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シナモンベーグル、羊肉串、鮪の漬け丼の日。

今日は朝一で夫が書道のレッスンに行く日で、八時ちょっと前に起きてキッチンに行くと、夫は既に朝食を済ませ珈琲を淹れているところだった。私はいつも朝食にお米やお餅を食べることが多いけど、珈琲と一緒に食べるならやっぱりパンにすることにして、上下にスライスして冷凍しておいたシナモンベーグルの下半分だけ取り出してトースターで焼き始める。最近近所に出来た北品川の「bob bagel」さんのベーグルは、沖縄の超人気店「宗像堂」さんで修行されたというだけあってとても美味しい。もうすぐ焼き上がるというタイミングで溶けるチーズを乗せ、熱々を取り出して珈琲と一緒にいただく。

テレビで「これから週の後半は季節外れの温かい日が〜」と天気予報のお姉さんが言っているけど、とりあえず今日のところは結構寒い。なんとなく下腹部から腰にかけてうっすらと冷えを感じるので、お昼は羊を食べることに決定。正午頃に家を出て山手線に乗り新大久保で降り、大久保駅方向に歩いて行ったところにある「千里香」さんに入る。いつものように「一位(おひとり様)?」と聞かれ「一位」と答え窓際の席に座る。ラム肉の大きな串とえのき茸を巻いた豚バラ肉の串、あとエリンギの串をそれぞれ二本ずつ頼み、目の前に置かれた炭火で自分で焼いていく。最近自動で回る機械を導入している店も多いけど、炭の位置や強さを見ながら位置を変えじっくり焼いていくのは楽しい。串から脂が落ちて炭がジュワッと言った頃には中国人の若い子達で店内はほぼ満席。焼き上がったラム肉はしっとりとジューシーで、炭火の香ばしさとスパイスの風味が最高に美味しい。ここは通し営業なので、秋冬にちょっと冷えるなと思った時にはおやつとして食べに来ることもある。

食べた後また山手線に乗り渋谷で降りて、絵本作家のよしだるみ先生の展示会を見るため国連大学の横のギャラリーに向かう。瑠美先生は私にとっては絵本作家よりも前に太極拳の先生で、数年前まで私は瑠美先生とそのご主人の吉田博先生が主催する京都の太極拳教室に通っていた。パンデミックが始まり街中がナーバスになる中で、東京と頻繁に行き来している私が教室に参加するのは気が引けると先生方に退会を申し出て了承してもらい、それ以来お二人にお会いする機会はなかったのだけど、先日たまたま鞍馬口のスーパーの前で当時の教室の仲間に再会し、吉田先生がご病気で突然亡くなられたこと、そして現在瑠美先生が絵本作家として活躍されていることを知った。青山の小さなギャラリーの扉を開けると、ジブリ映画の主人公がそのまま大人になったようないつも通りの瑠美先生が現れ、初めて見る先生の絵は最近本格的に描き始めたものとは思えないほど美しく、温かい。「天は二物与えるよねー」と軽口を叩きたくなったけど、天はあまりにも大きな宝物を瑠美先生から奪ったのだと思い出してやっぱり言えなかった。来週京都で食事をする約束をしているのであまり話し込まずに早めに切り上げ、表参道の紀ノ国屋さんで明日のロールキャベツに使う牛肉と旬の本鮪の切り身を買って家に帰る。夜は夫が同窓会でいないので、熟成味醂と醤油で簡単なタレを作って漬け丼にし、作り置きのナムル数種と一緒に食べる。

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