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心得40.組織を変革していくための8つのプロセスを実践する

ここで、全員活躍チームをさらに大きな範囲へ、そして組織全体に拡げていくにはどのように展開していけば良いのでしょうか。
 その大枠の流れについて、ハーバード・ビジネス・スクールの名誉教授であり、企業におけるリーダーシップの世界的権威であるジョン・P・コッター博士が提唱する「組織変革のための8段階のプロセス」を参考に考えていきたいと思います。

「組織変革のための8段階のプロセス」
第1段階 緊急課題であるという認識の徹底
第2段階 強力な推進チームの結成
第3段階 ビジョンの策定
第4段階 ビジョンの伝達
第5段階 社員のビジョン実現へのサポート
第6段階 短期的成果をあげる計画策定・実行
第7段階 改善成果の定着とさらなる変革の実現
第8段階 新しいアプローチを根づかせる
※組織を変革させるためにはリーダーシップが必要であり、変革は前記のような8つのプロセスによって実行していくことが望ましいとされる。

 この理論は、主に会社や組織の最上層部チームが第1段階で緊急課題の共有・認識を行い、それから次の段階へと主に上から下へ拡げていくことをイメージしています。
もちろん、それが一番早く効率が良いと思われますが、この本を手に取られた読者の中には、ミドルマネジャーやその下にいるリーダーの方もいるでしょう。
そんなときは「心得39」でも述べたようにこの理論を一番近い上位リーダーや理解してくれるリーダーと共有し、上下でチームを組んで展開していくことも考えられます。
 とはいっても、組織内には反対勢力もあるでしょう。様々な困難が待ち受けているかもしれません。それでもなお、「なぜ、何のために組織を変革していくべきなのか?」について考えたとき、あなた自身のモチベーションの源泉は、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」にあるはずです。
「全員活躍チーム」を組織全体に拡大していき、前記のプロセスに沿って組織を変革していく中で、様々な抵抗があっても心折れずに推進していくには、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」に基づくリーダーの強い意志と様々な協力者の存在が不可欠です。

 そして何度も述べていますが、人と協働するのに大切なことは信頼です。もし、あなたに下心があれば、それは必ず相手に伝わります。
「あいつは会社のためと言いながら、自分の出世や利益が最優先だ」などと思われてしまったら、協力者が現れるはずはありません。
 他者と協力していくときに必要不可欠な信頼関係や誠実さは、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」と一致した言動から生まれます。
そして、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」をより社内の広い範囲で共有することができれば、全社一丸となって前進することも可能となります。

 リーダーが利己的でも出世し、トップに上りつめることもあるでしょうが、その下の部下たちはそれを見抜き、どこか冷めた気持ちで仕事に取り組んでしまうようでは全員活躍チームとはなりません。
無私の心に近づかなければ組織への貢献を成し遂げることはできません。
 あなたが天命・使命に生きる覚悟ができたとき、あなたの「誠」=「真言」=「真事」の姿勢が初めて組織への貢献につながり、組織にたくさんの全員活躍チームを作る土台ができあがります。

POINT
「全員活躍チーム」を組織全体に拡げていくためには、リーダーが「無私」の心で誠実に取り組まなければ、周りの共感を得ることができない。
「ミッション」「ビジョン」「バリュー」に基づく〝在り方〟を日々考え、自らに据え直し、体現することが大切である。

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