日々是暴食★トラウマめし【第37食】どこまでも追ってくるインドのカレー無限地獄
インドに1週間もいるとカレーに飽きてくるのが本音。
ちょっと趣向を変えて南インド料理のドーサを頼んでみたりしたが、結局スパイシーさからは逃れられない。中にはチーズたっぷりのポテトマサラが入っていて美味しかった。
あとはパスタなどを食べてみたが、味はうーん…結局インドでメシ食うならカレーが美味いという結論に落ち着く。
ヒンドゥーでは牛は神なのでもちろん焼肉などはありえない。それどころか豚も不浄な生き物と思われているのでまず食べない。肉を食うならマトンかチキン。マトン肉にはヒツジの他にヤギも含まれることが多い。
お隣のネパールも似たようなものなので、友人のネパール人はマックに行くとチキンバーガーしか食わなかった。ケンタッキーはみんな大好き。ちなみにネパール人の元嫁は鶏の砂肝が好きで、よく砂肝のカレー炒めを作ってくれた。生まれた村でヤギは贅沢品で、年一回お祭りの時に潰して家族みんなで食うらしい。
ああ、そろそろ日本に帰ってビール飲みながら焼肉が食いてえな。仏教に触れる旅に来たのに煩悩だらけではないか。
バラナシの郊外にある仏教四大聖地、サールナートへ行ってみた。釈迦が悟りを開いたあと、鹿ばかりいる公園でかつて共に修行した修行者たちに初めて真理を説いた初転法輪の地である。目印は巨大なストゥーパだ。デカい。
同地には紀元前2世紀くらいにインドを初めて統一したアショーカ王の柱があり、ここでブッダが教えを説いたことが刻まれている。輪廻を信じるインド人は過去にさほど興味がなく、歴史書が編纂されなかったため、釈迦に関しても本当に存在していたかどうか最近まで分からなかった。しかしアショーカ王がルンビニやサールナートに柱を建立していたために、その存在は確かなものになったのだ。ありがたや。
聖地ではあるがなんとも長閑な場所である。比丘の皆さんが大木の下で瞑想をしている横を通って、ひととり観光してまわった。いずれ残りの聖地、釈迦が生まれた場所ルンビニと、死んだクシナガラも行かねば。悟りはひらけないがなんとなく涅槃に近づくかもしれない。
バラナシ空港からコルカタ空港に飛び、そこから日本へ帰った。インド最後のメシは空港で飢えていたビールと、フィッシュ・アンド・チップス。昔イギリスの植民地だったから、たぶん美味いだろう。
しかし…やられた。衣はしっかりカレー味だし魚にも何かスパイスが塗られている。付け合わせのポテトもカレー味ではないか。恐るべきカレー無限地獄インド。来年日本を抜きGDPが世界4位となるインド人のパワーは、この絶え間ないカレーの辛さによってもたらされているのだろう。
インド編<了>
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