うみねこのなく頃に〜Stage of the golden Witch〜

柳さんと見た!

エピソード2の公演が9月7日からあるらしく、それに先立ってYouTubeで公開されていた。

ちなみに自分はタイトルだけ聞いたことあるけどうみねこの漫画にもアニメにも触れたことがなく、登場人物すら誰ひとり知らなかった。
ひぐらしは過去小説を2冊ほど読んだことはあるけど……という感じ。でもひぐらしとはかなり違うタイプの作品だったな。

なので序盤はどのような世界観なのか、誰が誰なのかを一致させることにひたすら集中させていたためセリフがじゅうぶん頭に入ったかといわれれば……うーん……
ずっと誰が誰の子どもなのかわからず、兄弟の上下もわかっていなかったので相関図が欲しい〜!といっていたら柳さんが相関図を貼ってくれたので助かった。自分で探そう!
普通うみねこ初見で舞台から入る人なんて少ないだろうし、わからないのも仕方がない。

びっくりしたのがYouTubeの動画のコメント欄に外国語のコメントが多くあることだった。
もちろん英語字幕もない中で、この全編日本語かつ舞台音響特有の聞き取りづらさがあるのにストーリーが楽しめるレベルでセリフを聞き取れるのは本当にすごい。
最近外国の映画をよく見るようになって、英語がわかればこのセリフの細かいニュアンスを拾えるんだろうな……と思うことが増えたけど一向に英語学習を始められないので、こういう方々は本当に尊敬する。

見る前にキャストを調べていたんだけど、声優の高橋広樹氏が出演しているときいてとても驚いて、まず自分の知っている高橋広樹であるかを確認するために出演作を調べようとしたら出演作品が多すぎて心が折れそうになる時間があった。知っている高橋広樹氏であった。舞台も出演する人だとは思っていなかったので驚愕。
1stから3rdの関東立海大までテニミュのDVDを購入してみたり追ったりしていたので、バトラ役の川隅さん、ルドルフ役の森山さんはお久しぶりの拝見で嬉しい気持ちになった。
また、TRUMPシリーズも好きだったので紗音と嘉音役のMIO、YAEさんもまた出演作品が見られて嬉しい〜!と思いながら見ていた。

声質によって声の聞き取りやすさってやっぱりあると思うんだけど、朱志香役の青木陽菜氏の話し方や声の感じがかなり聞き取りやすく耳心地がいい感じだったのですごいな〜!声優みたいな話し方するな〜!と思って調べてみたら本当に声優さんだった。
最近の声優さんはすごいな……

かなり原作に忠実らしいということが雰囲気から伝わってきた。
そして今はもう絶滅しつつある平成のライトノベルにありがちな女性キャラにセクハラをする男主人公や暴力ヒロインが見られてかなり懐かしい気持ちになった。こういうの、人間が生身で演じているところを見ると凄みが増す。

舞台の演出もかなり凝っていて驚いた。
プロジェクションマッピングで背景の写真や名前や図や文字を映し出して理解の手助けをするの、本当にすごい。ミステリ作品って図や文が出てくるから、それを観客に共有しなきゃいけないだろうし、とても便利だ。
そしてあっという間に場面転換したり、舞台が回ったり、扉が出てきたりする。
あと推理ターンって大体主人公の1人喋りになってしまうけど、チェスを背景に映し出したり、アンサンブルの方がダンスをしたりしてずっと画面が派手だった。おそらく認知できていないくらい自然に受け入れてしまっていたから気づいてないけど、もっとたくさんの工夫が凝らされているんだろうな。
演出が凝っているなという印象を受けました。見てていて楽しかった〜!

ジョージに関しては穏やかで優しい青年、くらいのイメージだったので、紗音と話がしたくて紗音を呼び止めたと言っていた時はあらあら!と微笑ましく見守っていた。
自分のことをジョージさんと読んでほしいと言ったら「でもそれは……」と躊躇う紗音に「じゃあ命令だよ?」と冗談めかしたように言うシーンではロマンスだ!なんかいい雰囲気かも!うふふ!と思っていたが、いかにも婚約の時に使いそうなケースから指輪を見せて渡してきたあたりから雲行きが変わってきた。
この辺り、柳さんと「話が変わってきたぞ」「ちょっとあれかも!」「ギリギリときめけない」と立ち上がって騒ぎ立てた。
後で年齢を調べたらジョージは23歳、紗音は16歳だったのでびっくりしてしまった。1986年とかだからセーフだけど、今だったらアウトですね……
使用人に好意を寄せて、付き合ってもいないのに命令で自分の送った高価な指輪を受け取らせて「好きな指につけてほしい」と言い渡すのってなんらかのハラスメントに当たらないか!?とヒヤヒヤしていたけど、紗音ちゃんが嬉しそうだったので「幸せならいいけど……」ととりあえず着席した。
後から思えばここは壮大な死亡フラグだったな……

マリアちゃんが最初から最後までかなり謎の子だった。結局二重人格なのかな?いや謎じゃない登場人物なんていなくて、だいたいの人が腹に一物抱えてはいたんですが……
特に謎だったのは何を考えているのか一切わからずおそらく死んでなさそうな金蔵氏を筆頭に、館の主人の思惑を全て知っていそうな執事の源次さん、苗字が明らかになっていなくて孤児院から引き取られたと言っていたけどもしかして妾だったベアトリーチェの非嫡出子だったりする……?という点で紗音、嘉音、明らかに魔女や黒魔術についての造詣が深いマリアなど。

最初の方は登場人物18人か!多いな〜と思っていたけど一気に6人減ったのでびっくりした。死にそうとは思っていたけどあっさり死んでしまった。人が減ると誰が誰だか一気にわかりやすくなった。
そういえばルドルフは自分が死にそうなことをなんとなく察知していたけど、それはどうしてだったんだろう。

とにかくこれは金塊強奪戦なのね!オッケーオッケー!それならわかります!と思いながら見始めたけど、どうやらそんな単純な話じゃなさそうだぞ……?と気付いたのはもう舞台が半分以上終わった頃だった。

普段ミステリ作品を見ている時は自分は一切脳みそを使わず、物語をなぞってへ〜!そうなんだ!と思うのみだったんだけど、人と一緒に鑑賞しているとあーだこーだ言えて楽しいという発見があった。この作品があまりにもミステリのお約束を導入しているからなおさらというのはあるかもしれないけど。

ただ今回予想したものは何一つ答え合わせされなかったな……
顔をめちゃくちゃにされた遺体と、わずかに残った身体的特徴以外は誰かわからないほど焼けた死体、これは誰かがすり替えられているってことかも!と思ったけどそれも何一つ解明されなかった。無念。

外との連絡手段が取れない孤島、嵐で出せない船、殺人、物語の時間が進んでいって、どんどん人々が疑心暗鬼になっていき、人が追加で死んでゆき、ときても名探偵役のバトラは苦しみもがくだけで事件が一向に解決する様子がないな〜と思っていたらベアトリーチェが降臨してマリアを黄金郷に連れて行って、生存者、無し!と表示されて舞台が終わるの、あまりにも衝撃的だった。
魔女は本当にいたのか!?それとも殺人者は身内にいるのか!?ということすら明かされずに終わってしまった。

原作がゲームというのことすら知らなかったので(ラノベだと思っていた)タイムリープものなの!?と驚いたけど、その後周回ありきのゲームの原作をここで切っているのか!と気付いた。
物語の後半でこれだけ人が死んでいてエピソード2の舞台化が決定してるなんておかしいと思ったんだよ……
商業として続編をやるぞ!という意気込みがないとこんな終わり方できないと思うので、勇気がすごい。
前半はちゃんと楽しめるかな……とソワソワしながら見ていたけど、後半はストーリーがどうなってしまうんだ!?とハラハラドキドキしながら見入ってしまった。
面白かった〜!

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