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東京ではない福岡ならではの魅力という勝手な期待と現実のギャップ

前回、久しぶりに書いたnoteで福岡での暮らしをスタートさせたことを書きました。

驚いたのは「実は自分も地元や地方での暮らしを考えているんだけど…」と、相談をくれた仕事仲間や友人・知人がこの数日間だけでも複数いたことです。確かに、総務省が出している「住民基本台帳人口移動報告 2021年(令和3年)結果」を見ても

東京圏の「転入者数」と「転出者数」の差分は、統計を取り始めた2014年以降、最も少なくなったそうです。ちなみに東京23区でみると、「転出者数」が「転入者数」を上回り、初めて「転出超過」になったとのこと。

とここまで書きつつ、今日は地方移住や東京一極集中の話を書きたいわけではなく、福岡に来てからなんとなく感じている違和感(良し悪しではない)、自分なりに言語化してみたいと思います。

それは、福岡という地方都市が持つ積み重ねてきた街の魅力が、成長ゆえ(変化ゆえ)に減ってしまうのでは⁉と感じたことです。もう少し掘り下げて書きます。

福岡の成長を生み出す源泉の一つである、再開発プロジェクト「天神ビックバン」には以下のように書かれています。

天神地区では、アジアの拠点都市としての役割・機能を高め、新たな空間と雇用を創出するプロジェクト”天神ビッグバン”を推進しています。

航空法高さ制限の特例承認福岡市独自の容積率緩和制度などを組み合わせ、ソフト・ハード両面にわたる施策を一体的に推進することで、民間活力を最大限に引き出しながら耐震性の高い先進的なビルへの建替えを促進するとともに、快適でぬくもりのある公共空間の創出など、安全安心で、未来に誇れる、魅力的で質の高いまちづくりに取り組んでいます。
出典:福岡市役所のサイトより

ここしばらく天神南にある子会社カラビナテクノロジーのオフィスで働いていて思うのは、確かに福岡はいま再開発ラッシュど真ん中ということです(あと、飛行機が想像以上に都市の真上を飛んでいます)。

オフィスビルや商業ビルはどんどん新しく建っており、先日訪問させてもらった企業のオフィスビルは天神ビックバンによって、規制が変更されたことで福岡でも屈指の高さのビルとなっていました(実際、眺めもとても素敵でした)。

結果、天神を中心に街は上に高くなり、天神周辺はもちろん、福岡の地価は上昇し続けています。

福岡県は7年連続、福岡市は10年連続で上昇した。福岡市は天神地区や博多駅周辺の再開発が活発で、上昇率は昨年の6.6%から9.4%に拡大した

そんな中、福岡に来てなんとなく自分が感じ始めていたのは「福岡って、もしかして東京っぽくなってる⁉」ということ。オフィスビルに入っている企業は東京にある企業の拠点で、商業施設や飲食店は東京にある有名な●●店が福岡に初出店!みたいな。

こういう違和感を同じように福岡に移ってきたばかりの人に話してみると、確かにわかると言ってくれました。同時に、自分やその人が感じている東京ではない福岡ならではの魅力という勝手な期待(実際その期待は多く叶えられているのですが)と

福岡に長く暮らす人が望み、期待している現実の福岡の姿にはギャップがあるんだろうということに気づきました。実際、自分が高校の頃など(地元の大分にいた頃)は、大分初出展の●●に物凄く心惹かれていたし、そういうのは今も自分の親などと話していても会話の節々に出てくるなと。そして、それ自体はそこに暮らす人にとって価値である側面も間違いなくあるんだと。

自分のように東京から福岡にきて、地方ならではの「らしさ」を期待する人の声と、地方に長く暮らしながら次の成長・発展として地方にはない東京のような大都市のように「ありたい」を期待する人の声。

どちらも融合して混ざり合っていく街になるのか、東京にあるようなものは福岡にもあるという街になるのか、福岡は福岡オリジナルを強く持ち続けるのか。福岡という街は、変化の真っただ中を進み続けています。

個人的にはそんな変化の中において、高度経済成長期からあるようなビルが上に高くなるような大都市のコピー的成長だけでなく、密度や濃度(その街オリジナルの成長)が福岡にはあり続けると良いなぁと思います。

それでは今日はこの辺で。めちゃくちゃ熱くなっている昨今。熱中症にはご注意ください。


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