたりすると幸せホルモンのオキシトシンが出る」というが、自分の身体を触れてもきっと出るのだろう。大してお金もかからずに幸せホルモンがでるならば、妊娠線ができても保湿は続けるのがいい。

(余談)パートナーへのおねがい事項

スクリーンショット 2019-12-31 15.14.06

妊娠は身体の外的変化が大きい。ひと目見て分かるのはお腹だけど、母乳を生産するために胸も大きくなるし、出産に向かうにつれ下半身には厚みがでる。生まれたばかりの赤ん坊は視力が弱いので、おっぱいを認識できるよう乳首も黒くなっていくし、気づいたらお腹に太い毛が生える。

幾度となく保湿で身体に触れてきて、今でこそ「赤ん坊の受け入れ体制OK!」と自分の身体の変化を肯定できるようになった。しかし、はじめは妊娠前とのあまりの変わりように戸惑った。これは私の予想だけど、妊娠してからのカップルのケンカのきっかけは「母体の変化への指摘」が上位に来ると思う。ケンカとはいかないまでも女性がムッとしたり不機嫌になることは多いはずだ。お願いだからパートナーは、例え事実でも身体の変化には触れないで欲しい。日々大きくなるお腹をたまに優しくさするくらいにして欲しい。セックスするなら電気は消すか暗めにして欲しい。

ヘルシー妊婦生活を手に入れる情報断食

画像9

初めての妊娠・出産ということもあり、妊娠後の情報収集には余念がなかった。『たまごクラブ』で妊娠・出産のアウトラインは掴めたけど「果たしてこれだけの情報源でいいのか」と不安になり、多数の育児本を読んでみたりウェブメディア、SNSを見たりした。

特にInstagramの育児アカウントは永遠に見ていられる。トライアンドエラーを経て生み出された育児ノウハウやコスパのいい買い物リストはじめ、先輩パパママたちによる有益な情報が盛りだくさんだ。
それゆえ取捨選択しきれず(自分が思う)有益な情報が脳になだれ込んできた。次第に、情報過多になり「何を信じたら……」と疲れきってしまった。

ある時読み物系の情報収集をスッパリと辞めた。とはいえ、日々出産に向けて変化する母体への不安はあるので、思い出したように「母乳学級」や「両親学級」に通ってみることにした。「○○学級」は、産院や市町村主催で定期的に開催されている(参加費は無料だったり、高くても千円代なのでお財布にも優しい)。病院でもらったプリントに記載されていた開催日程を確認し、予約をした。

もちろん「出産への心得」や「ミルクと母乳の違い」のような授業もあるのだが、その時に抱いている不安をアウトプットできるリアルな場はなかなか貴重だ。自分と出産予定の近い妊婦が集まっていたので「同志がいる」という心強い気持ちにもなった。妊娠してから気づかないうちに孤独を感じていたんだなあと改めて思った。

「私の時はこうだったから○○すべき!」「私は○ヶ月の時まで働いていたよ」という助言は話半分に聞くのがいい(もしくは自分の都合のいいように解釈したっていい)。一意見程度に留めて、できる限り自分の身体や体調を尊重した選択をした方がヘルシーに妊娠生活を送れる。

今ふと、父親のことを思い出した。私の父親は毎年三が日に断食をしている。父はヨガ講師と特殊伐採の二足のわらじを生業しているが、毎年仕事が連続して仕事が休みになる三が日に断食をすることがルーティンになっているようだ。この時期になると「1年で一番ごちそうを食べられる時期に断食なんて・・・」と私も家族も口を揃える。断食の期間何をしているのかと聞くと、You Tubeで大食い動画を見たり、「孤独のグルメ」の一挙見をしたりするだという。おととしの正月に実家にごちそうを並べたこと、今更申し訳ない気持ちになった。

フリーランス夫婦、子どもを生むのにどれだけ金かかる?

画像5

「子どもを生むのはお金がかかる!」
本当にそうなのだろうか、意外とどうにかなるのではないだろうか?とフリーランスの私は思っていた。2人揃ってフリーランスの私たち夫婦は、2019年5月に入籍し(令和婚)その2週間後に妊娠が発覚した。夫は大学院卒業後、フリーランスの道を選び私と結婚した。

2019年4月1日からは産前産後期間の国民年金保険料が免除され、10月には幼稚園・保育園の無償化になった。これはお金がないフリーランスにとって、朗報だ。ありがとう税金。

記事の最後に、少し役立ちそうな情報を載せておこうと思う。
妊娠が発覚してから、出産直前の今日までに妊娠・出産関連でかかった費用と補助金(これから受けられるもの含む)だ。やはりお産は千差万別。補助金額や内容は住んでいる自治体によっても違う部分があるし、妊婦の状態によっても違う。大体これくらいの費用感なのね、と参考程度に見てほしい。

◎出ていったお金
 ◆検診にかかった費用
  ・里帰り前(個人の産院・長野県内)
   19,270円(検診・全9回、補助券使用済) 
  ・里帰り後(総合病院の産科・長野県内)
   15,380円(検診・5回、母乳学級2回、両親学級1回、補助券使用済)

 ◆母体維持費(出産に向けて自分の身体・心にかけた費用
   36,391円
 ◆赤ん坊費(子育てに向けて揃えた用品の費用)

   3,968円
 ーーー
  計 75,009円(妊娠してから臨月を迎えるまでの総額)

赤ん坊費がほとんどかかっていないのは、ありがたいことに知り合いや近所の方々にベビー用品を譲っていただいたからだ。洋服やベビー布団、ベビーバス、哺乳瓶などを譲っていただいた。「必要になったら買い足すマインド」でひとまず様子を見てみようと思う。
また、出産後に病院から赤ん坊を家に運ぶのにチャイルドシートが必須なので1月に入ったらチャイルドシートを買う予定だ(目星をつけているものは1万円前後)。

一方、どんだけ母体にお金をかけてるんだ!と思う人もいるかもしれないが、自分にかけるお金を無理に削りすぎないことは妊娠時に心穏やかに過ごすポイントだと感じた。
ちなみに費用のうち半分は美容院に行ったお金だ。妊娠してから「かっこいい妊婦になりたい・・・!」といてもたってもいられなくなって髪を金髪(ダブルブリーチ)にした。妊娠してから守りの姿勢になり、不安になっていた自分の気持ちがパッと晴れたので、脱色は精神衛生上とてもよかった。
先日、TBSラジオの「Action」内でパーソナリティの尾崎世界観さん(クリープハイプ)も「元気がないので金髪にした」と言っていた。髪色を抜いたことで気持ちが前向きになったそうだ。もし現在、気持ちが晴れなかったりもやもやを抱えている妊婦さんがいたら、金髪にするのは結構、あり(強くオススメ!とは言えないけど)。

この記事では省くが、別記事に細かく購入したものをまとめてみようと思う。

続いて、妊娠〜出産までに受けた(これから受ける)補助だ。

◎受けた(受けられる)補助  ※フリーランス夫婦の例
 ◆妊婦一般健康診査助成制度
  検診にかかる費用の一部助成が下りる
  (ざっと計算してみたら補助でまかなわれる金額は80,140円分) 
 ◆児童手当(生まれた翌月から支給)
   15,000円/月
 ◆出産育児一時金
    42万円(分娩費と分娩後の入院費の給付。42万円を超えた分は自費)
 ◆国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
   
出産予定日又は出産日が属する月の前月から4か月間の国民年金保険料免除


また、長野県内に住んでいる妊婦は「ながの子育て家庭優待パスポート」というカードをもらえる。妊娠してから子どもが18歳を迎えるまで県内の様々な商業施設で優待を受けることができるカードだ。個人店からチェーン店まで幅広い店舗でサービス展開している。ちなみに、私が一番うれしかったサービスは、近くの温泉「うるおい館」の入浴料が100円引き。最安時には400円足らずで源泉かけ流し温泉に入れるのでめちゃくちゃ使っていた。


長野市には「可燃ごみ(大)30枚/年の支給(最大3歳まで、90枚)」という補助もあるそう。赤ん坊が生まれ大量に出るおむつゴミ。ごみ袋の大量使用が待っているのでこれも嬉しい補助だ。

夫婦どちらか(または両方)が公務員、会社員の場合、また違った給付金をもらえたり、受けられたりするのだが、それは各自調べてみてほしい。フリーランス2人世帯でも意外と受けられる補助が多いなあというのが、私の率直な感想。とはいえ役所に届けを出さないと受けられないものもあるので注意が必要だ。

(おまけ)妊娠してから読んだ本ベスト3

最後の最後に、妊娠してから読んで心に残った本を3つ挙げる。
どの本も、妊婦じゃなくても楽しんで読めるはず。

医学者であり産科医の増崎英明さんと、ノンフィクションライターの最相葉月さんの対談本。医学用語が沢山出てくるけど分かりやすい脚注や説明があるし、テンポよく読めておもしろい。いつからエコー写真ができたのか、とか昔はどうやって検診時の母体の赤ん坊の状態を把握をしていたのかなど、妊娠・出産に関する「確かに不思議だな」が明らかになって爽快。「父親のDNAが胎児を介して母親に入っている」説は、ロマンチックでいいなと思った。

さくらももこさんのエッセイは、リラックスして読めるので大好き。この本も同様で、「まあ、なんとかなるだろう」と妊娠したばかりの時の不安を取り除いてくれるお守り的な存在。かなり前に読んだので内容を忘れてしまった。出産前にもう一度読み直したい!

 ヨシタケシンスケさんのイラストがかわいくて、図書館でジャケ借りした山崎ナオコーラさんのエッセイも最高だった。山崎さんの出産〜赤ん坊が1歳になるまでの記録がまとまった1冊。月齢ごとに自分の心の変化と赤ん坊の様子を綴り、合間に自身の妊娠・出産にまつわる印象的なトピックスを挟む構成が読みやすくて好き。「夫に子育てを手伝ってもらう」「家事に協力的」といった言葉にもぞもぞしてしまう人に、ぜひ!とオススメしたい。図書館で借りて読んだけど、本屋で書い直して手元に置いて読み直したいくらい共感度が高かった。

元気で健やかな子を産むぞ!

臨月になり、赤ん坊はそれまでの成長速度の倍くらいのスピードで成長している。成長期の中学生の身長みたく「昨日の夜よりも腹が一回り大きくなっているぞ」と感じる日もあるのだ。しかもロケットの先っちょみたいに腹がとんがっている。「鏡を見るたびにこんな形のお腹、ある!?」と笑ってしまう。よく、男の子は前に突き出て女の子は横に広がると言われるみたいだが本当にその通りになっている(お察しの通り、エコーで見る限りは股にちょこんとイチモツが!)。

今の夫と入籍する前から、子どもを産むことにものすごい興味があった。理由は色々あるけど、大きくふたつ。ひとつは今までの人生で自分にとって「子どもを産む」ことは、いくら考えても話を聞いても想像が及ばない出来事だったから。いくら人の話を聞いても、インスタで友達の投稿を見てもイマイチ実感がわかない。産んでみないことには分からない。だからいつでも興味津々だった。
そしてもうひとつは、自分の遺伝子を残したいと思ったから。人によって感じ方は違うと思うが、私は「血縁」や「地縁」にポジティブな印象がある。例えば仏壇やお墓に手を合わせナムナムして5年前に死んだじいちゃんの顔を思い浮かべたり、顔も人柄も知らないご先祖の皆々さまに想いを馳せるとなんだか心が晴れた。これから生まれてくる赤ん坊や、その先の自分の孫やひ孫に想いを馳せると、途方もない宇宙の広さを考えている時みたいに、自分の悩みがちっぽけに思えた。特段、信仰深いわけではないのだが、血の繋がりにはロマンを感じる。家族っていいなと思う。

画像8

「子どもを生む前と生んだ後だと、隕石が落ちる前と後くらい世界が変わる」
子育ての先輩にいただいた言葉だ。子どものいる世界のインパクトのでかさはいかほどか。生まれてからまた文章にしてみようと思う。

思っていることをあれやこれやと吐き出してみたら、いとも簡単に1万字を超えてしまった。いつもは頭をひねって原稿を書いているのに!「こんなボリュームの文章、誰が最後まで読むんだろう」と思いつつもこのタイミングで自分の言葉でまとめられてよかった。

そんなわけで、まもなく私の妊婦生活は終わりを迎える。明日からあっという間に正期産を迎え、いつ赤ん坊が生まれてもよい状態になる。我が子よ、お腹の中で順調にすくすく育ってくれてありがとう。それから妊婦生活を支えてくれたり、気にかけてくれた皆さま、本当にありがとうございました。
初めての妊婦生活、卒業論文的にまとめてみました。よっしゃ、いつでも生まれてこい〜!

画像4


いただいたサポートは、出産・子育てにかかる費用に使わせていただきます!