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おでんのだしをこんぶとけずりぶしで手づくりすると


はじめに

 西日本のあまめのおでんだし。これをかんたんにどうにかそれらしくつくろうとこのところやってきて、どうにかかたちになってきた。もちろんうすあじ。

きょうはそんな話。

おでんをつくる

 たびたび、寒気がやってくる。そのたびに家に帰るまでにあれをつくろう、これで温まろうと思いえがく。そのたびにだしをどうするかこれまではいろいろつかってきた。白だしや市販の和風だし。どれもいまひとつこれだというものに出会えない。

もしかしたらこれは手づくりしていき、そのうちあたるものがでてきやしないかと、天然素材をそのまま合わせていき、気にいるものが出現するのを期待しつつ、手づくりのよさも加味する。もとからつくると塩分の調節がしやすい。

おでんの場合には素材にちくわなどの練りものをいれるのでそこからもだしや塩分がでる。そのために基本的には天然だしを複数ほうりこむとだし+塩分で味がきまる。

くみあわせは

 このところの定番の素材はだしこんぶとサバ節やあごだし、けずりかつお節をふくむ業務だし。これを煮込むまえから根菜類などを下ごしらえしたうえで水から煮込んでいく。だいこんはふろふきだいこんのように面とりしてひと手間くわえ下ゆですると、料理店でいただくのに匹敵するのではないかというぐらいきれいにしあがる。

だしに関しては意外とシンプルで手間いらず。はやいうちからこのくみあわせにすればよかった。

だしのきめては

 やはりあまくちを好む。みりんと三温糖であまみをととのえる。塩はいっさいくわえない。少量の練りものなどの素材から出るぶんだけ。もちろんだいこんをはじめとする根菜からもいいだしがでる。これらが混然としてくるとあじがまろやかにやさしいうまさになる。あとはだし汁がにごらないようにコトコト弱めの火を維持しながら煮こむ。

たいてい毎日火にかけつつ3日間ぐらいかけて食べつくす。そのあいだ何度か火をとおすのであじのこさが変わらないように気をつける。

翌日にふたたび火を通すあたりであまみとだしのうまみがまとまり、「たしかにこれっておでんだ。」とかんじる。

おわりに

 こうした料理の味つけはえのぐを紙にかさねて描いていくのと似ている。なにも意識してまぜあわすのではなく、半分以上は感覚。いつのまにかねらいの色合いにみえてくる。経験をかさねればそれを意識せずともほぼねらいどおりになる。

料理のあじつけはとくになにの料理の味にしようと味つけするわけではない。素材を煮炊きする操作をいつものようにすすめるうちに味がきまってくる。

毎回おなじ材料がそろうわけでなくそのときどき。味はおのずとちがうはずなのに、2日目になるといつもの味に収束してくるからふしぎ。


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