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中心の無い時代

性的行為強要疑惑で芸能活動休止に追い込まれたダウンタウン松本人志さんの件について、私も思うことがあります。

今現在、そしてこれからの時代性がよく出ていると思うからです。

その時代性を言語化すると、

「トップ(中心)がいなくなって、次があらわれず、空位になる」

芸能も経済も政治も同じです。

下記の拙著で、「資本主義・成長神話の終了」と題して、トップ(中心)がいない時代になると予測しました。

資本主義とは、世界でもっとも投資効率の高い「中心都市」に資本を集めて稼ぐ仕組みです。

中心都市の存在する国が「覇権国家」になります。

ロンドンが中心都市の時代はイギリスが覇権国家でしたし、ニューヨークが中心都市の時代はアメリカが覇権国家でした。イギリス以前は、アムステルダムやジェノヴァが中心都市の時代もありました。

が、いま現在アメリカは衰退していますが、「次」が不在です。

次の覇権国家候補だった、BRICSと呼ばれるブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカは、今とてもそんな状況ではありません。多少の可能性を残しているのはインドくらいでしょうか。上海や香港がニューヨークに代わる次の中心都市になることはもはや無いでしょう。

この資本主義理論を芸能界に当てはめれば、もっとも投資効率の高い「看板芸能人」が存在して、その看板芸能人に資本を集めて稼ぐ仕組みです。

その看板芸能人が、かつての木村拓哉さんであったり、アイドルグループの嵐であったり、あるいは芸人なら松本人志さんでした。

が、中心になった芸能人が、衰えたり、いなくなったりしても、次の「中心」があらわれません。松本さんの次のトップもいない。

人気の方はもちろんいますが、中心にドンと居座るより、片隅にいて熱狂的ファンを集めているイメージです。中心付近にはバランス感覚優れている人たちが残りはしていますが、トップ不在です。

日本の政治も、看板政治家だった安倍晋三さん亡き後、次があらわれず、今だに安倍派が存在しているのは、ホラーですよね。次が居なさすぎて、後継者どころか分裂すらできないわけです。

宗教界もしかり。大手新興宗教の教祖が亡くなっても、次の教祖があらわれません。誰もが知る宗教団体で、後継者不在の団体が3つありますよね。

「中心都市」「中心人物」がいて、他をリードするのは、これまでの時代の仕組みだったが、これからは違う。ひとりひとりが主人公になる時代だ、なんていうと、風の時代っぽいですよね。

ただネガティブなことを言えば、バラバラになって混乱するだけになる可能性も大いにあります。「風の時代」の次は「水の時代」ですが、水の時代はカオス(混沌)です。

中心がいた時代は、ある中心が衰退したら、力のある人や組織が立ち上がって、次の中心があらわれます。この繰り返しです。

中心のない時代は、果たしてどのようなシステムになるのか?

みなが注目する中心舞台は無くなり、色々な片隅が盛り上がる時代なのかもしれません。国家レベルの全体的な成長は難しいですが、もっと小さな単位で成長する所は出てきそうです。

NHKの紅白歌合戦のような「みんなで楽しむコンテンツ」が無くなり、人気芸能人が仲良し同士で集まってイベントをしたり、友達グループやご近所のカラオケ大会が全国各所で行われるのかもしれませんね^^

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