ファンタスティックビーストと魔法使いの旅

柳さんと見た!
楽しい!嬉しい!おしゃれ

舞台はアメリカなんだね。そしてアメリカのマグルはノー・マジと呼ばれていることを知った。

ずっとニュート!ニューーーーーーーーート!!!って叫んでいた。だって!ニュートのカバンからさぁ!めっちゃ何か出てくるんだよ!

おそらくこの時代って魔法生物に対してものすごく厳しくて保護とかの概念が薄く、すぐ殺したり利用したりしてたんだろうなと思うんだけど、そういう背景を考えるとニュートの言動って動物を守る者としてはものすごく軽率。本人は魔法生物学者で動物を保護すべきという本を書いているのに……しかもアメリカは魔法動物の飼育が法律で禁じられているし!
最初の方はなんでそのカバン厳重にロックできないの!?ねえ!ニュート!って叫んでばかりいるけど、最後まで見るとそもそもニュートは人の認識が自分かそれ以外かというふわっとしたものであり、個々の人がいかに魔法生物を恐れているかとかの考えが薄いんだろうなと気づく。自分は魔法動物のこと怖くないって知っているからそれでOKだと思っているよあの人。

そして初対面のティナの顔に「何かついてますよ?」って言って触ろうとして、は?って顔をされる。もちろん顔には触らせない。そりゃそう。普通に怖いし不審だし。
銀行では二フラーを探すために前に並んでいる女性の背後にぴっっっったりくっついている。怖いし不審だよ。

ニュートってこれは何!?って訊かれた時に「〇〇だ」って名前は説明してくれるんだけど、それ以上はほとんど何も言わない。今切羽詰まってるから名前以外の情報を教えて!?って時くらい。
それ以外の会話からもなんとなくわかるけど、おそらく人の言葉から前後の文脈を読み取るのがそこまでうまくないんだろうなと思うし、それが苦手な理由としては過去ホグワーツで集団に馴染めなかったのがあるのかな……と思う。
そんな子もあたたかく受け入れてくれるのがニュートの所属していたハッフルパフ寮なんだろうな。
ニュートがハッフルパフであることの説得力ってすごくて、協調性がないところ(ハッフルパフではそれも受け入れてもらえる)、でも困っているものには手を差し伸べずにはいられないこと、純粋であることにそれが顕著に出ている気がする。

魔法生物がかわいい。
特に二フラーがずっとコラ!って言いたくなるくらい逃走、盗みを繰り返していたんだけど、いかんせん見た目が可愛くてのちのち歩く姿に心を奪われるので許してしまう。ニュートに捕まるたびにはわわわ……って顔をするのもあんなん許しちゃうでしょ。ニュートもコラ!くらいの叱り方しかしないのはそれが二フラーの習性だとしっているからなんだろうな。

特にニュートが二フラーの足を持ってひっくり返して振ったらめちゃくちゃ金銀宝石が出てきたところ好き。笑っちゃった。こしょこしょして全部腹から出すくだりも大好き。アクセサリー屋さんでアクセサリー置きのフリをしてニュートを騙そうとしてたところも。

ボウトラックル(ピケット)を情報屋に渡したとき、いやいや!やめて!ってニュートの手に縋り付いていた仕草も可愛かった。
あとデミガイズ!子守りをするために色々なものを盗んでいたの可愛い……優しい子だね……ジェイコブさんにおぶさるのも見る目があるよ。魔法使いじゃなけどめちゃくちゃ良い人だから。
でもオカミーにジ……と見られたらあ、危ないかも……と思ってジェイコブさんの背中からス……と姿を消す。ちゃっかりはしている。

グレイブス長官の人狂わせの質感が生々しい。
声が津田健次郎なのは罠だよ。
クリーデンスに「君の力が必要なんだ」「君は特別なんだ」「いい子だ」と囁くグレイブス。蠱惑的。
クリーデンスの頭や耳元を撫でるように触れ合うのも、愛が足りない子にふれあいのぬくもりを教えるのもずるい。そりゃまたぬくもりが欲しくてたまらなくなるよ。
質感的には恋人とかにするような撫で方をしていたので、グレイブスはグレイブスで幼めの青年に対する接し方になれていない感じはある。
そしてクリーデンスに死の秘宝の形のネックレスを授けている。死の秘宝2まで見終わった時にWikipediaを読んでふわっと知っているのですが、彼、死の秘宝にず〜っと執着しているんじゃん……

クリーデンスがオブスキュラスとして覚醒した時「クリーデンス!君は奇跡だ」というグレイブス、なぜか泣いているんだよね。ここのグレイブスはどういう感情なんだろう……
クリーデンスのことは道具としか思っていないように見えたのに。

そしてそのクリーデンス、ふとした瞬間の美しさに驚いてしまう。鬱屈していて、グリーブスのことを盲信していた傷付いた美しい青年。
グリーデンスが抱きしめてくれた後離れられた際には目を伏せて震えながらその温もりを追うようにしていた時の美しさよ……誰だクリーデンスをここまでボロボロにしたの!
母(血は繋がってない?)に自分がつけているベルトを外す仕草が手慣れていたのもなんだかドキドキしてしまった。最初性的虐待を受けているのかと思ったんだけど、あれはベルトを鞭のようにしていたのかな?
最後オブスキュラスになって霧散した後一部が風に舞うように逃げていたのでまた後から出てきそうな気がします。


ハリー・ポッターシリーズでは魔法使いの土地以外で魔法を使うのはかなり躊躇することだったし、本当に必要に駆られた時に使うものだったけどファンタスティック・ビーストのニュートは街中でめちゃくちゃ魔法を使う。
ニュートは銀行の金庫にやすやすと侵入するし、銀行員に見られたらその人に石化の魔法を使うし、窮地になったら瞬間移動の魔法を使って逃げる。
建物や物をいくら薙ぎ倒しても、ぶっ壊しても、後で修復できる魔法があるから何してもいいと思っているし、いくら人に見られても忘却魔法があるからいいと思っている。しかも体術も普通に強い。
いやいくらなんでも雑すぎる!でもそれでなんとかなっているんだよな……大問題ではありますが……

クイニーさんにメロメロになってしまう。
殿方にも見えるように美しく服を着る人。
私がクイニーさんと一緒にいたらおそらく、あっ……胸の谷間が……とかの下心を読まれて嫌な気持ちにさせてしまうと思うので、決して心を読まないでいただきたい。
でもジェイコブさんが「心を読めるの?」と訊いた後「……気にしないで!男の人は私を見るとみんなそう思うの♡」と言っていたからそういう下心には慣れっこなのかな。
こんなに美しくて可憐なのに子どものように唇をキュッと噛む癖があるのも可愛い。ルージュで彩られた唇を……

マグル(ノー・マジ)がこんな長く出てきたことある!?ない!しかもめちゃくちゃいい人!という衝撃。ジェイコブさん大好き!
ニュートと初めて会った時、銀行で隣に座っただけのニュートに「やぁ、今日は何の用?」って気さくに話しかけた瞬間なんか人が良さそうだな〜というのは伝わってきた。それに「あなたと同じ」「パン屋を開く資金不足?」「そう」って返すの、適当な会話すなよニュート!ってなる。ニュートにとって二フラーを追いかけているのでまぁそれどころではないのですが……
めっちゃ良い人そう〜って言ってたら柳さんが「ネタバレ!良い人です!」っていってくれてめちゃくちゃ笑った。やっぱり良い人だったか〜!

ニュートを持っていたカバンでぶん殴った時も、情報屋をシンプルにぶん殴った時も、「ごめんな!」とか「すまないな旦那!」とか謝りながら暴力を振るうのいい。謝りはするけど躊躇いはない。

ジェイコブおじさんはパン屋さんになりたいんだけど、なりたい理由が「パンでみんなを幸せにしたいから」なのどこまでも善性が光ってて眩しい。おじさんの作ったパン絶対美味しいよ。買います。食べさせてください。

銀行にお店を開くお金を借りに行く時、担保が証明できるものを持って行かなきゃいけないのにトランクケースの中にパンや焼き菓子をみちみちに詰めて持っていっていたのがあまりにも愛おしかった。
この美味しいパンを食べれば銀行の人もきっとパン屋を開いて良いと言ってくれるだろうな〜!と思いながら前日の夜せっせと仕込みして、朝早起きしてパンを焼いたんでしょう?ああ……おじさん……あまりにも健気で涙が出てきた。

人が恋に落ちる瞬間を見てしまった。まいったな……
ジェイコブさんがクイニーに一目惚れするシーン、あまりにも美しかった。
クイニーさんに魔法でパンを作ってもらった時、その魔法の美しさにメロメロになった後食卓につかずぽつんと突っ立っているニュートに(ここに座れ。クイニーさんが作ってくれたでしょうが)の顔してたシーン大好きです。目だけで座れと言う。

酒場でクイニーに「ノーマジはみんなあなたみたい?」と訊かれて「いや、俺は誰とも違う」と答えたところが終盤で効いてくる。

ニュートに貰った謎の錠剤も覚悟した顔で飲む。普通人からもらった知らない薬飲めないよ。
ライオンが街中にいるのを見て「ニューヨークって思ってたよりも面白いところだね!」というニュート見てそんなわけないだろの顔をする。
こういうとき何も言わないけど顔で語るのがうまくて愛おしくなっちゃう。

ティナとクイニーのものであろうパステルカラーのファンシーな色のベッドに寝かされるジェイコブさんとニュートの絵面は幼女の人形遊びに付き合わされている男の人形のようなちぐはぐ感で思わず笑ってしまった。
というかティナとクイニーはもしかしてこの2人に寝床を提供してあげて、自分たちはソファとかで寝るつもりだったのかな。だとしたらあまりにも優しすぎない!?知らないハンサムな男性(挙動不審で話が通じたり通じなかったりする)と人の良さそうなふくよかなおじさんだよ!?
まぁ人の良さそうなおじさんはいいか……人が良さそうだし……

最初の方はニュートがカバンの開閉に無頓着なのって自分が知っている生物しか入っていないかつ危険な生物が入っていないからだと思っていたんだけど、ジェイコブさんとカバンに入るシーンで普通に危険生物が入っていることが判明しておい!ニュート!カバンもっと堅牢なのにしろ!って暴れた。

でもジェイコブさんがいい人そうだから自分の自慢の魔法生物たちを見せびらかすシーンかなりよかった。ずっと見てられた。
なんてったってジェイコブさんの適応力がすごいんだこれが……みんなのこと恐る恐るではあるけどすぐに可愛がれるし仲良くなれる。
そんなジェイコブさんが良い人だから動物も抱っこさせてあげる。信頼関係だ……

ニュートとジェイコブさんってめちゃくちゃ相性いいと思うんだけど、協調性のないニュートと協調性と適応力と優しさの塊であるジェイコブさんのコンビネーションの良さは異常だった。

そしてニュートが赤ちゃん動物に自分のことママだよ〜って自称していてめちゃくちゃになった。ママなんですか!?
ファンタスティック・ビーストは愛する動物たちの前で一人称がママになるハンサムな男性を見せてくれてありがとうございます。
そして動物園に逃げ出したデカマグマサイに求愛行動するメスになりきるニュートのことも見せてくれてありがとう。助かる。

「人間は地球上で最も怖い生き物」だとニュートが言っていたあたりでかなりニュートの質感が掴めた気がした。それならあの動物にしか興味がないような言動にも納得がいく。
プンプンするボウトラックルに「腕が切り落とされても君を渡したりしないよ」と言っていたんだけど、ニュートなら本当に腕を切り落とされても愛する動物たちを手放さないんだろうな。やだ!五体満足でいてください!
そして動物に対しては本当に愛おしそうな声で接するんだよ……ニュート……カバンを押収されたときは「その子たちを傷付けないで!危険じゃありません!」とずっと主張する。自分も身の危険が迫っているのに、何よりも動物たちのことが大事なんだ。

それに「動物たちを奪うことになってしまってごめんなさい」というティナ、まぁ魔法議会に連れてきたらそりゃ動物押収されてその後殺される可能性が高というのは明白なので考えが足りなかったのはあるけど、人の心に寄り添おうとして謝れるのは良い人。

それはそれとしてニュートの感情のフラットさが心配になる。
クイニーさんに読まれたくない過去を読まれても決して怒ったりしないんだよね。「心を読まないで。………読まないでっていったろ」という声もかなり柔らかくて優しい。もう少し怒るような喋り方でもいいはずなのに。
負の感情だけがポッカリと抜け落ちているような、怒り方や悲しみ方を表に出す方法を一切知らないような感じがある。トラウマが原因?

ニュートがジェイコブさんに「君みんなに好かれるだろ」って言った時、ジェイコブさんは「それはあんただってそうじゃないか?」って返すんだよね。今まで見てきて視聴者はいやそんなわけないだろってわかるんだけど、ジェイコブさんは冗談やお世辞とかじゃなくてマジでこう思っている。というか自分のこともニュートのことも特別だと思ってない感じ。だからこんな言葉がサラッと出てくる。
それにまじめに「僕は人をイラつかせる」って返すニュート、明らかに過去に自分の性格由来のことで問題を起こしているじゃん……

ニュート、怯えるクリーデンスに優しく優しく語りかけて、しゃがみ込むクリーデンスに視線を合わせて「そっちに行っていい?」と尋ねながら近付くの、完全に野生動物との交流の賜物だよ。
ニュートって人のこと嫌いよりだと思うんだけど、それでもオブスキュラスを生み出した他国の少女を助け出したり、クリーデンスを救い出そうとするし、そのためなら命を賭けるし愛する魔法動物たちを信頼できる人に預けたりもする。
側から見たらニュートって感情の出し方とか好きと嫌いの境が曖昧で人との距離感がおかしいとか色々チグハグなんだけど、虐げられて苦しんでいる人々を命を賭けてでも守ろうという善性はやっぱりハッフルパフだなと思う。


最後の雨と共に修復されていく街が本当に美しかった。魔法議会の人々はこういう修復作業をすごい数こなしているのかな。大変な仕事だな……
ジェイコブさんが魔法使いの記憶を失うシーンもよかった。
「ニュート、なんで俺の記憶を消さなかった?」「君が好きだから!助けてくれたこと、忘れないよ」なんて言われたらさ、ニュートに散々振り回されてきたけど全部許しちゃうし好きになっちゃうよね。サラッと君が好きだから!なんて言うニュートは人たらしの才能があります。

そしてクイニーとジェイコブさんのさ!「2人でどこかにいっちゃうのはどう?……あなたみたいな人どこにもいないわ」「そこらじゅうにいるよ」「あなたはたった1人よ!」ってくだりさ!酒場の「ノーマジはみんなあなたみたい?」の問いかけをした後なのでめちゃくちゃ効く!
ジェイコブさんみたいに優しくて勇敢な人ってジェイコブさんしかいないって知ってしまったんだよね……
クイニーってあの美貌があるからあまたの男性にモテてきただろうし、息をするように人の心も読めちゃうし、その気になれば誘惑だって簡単にできる。人のことたくさん知り尽くしているはずのクイニーが好きになるのがジェイコブさんなの、説得力が違う。だろうね!という。
だってうっすら人嫌いのニュートすらジェイコブさんのこと好きになったんだもの……

魔法使いの人たちを見て夢みたいだとはしゃいでいたジェイコブさんが「夢が覚めるようなものだろう」と言いながら忘却魔法がかかった雨に打たれるのも寂しくて美しくていいんだ……ジェイコブさんにはボロくて小さい家で寝て朝から晩まで缶詰工場で働くという生活があるんだよね。ただ元に戻るだけなんだ。
クイニーにキスされた後ふと気付いたらみんないなくなってて、全てを忘れて、ただ楽しくて優しい夢を見ていたような余韻だけ心に残っている顔をしていたのも好き。
ジェイコブさんの役者さんはハッとするほど表情で心情を語るのが上手い。目が大きいからかな。顔が雄弁。

そしてニュートがパン屋を開く資金にしてくださいという手紙を残してオカミーの卵の殻(銀でできている)を渡すのも!良い!ニュート、粋なことをする!そんなことできたんだ!

「僕も変わった。ちょっとだけ」というニュート、ティナの目をしっかり見て話すようになっていたのが何よりの違いだよ……
ティナの髪をそっと撫でたのも、それをティナが嫌がらなかったことも、ニュートにとっては変化の一つで、人のことを愛おしいと思えるきっかけだったんだろうなと思う。
でもニュートの場合自己犠牲精神があるので、あんまり大切な人を増やさないでほしいと思う気持ちもあるよ。

最後ジェイコブさんがパン屋さんひらけているのも、それが大繁盛しているのも嬉しい。そしてそこにクイニーが来ているのが何よりも嬉しい!
ジェイコブは忘却魔法がかけられていても無意識で魔法動物たちのことを覚えているからその形のパンを作って大繁盛するし、クイニーに何回でも恋をする。
クイニーを見た途端最初に魔法動物に噛まれた首の後ろをそっとなぞるのもいいよね……あの時ちゃんと動いた感情は、得た経験は確かにあったんだってわかる。

希望に満ちた終わり方をするこの物語が大好きだ〜!続きは暗いですか?覚悟をします。
次回くらいからダンブルドアが出るだろうか?楽しみ〜!

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