序章 全員活躍チームにおけるリーダーの〝在り方〟

◆チームが成果を上げ続けられるかどうかはリーダーの〝在り方〟次第

 私の仕事の中心はチーム開発です。簡潔に言うと、職場のチームに入り、ベクトルを合わせ、協力・連携体制を促進しながら、より効果的、かつ効率的に成長と成果を手に入れ、人が活きるチームになるよう支援を行うことです。
 目指すは「全員活躍チーム」。一人ひとりが個性を輝かせ、希望と成長を感じ、お互いに感謝・信頼・尊敬で結ばれ、成果を作り続けるチームを作ることです。

 支援する対象は、経営幹部、管理職、課や店舗、開発や風土改革のプロジェクトなど、基本的に10名前後のメンバーで構成される実務単位のチームです。
 実際には、私が外部支援者として、月に一度、丸一日チーム会議をリードし、実務を扱っていきます。
 外部支援者の立場ではありますが、私自身がリーダーの見本としてチームの前に立つこと、また最低半年間にわたって実務を通してチーム変容の支援を行っていく点において、数時間・数日の固定プログラムを実施する一般的な研修とは決定的に異なります。

 当然ながら、どのような成長・成果を望むのかはチームによって違います。ですから、チームの目標はチームメンバー全員で決めていただきます。その上で、どのようにチームのベクトルを合わせ、共通の目標・目的に向かって協力し合い、何を実行していけばいいのか、また実行した結果がどうなったのか、何を修正していけば良いのかをチームメンバーのみなさんとともに探求していきます。
 そして、半年後には私の支援がなくても自律・自走のチームに変貌を遂げ、チームが自分たちで走り出すことができるようになることが一つの目標です。

 私が本書でお伝えしたいのは、「リーダーの在り方」こそがチームの一致団結や部下のモチベーション、成長・成果の持続にもっとも影響を与えるということです。
 もし、リーダーのあなたが職場チームの一致団結や部下の育成などで頭を悩ませているならば、真っ先にリーダーとしての〝在り方〟を見直すことです。
 管理職やチームリーダーとして、部下の育成のためのアドバイス、コーチング、カウンセリングなどのコミュニケーション技術の習得も大切です。しかし、仮にそれらを身につけたとしても、あるいはチーム力を高める会議運営に必要なファシリテーションやプレゼンテーションなどの知識・テクニックを持っていたとしても、最終的にそれらが望む効果を生み続けるかどうかは、ひとえにチームリーダーであるあなたの〝在り方〟次第だといっても過言ではありません。
 逆に、リーダーに必要なコミュニケーションの知識や技術がそれほどなくても、あなたのリーダーとしての“在り方”が高く磨かれているならば、部下が育ち、チームが機能し、成果を上げることも可能でしょう。そして、そうしたリーダーがいる職場では実際にコミュニケーションもスムーズで職場は活気にあふれていたりします。

◆リーダの在り方とは一体なになのか

チームを一致団結させて成果を作りながら、部下を成長させることができるリーダーと、そうではないリーダーの違いとは何でしょうか?
 前者のリーダーの特徴としては、自らのモチベーションが高いこと、部下や周囲のやる気を引き出せること、チームメンバーとともに個人を超えたより大きな枠組みにおける貢献に意味を見出し、利己的でなく思いやりや助け合いの心を持ってチームを機能させられること、などが挙げられます。
 一方、後者のリーダーは、そもそも自らのモチベーションが低かったり、仮にモチベーションが高いとしても、それは「自分のため」という自利や利己の気持ちが「他者のため」という貢献の気持ちを上回っていたり、また「自分が正しい」ということに過度にこだわり、部下に対しては批判的でダメ出しの多い、他者を否定するタイプです。極端な場合、部下をほめることもせず、しまいには「ほめるところがない」と開き直るような人もいます。これでは部下と信頼関係を構築するのは難しく、モチベーションは下がり、会議ではほとんど意見が出ない、もしくは「発言するのはいつも同じ人」という、よくあるパターンが生まれたりします。チームというより、上司と部下との1対1の関係が複数あるだけで、有機的な横のつながりが知恵やアイデアを生んだり、チーム力を高めたりすることはありません。
 また、さまざまなコミュニケーションの技術や理論を駆使しても、リーダーの行動の奥にある目的や意図が自分の成功を優先しているところにあるならば、そのことは暗に部下に見抜かれて、やる気を削いでいるケースもあります。
 こうなると、部下やチームは“笛吹けど踊らず”で、「あんな風に綺麗ごとを言っていても、心の中は『自分のため』だしな」などと冷めた目で見られたりします。
 つまり、いくら手法論を追いかけたところで、一時的に成果が上がることがあっても継続しません。「リーダーの在り方」が大きく影響する、ということです。

 では、〝在り方〟とは一体何なのでしょうか?
〝在り方〟は、辞書で「物事の在るべき姿」などと解説されていますが、本書では今ここにあるあなたの状態──何を感じ、何を考えているのか、何をしているのか、何を意図しているのか──そうした行動を含めた、とくにその奥にある考え方や感情、心の状態、マインド、有り様を〝在り方〟と定義します。


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