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お子さんが「発達障害かも?」とお悩みの皆さまへ

集団行動ができない、忘れ物が多い、授業中座っていられない、イレギュラーがあるとすぐに癇癪を起して周りの子たちとトラブルになってしまう、こだわりの儀式が終わるまで中々次の動線に移れない、などなど、家庭内でも気になったり、保育園や学校の先生から指摘があることもあると思います。

今の時代、「発達障害」という言葉が浸透してきている中、お子さんの様子に違和感を感じて発達障害の検査を受けさせようか否か、真剣に悩んでいるご家族さんはけっこう多くいらっしゃると思います。

そこで、そういった悩みにどう対応していけば良いかを考える上で、少しでも参考になればと思うことをお話していきます。
※ASDの診断を受けたのが遅く「知的障害が伴わない」私一個人の見解です・・・。

・ちょっと変わった子という印象だが普通に生活できている場合

丁寧に指示を与えてあげれば素直に動ける、自分の伝えたいことをある程度伝えられる、他の子とトラブルにはならない、勉強はできる、不登校にはならない、偏食は激しくはなく栄養が偏る心配はないなど、身近な大人の人たちから客観的に見て、子ども年齢として生活に支障はないと感じていれば、まずは見守りでも良いのではないかと思います。
不器用ながらも、その子自身の力で、社会経験の中で柔軟性を身に着けたり、余計なことを言わないように気を付けたり、みんなに受け入れてもらうために工夫をしたりなど、頑張って努力をする習慣が身につくことが期待される可能性は大いにあります。
確かに、その子は普通の子よりも辛い思いをして負担に感じていくことになるのは確かだと思いますが、その分、努力をする力は確実に身についていくと思います。
ただ、その子のSOSサインに気付いてあげられるよう、しっかりと見守ってあげてください(発達障害の子は「ここのこういうところが辛い」と自分から上手に伝えることが苦手な子が多いです)。
大人になっても「年齢相応のコミュニケーションが取れない」「こだわりや感覚過敏で常にイライラする」「忘れ物や遅刻グセが治らない」など、努力をしてもやっぱりダメだったという場合は、成人後でも発達障害の診断をしてくれる医療機関はたくさんありますので、長い目で見ていくという考えもあります。

・明らかに日常生活に支障をきたしていたり本人からのSOSサインに気付いた場合

自分のこだわりが優先で、イレギュラーが起こるとパニックを起こして自他傷を起こしたり、授業についていけずに不登校になったりと、日常生活に支障が出てくる子もいます。
そうなると、家族や周りの人々が混乱してしまう事態に繋がりやすいですし、何といっても、その子本人が、周りに理解されずに辛い思いをします。
そういった重度のレベルであると、周囲の支援が必要になってきます。
また、発達障害には知的障害が伴うことが多いと言われていますが、「知的障害」も疑われる場合はなおさら支援が必要です。
あとは、その子からのSOSサインに気付いた時です。
ここに気付けずに放置してしまうと、その子が犯罪行為に走ってしまったり、自分で命を絶ってしまう恐れがあるからです。
そのような場合は、迷わずに医療機関に相談をし、診断を受けてもらうことをおすすめします。
早いうちに診断を受けると、周囲の配慮も期待できますし、様々な福祉サービスが受けられ、その子に合った支援を受けられるとともに、ご家族の負担の軽減に繋がることが期待できます。
要は、「日常生活に支障が出ている」「その子に合った支援を小さい頃から行なえば吸収しやすいという利点」を考えた上で、幼少期で受診をするかどうかを考えていくことがポイントかと思います。

・私の場合

そもそも私が子どもの頃は、「発達障害」という概念が乏しく、知的障害などわかりやすい症状がない限り、人と違う行動をしていてもあまり問題視さておらず、性格や親の育て方の問題として考えられていた時代でした。
なので、当時の親たちも、そういう視点で子どもたちをみなかったのは仕方のないことだったのではないかと、今は思います。
しかも私の場合は、知的障害は伴わないタイプで、学校の授業にはついていけており学力にも問題なく、周りの子たちとトラブルを起こすようなこともなかったため、「おとなしすぎる変わった子」と思われていただけだったのでしょう。
なので、幼稚園の頃からクラスで孤立していて、人間関係にとても悩んでとても苦しい思いはしてきましたが、そこから大学まで普通に過ごしてきました。
もちろん当時は、それは自分の性格のせいだと思っていて、自分が障害を持っているなんていう発想もありませんでした。
しかし、前回までの記事でお話ししたように、30歳くらいを境に、明らかに普通の人とは違う思考や感覚に気付き始め、仕事を続けていく上で限界を感じてしまったため、そこで初めて自分で病院を受診して、ASDの診断をうけた次第でした。
ただ、私はこれでよかったと思っています。
なぜなら、脳に障害がありながらも、幼少期から毎日普通の子たちと同じ土俵でコミュニケーションを続け、社会人になって物事の考え方も学んでいくうちに、「発言をする前に一呼吸をおく癖がつけられた」ことや、「気遣い・空気読み・柔軟な対応・マルチタスクでの行動」などが必要であることを学んで、不完全ながらも必然的に実践してきたので、「脳が鍛えられて」定型発達の人の感覚を意識して生活できるようになったことは事実だからです。


ここまでで、私個人の見解をお話してきました。

いきなり医療機関へ相談しに行くことは敷居が高くても、例えば、身近に発達障害をもつお子さんがいるママ友さんや発達障害当事者の友人などがいれば、相談するにあたって心強いと思いますし、それが難しい場合は市町村の相談機関もありますので、まずは抱え込まずに相談だけでもしてみるのが良いでしょう。

お子さんとそのご家族さんがより健やかに生活していけるように願っています。

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