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ホセ・ガルベスのこと

いよいよ来週に迫ったホセ・ガルベスとのツアー。
僕から見て彼は一体どんなアーティストなのか、簡単に紹介してみようと思う。

ホセ・ガルベスは、スペイン、ヘレスのサンティアゴ地区に生まれ育ったマルチ・フラメンコアーティスト。10歳でプロデュー以来、名だたるフラメンコアーティストたちと共に世界中で公演を続けてきた。地元のテレビ局のフラメンコ番組では数年に渡り司会者を務め、全面的に参加した作品、"Se llama flamenco"ではラテングラミー賞フラメンコ部門にノミネートされている。

ギタリストとしてのホセは、パコ・デ・ルシアの影響下のソリスト志向、テクニカル志向のタイプ(僕自身もこちら派)とは一線を画し、古くからヘレスに伝わるシンプルなフレーズを基に、伴奏に徹する。スタイルとしてはパリージャ・デ・へレスやマヌエル・モラオといった大家の直系のトーケを彼の感性で常にアップデートしている、という印象。どんな伝統主義のアフィシオナードも唸らせるほどフラメンコの核心に迫りながら、同時に新鮮で個性的な彼のギターには、近年ますます注目が高まっている。ファルー、マイテ・マルティンといった一流のアーティストとのステージをひっきりなしに行っている様子で、インスタを見ていても一体いつ休んでいるのだろう、と不思議になるくらいだ。今やホセはスペインで最も忙しいギタリストの一人かもしれない。

 またホセは、フラメンコのシンガーソングライターとしての顔も持っている。伝統的なカンテはもちろん、フラメンコをベースにしたオリジナル作品の数々は詩的な表現とフラメンコ性溢れる声質が相まって、唯一無二の世界観を作り上げている。「生まれながらのボヘミアン」という表現を彼は好んで使うが、フラメンコの核心に肉薄しながらも何にも縛られないような自由さは、確かに彼だけの物だと思う。
ちなみについ先日、彼はシングル曲をリリースしたばかりだ。
”Yo soy el poeta" José Gálvez

そんなホセとは、かれこれ20年来の付き合いになる。
ヘレスに住んでいた頃は、僕らギタリストの溜まり場になっていたメルチョールの家によく遊びに来ていた。
(その頃に作った、En la casa de Melchor メルチョールの家という僕のブレリアでは歌詞を書いて歌ってくれている。)当時から、ヘレスの同年代のアーティストの中で抜きん出たアーティスト性と、人としてのスケールの大きさには圧倒されるものがあった。

僕のフラメンコ人生のキャリアの中で何度も触れ合う機会があり、その度に貴重なフラメンコの贈り物をくれた、ホセ・ガルベス。
今回のツアーでは、はるばるスペインより招聘し、歌い手として、ギタリストとして、シンガーソングライターとして、ステージに登場する。

古くからの盟友であるTAKA(石塚隆充、彼もホセと深い親交がある)、日本人離れした踊り手の三枝雄輔くんの助けを借りて、伝統的なカンテからフラメンコをベースにしたオリジナル曲、また4人での完全な即興も披露する予定。
これまでの僕のステージでもおそらく一番フラメンコ度数の高い内容になると思う。

4/18 高円寺 Casa de Esperanza (残席数席)
4/20 Billboard Live Osaka
4/22 Billboard Live Tokyo
4/23 Billboard Live Yokohama

気になる方、ぜひどうぞ!

https://jinoki.info/live

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