生後0ヵ月娘のオンライン診療デビュー~オンライン診療は小児科を救うのか~
まだ自分で寝ることも食べることも座ることもできない娘ですが、土曜日に初診で友人が勤める小児科へオンライン診療を受診しました。
タイトルにあるように、今まちの小児科クリニックは受診控えもあり、経営難になっているところがほとんどです。
実際こんなキャンペーンも実施されています。(よかったらご賛同ください)
当方は千葉大学医学部附属病院遠隔医療マネジメントプログラムの1期生でもあり、遠隔医療(以下オンライン診療)について推進していきたい立場の人間で導入や運用フォローは仕事として請け負っていましたが、今まで一度も受診経験はありませんでした。(今回も結局娘の受診でしたが。)
8月後半に生まれた娘の乳児湿疹が気になり始め、長男の時よりもちょっと荒れ気味だったで、1か月検診の時に相談しようと思っていましたが、1か月検診までまだ数週間あることと、友人が勤める小児科クリニックはオンライン診療のシステムが導入されていたので、実際に経験もしてみたかったことと、千葉市は15歳まで医療費が300円で受けられる千葉市子ども医療費助成制度があるので、通常より値段のハードルも低いことから早速友人に話して、普通にクリニック予約して受診してみました。
.....結論から言うと
患者サイドはメリットしかないです。
導入がまだのクリニックは、この先も受診控えによる経営悪化は避けられないので、ツールの早期導入がおすすめです。
受診までの流れと疑問
Q.オンライン診療をやっているクリニックはどこ?
オンライン診療で初診からできるクリニックを探します。こちら宣伝ですが、弊社のオンライン診療検索サイトメドオンラインをご利用いただければ、希望のクリニックを検索可能ですので、よかったらどうぞ。無料で、厚労省が発行しているPDFをWeb検索できるようにしています。
Q.診察料はどうやって払うの?
オンライン診療のシステムにもよりますが、クレジットカード決済が可能です。受診後に決済情報がメールやアプリで送られてくるので、カード番号を入力して決済完了です。
Q.特別な料金はかかるの?
基本的にはかかりません。ただし、自由診療とかですと、かかる場合もあります。ただし、往復交通費や移動時間を考えると、それでも結果割安だと思います。
Q.薬はどこでもらうの?
近くの処方箋を受け付けている薬局をクリニックに指定してください。その際にFAX番号を聞かれる場合があります(今時FAXと思うかもしれませんが、処方箋、かなりの量がFAXでやりとりされていて、現役バリバリです。)
こちらも宣伝ですが、弊社の薬局検索サイトメドオンラインをご利用いただければ、処方箋を受け付けている薬局やドラックストアの検索可能ですので、よかったらどうぞ。FAX番号や営業時間は公開情報を元にしていますが、一部誤りもある可能性があるので、念のため事前に聞いていただけると幸いです。(あとWebサイトは編集できる機能があるので、次の人のために誤りがあったら編集いただけると嬉しいです。)
Q.部屋はきれいにしたほうがいい?
どっちでも良いです。服装も部屋着でも構いません。とにかく、受診に限れば外に出かける必要がないので、普段のままで十分です。実は、ほかの診療科目の先生によると、ほんと普段通りの状態がベストらしいです。家でどのように過ごしているのかも診察における重要なポイントで、先生は同時にいくつものことを診ているんですね。
家の近所ではなくても大丈夫?
オンライン診療は以前、制約事項がありましたが、コロナ禍で厚生労働省からの事務連絡により緩和されているので、最寄でなくても、市外、県外でも受診OKです。もし好みの小児科医だったり、クリニックがあったら、そちらの受診ももちろん可能です。ただし症状によっては対面がいい場合もあるので、その場合は近くのクリニックで、かつオンライン診療もやっているクリニックが良いと思います。
オンライン診療を予約
オンライン診療のツール(アプリ)はクリニックによってバラバラです。YaDoc だったり、CLINICSだったり、場合によってはLINE電話だったりFacetimeだったりするかも知れません。
友人のクリニックはYaDocだったので、アプリのダウンロードから開始し、事前に登録作業を行います。
・受診したいクリニックを登録
・ユーザー情報の登録
・Web問診
・受診したい時間を予約
・薬を受け取りたい近くの薬局情報(メドオンラインぜひ使ってください)
などなど。そのほか、クリニックによってはいくつか質問が異なるかと思いますが、受診したクリニックでは、相談を書く欄に保険証と小児なので受給券を一緒に写真に撮り、アップしたりしました。
一通り作業を済ませてしばらくすると、クリニックから電話があり、予約内容の確認と注意事項など説明を受けました。
タブレットでもいけるのか
残念ながら、YaDocはタブレットには対応していません。写真のようにスマホで見た時のように小さく表示されるので、ベビーベッドが映り込んでしまっています。(右下の拡大ボタンで拡大するしかない)あくまでスマホのみです。スマホだと画面も小さく、顔も見ずらいので、タブレットも準備していたのですが、そもそも同時ログインができない仕様なので(本人特定のため複数デバイスで同一アカウントはできない)、タブレットでログインしたらスマホはログアウトされます。今回は夫婦で受診して画面は大きいほうがよかったのでタブレットでログインして、受診しました。
あると便利な三脚(自撮り棒)
持ってる人は絶対使ったほうがいいです。特に子どもを抱えての受診となると、スマホ片手に危険ですよね。三脚を準備して、自撮りできるようにしておきましょう。
いざ受診へ
オンライン診療で予約時間を設定したものの、自分はちょっと時間が空いてたので若干ソワソワしました。ただ、実際には予約時間までに子どもを落ち着かせたり、スマホの前にしっかり待機してたくらいですが。当日の診療の込み具合によっては時間が後ろになる可能性があること事前に伝えられていたものの、10分ほど待ったので、実際のクリニックの待合室ではその様子がわかるものの、スマホの前では状況もわからず、人によっては待ち時間が厄介かもしれません。ここは気長に待合室(スマホの前)で待機しましょう。
スマホ(タブレット)に着信があるので、簡単に自己紹介(対面の問診)をして、受診できます。うちは乳児湿疹で肌を見せる必要があったので、服を脱がせたり、肌をカメラに近づけたりちょっと見せ方を工夫しながらやり取りする必要があったので、ちょっと難しさもありました。たいていの場合は問題ないはずです。ただし、肌の状態はカメラ越しにはなってしまうので、完全に対面診療に置き換わるものではなく、あくまで補完的に考えていたほうが良さそうです。
一通り診察が済んだら、先生から、近くの薬局など、事前に入力した情報の確認をされ、終了です。通話ボタンを切るだけです。
会計
これもオンライン診療アプリによりますが、受診終了後にアプリから会計に関する情報が通知されます。URLをクリックし、クレジットカード情報を入力して、決済完了です。クリニックによって決済手段が異なりますが、たいていは現金払いではなく、オンライン決済です。クリニックによってクレジットカード対応していないところも多いですが、オンライン診療アプリには決済機能が不可欠なので、基本的にオンライン決済で会計します。
いざ薬の受け取りへ
ここまですべて家で済ませていますが、ドローン宅配など千葉市では2016年に話題になりましたが、まだまだ先なので、ここはメドオンラインで調べて事前にクリニックに伝えていたドラックストア、薬局に足を運びましょう。行く前に薬ができているか事前に電話しておくと、待ち時間を最小限に抑えられます。
オンライン診療の感動
・家にいるだけで手軽に受診
コロナ禍で受診することにハードルができていますが、オンライン診療は薬の受け取り以外はすべて家でできるので、誰とも接触せず、特に子ども連れだと、外に出かける準備をするだけで大掛かりだったりします。いつもリュックの中には着替えだったりおむつだったり、水筒だったり、タオルだったり、雨なら傘だったり、沢山の荷物を持っていきますよね。子どもを着替えさせるのも大変ですが、一人なら数分で済むものが10倍かかりますよね。あれが不要です。家にいて受診なので。
・夫婦で受診
コロナ禍なので、買い物行くのも最小人数で行っていることかと思います。オンライン診療の場合、画面の前に何人いても構わないので、夫婦で話を聞くことができます。これは相当メリットでかいです。やはり、お母さんだけ、お父さんだけで夫婦の片方だけで聞くのと、2人で聞くのでは情報量が全然違うし、安心感も違います。二人で聞いていれば、責任も押しつけもなくなりますよね。ぜひ時間が許されるなら、夫婦で先生の話を聞くことをお勧めします。
・メモが取れる
対面でも可能かもしれませんが、ゆっくり机でメモが取れます。診察室では、患者がメモするためのデスクはないですよね。先生の話をちゃんとメモを取りながら受診できるんです。これで聞き逃しや、聞いたけどわからない言葉などがあってもあとからググれます。
オンライン診療は小児科を救うのか
冒頭にも呼びかけましたが、コロナ禍で全国の小児科の経営がピンチを迎えています。実際友人のクリニックも営業時間を短縮したり、人員を整理したりコスト面でやれることはやっていますが、それ以上の患者減少に伴い経営が悪化しています。(近所のかかりつけは高齢だったこともありますが、これを機会に廃院になってしまいました...)
オンライン診療を身をもって体験した感想ですが、確かに対面診療に対して劣る部分はあるものの、受診するきっかけを作ることができます。今の状態が果たしていい状態なのか、悪い状態なのかは専門家でないと判断できません。そのトリアージにもなり得るオンライン診療はかなり万能であることがわかりました。
今回小児での受診でしたが、オンライン診療は他の診療科目でも対応しています。ぜひ気になる症状があれば、オンライン診療をまずは使ってみて、その後先生の指示のもと対面診療に繋げることをお勧めします。
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