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終戦の日にオッペンハイマーを観た。

8月15日、終戦の日にオッペンハイマーを観てきました。
まず初めに戦争で亡くなられた方々にご冥福をお祈りします。

公開前にネットで話題になった映画「バービー」と「オッペンハイマー」
私自身この騒動?に対して色んな思いがありましたが、まずは映画を観てから判断したいと思い、観てきました。

感想ですが、色んな角度から思うことがあったので、(この映画は特に)その立場別に行きたいと思います。
※表現力が足りなく、配慮にかけた文章になることをご了承ください。



映画として

まず理解して頂きたいのが、海外での鑑賞のため字幕が一切なく、私の英語力では理解が追いつかなかった部分が多かったです。その上で書きますご了承ください。

大きく分けて3つ
構成•キャスティング•演出でいきます。

構成

これまでのノーラン作品に比べると分かりやすかったと思います
具体的には現在から過去に遡って、最後現在に戻るというもの
ただ途中で過去と現在を行き来したり、シーンによってモノクロになるからそれが字幕なしも相まって私にとっては大分大変だった、、、、、、、、。

まぁでも主人公一人の人生の内の数年だから、と思えば、うん、

悔しかったのが主人公ロバート・オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィーが「今までで一番」と称したノーランの脚本を全然理解できなかったこと!!、、、、、(英語の勉強頑張ります。)

全然知らなかったんだけど、3時間の映画だったらしい。体感全く長く感じなかったです。(付いていくのに必死過ぎた説もある)

キャスティング

すんばらしぃというか豪華すぎてやばい
全員でノーベル賞掻っ攫えそう。

ゲイリー・オールドマンが好きです。

演出

会話のテンポとかカット割りが特徴的、でも何と言ってもこの映画は「音」
映画館ならではの重厚感ある音が椅子ごと全身を震わせて、かと思えば無音で唾を飲むことさえ許されないような緊張感があり、この強弱喰らいます。

私が思う今作の見どころである、核実験のシーンは顕著に音の表現がされてて、それに加えて映像の迫力、インパクト、力強さ、恐ろしさ、全てが合わさり印象深く、色んな意味で忘れられないシーンになりました。
投下され、爆炎が立ち上り、その映像に感情を持っていかれました。
その残酷さや破壊力に恐れ震え上がるとともに、私はどこかそれ(映像)を美しいと表現してはいけないと分かっていながらも、なにかそのような感情を持ってしまっていました。様々な感情が駆け巡るなか、このおそらく10数秒の無音世界のあとに待ち受けていたのは、まさに爆発音と言うにふさわしい音とそれに伴う爆風や衝撃波でした。
それまでの感情や思考、全てが飲み込まれました。
私は感情も時間も呼吸さえも失いただ漠然とその映像を眺めることしかできませんでした。
そして気づいた時には涙がこぼれ落ちていました。
映画として、これは物凄い体験で、映画館で見れてよかったと思います。

オッペンハイマー視点なので広島•長崎でのシーンはなく、その被害の大きさや残酷さは映されませんでした。(彼の想像の中で被爆が表現されるが、その映像は言葉にするにはあまりに残酷で、映画として世に出すには十分にその威力や恐ろしさを物語っていたと私は思う)

ただ投下を知った彼が、抱えた苦悩やジレンマ?、自分が産み出した、産み出してしまったとも言える殺戮兵器、とそれが持つ影響力に対する悩み、さらに国のプロジェクトや共産主義との対立など、さまざまな事情や思惑に翻弄されトラウマとも呼べる思いを背負った主人公の姿は私の目にとても悲しく映りました。

そしてラストカットも忘れられない、私たちが向き合っていかなければいけない未来を描く素晴らしいものでした。

日本人として

日本人としてといってもあくまで私個人の感想です。私自身が日本人としてってことね。うん。

物心つく頃には日本史なるものを授業で受け、戦争の悲惨さ、原爆の残酷さを習ってきました。世界で唯一の被爆国。日本人ならば誰もが原爆ドームや被爆地、それらの写真が目に焼き付いているはずです。

少し私自身の話をすると、私は沖縄の高校に通っていました。私はそこで身を持って戦争が残したものに触れました。ひめゆり学徒隊や鉄血勤皇隊など、住民や子どもまでもが国のために戦った歴史は、今もなお根深く心の中に刻まれています。私が特に感じたことがあります。それは私が出会った沖縄の方々が全く無意識に沖縄と内地とを分けるということです。沖縄には「ないちゃー」や「やまとんちゅう」という言葉が存在します。沖縄に住むまで私はこれらの言葉を知らなかったし聞いたことすらなかったです。しかし確かに存在し日常的に使われています。そのため私はクラスメイトやお世話になった方々からないちゃーと呼ばれていました。全くもって差別的、排他的と感じたことはないし、なんかかわいくて?いいなっぐらいに思っていたと思います。(むしろなんか気に入ってます)しかしごくたまに、本当に稀に明らかに意図的にその言葉を使われたと感じる時がありました。(私が東京出身ということもあるかもしれない)沖縄返還は終戦よりも最近の出来事です。戦争というくくりに入れるにはあまりに長く大きな問題ですが、あきらかにその影響は言葉として、さまざまな形として今もなお残っています。

長くなりましたがそんな私が日本人として思ったのは、事実を受け入れなければいけないし、その事実を知り、理解するために勉強しなければいけない、です。(映画が全て事実であるとは言ってません)
今まで、被爆国である日本の教育で学んできた、戦争、原爆の悲惨さや残酷さ、それに加えオッペンハイマーという人物の人柄や思い、また今回の「バーベンハイマー」騒動から、アメリカの人は原爆が正当であったと、若者にかけて減ってはいるもののまだ多くの人がそう考えていること、日本とアメリカ、その他の国や地域における原爆に対する考え方の違いなどを考え直すきっかけとなりました。そして私たちがこれからどう向き合っていくべきなのか、考える余地、勉強をして知るべきことがたくさんある。正直にいうと終戦の日も覚えていたわけではなく、他人に気づかされました。

最後に

この映画を見ることができその機会が与えられたことに感謝です。
字幕でも吹き替えでもなんでもいいから日本で公開するべきだと思います。映画に罪はないとよくいいますが、日本で公開して観にいく人はいけばいいし、観たくない人は観なければいい、そして今一度自分の考えを持つべきだと思いました。ネットの風潮、アメリカ人の考え方含めて事実なのだから。

私なりに言葉を選んで表現しましたが、配慮に欠けている部分があるかと思います。不快に思われた方、気を悪くされた方に深く謝罪申し上げます。

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