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言の葉〜ひと〜

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ひと、木、風景、、、いままで出逢った忘れられない瞬間。その「いのち」が運んできてくれたものを言葉で紡いでいます。
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記事一覧

ほうせきよりもかがやいて

おおきな おおきな 流れのなかの ちいさな かわいい いのち ひとつぶ ことしも あおむしが チョウになって いっすんの まよいもなく  とびこんでいった この おおきな 流れのなかに ひろい この せかいのなかで きらめく いとおしい きみの いのち  やわらかい 砂浜は おひさまの愛にくるまれて まばゆい こうだいな おおうなばらに たゆたう きみは ひかりのなかで おおきな おおきな 流れに とけた ひろい この せかいのなかで きみのかがやき

好きこそものの上手なれ〜土佐の風〜

空気のなかにやさしい香りを感じます。 今年も金木犀があちらこちらで二度咲きをしています。 外を歩くたびに出逢う香りに、心も体もほんとうに和みます。 (じゆうな木)「ことしも2回、咲いてくれるのね🥺」 (金木犀)「にかい、がんばる♡✨」 秋晴れのある日、土佐へ出かけました。 讃岐からは、四国山脈を越えて土佐に入ります。讃岐にいると、ちいさなお山ばかりであまり雄大な自然を感じることがありません。しかし、少し車を走らせると存外、山深く、四国も自然豊かな土地なんだなと改めて

呼吸する大地とよろこびの波紋〜大地の再生 vol.1〜

やさしい てのひら そっと ふれて くらい ふかい よどみから ゆるやかに 水は うごきだす  やがて 風が そこにうまれ よどみは いまや はれやかに とうめい色を またたかせ 風と おどり ひかりと まうよ! ひろがり ふくらむ ひかりのはもん あらゆるいのち ゆりおこし そのすべてを だきしめて めぐりめぐるよ ちきゅうのなかを。 2019年のおわりのことでした。 たまたま手に取った『自然栽培 vol.19「水」はすべて』(2019.6) とい

“むいしぜん”〜タゴールの歌と夢見る小学校〜

“ この世界で  わたしを愛するものたちは  わたしをつかまえて おこうとする    かたい縄で しばって。    けれど あなたの愛はずっとおおきくて    あなたのやりかたこそが あたらしい    しばらず すがたを見せず あなたのしもべを放っている。  みなは わたしが忘れないようにと    わたしをひとりにさせはしない。  日に日に 時はすぎていくが    あなたに あえない。 あなたを呼んでも呼ばなくても    喜び

自由のたびびと南方熊楠〜大日如来の大不思議〜

すききらいも おもいこみも はげしくて まっすぐで じゅんすいで 着飾らずに ありのまま そして むちゃくちゃ! そんなひとが 日本にいた。 南方熊楠(みなかた くまぐす)を知ったのは5年ほど前のこと。何冊か目を通した彼の本はとても難解で、頭がくらくらしてしまいましたが、子ども向けに書かれている本『自由のたびびと南方熊楠〜こどもの心をもちつづけた学問の巨人〜』(三田村信行 著、PHP出版)は、熊楠への愛に満ちていて、読みながらなんどもなんども、さわやかな風が体のなかを駆け

やさしいぶどう〜ちろりん村〜

満開の菜の花が、畑にさらさらふりそそぎ、たくさんの種を結びはじめるころ、わたしのちいさな畑ガーデンは、オルレアのやさしい白色に染まります。 オルレアさん そんな4月のなかばのこと。 オルレアのやわらかいお花を感じながら、すっかり草でおおわれた畑をゆっくり歩いていたとき....... ち、、、ちろちゃん! (↑2022年4月16日撮影📸) ちいさなちいさな ぶどうがひとつ、めぶいていたのです。 (じゆうな木)「ついに......🥺🙏😭」 (ぶどう)「♡✨」 (じゆ

こえていくもの〜This is me!〜

「This is me」 ある日のことです。この曲を流し、歌いながらそして軽くおどりながら(!)、わたしは、ある友と一緒にお仕事のシフトをこなしました。 そして去年、そのThis is me! を聴きながらノリノリで描き、その友に贈った絵。 アネモネさん。笑 いつも絵をかくとき感じるのは、 「ほんもの(自然)の美しさには到底かなわない…」ということ。 それは今も感じるけれど、でも…… もしかしたら…… そうじゃないのかもしれない。 その日、わたしはたまたま地

ウミガメと海軍の救出

これはほんとうにあったお話です。 今から15年ほど前、わたしがタイに住んでいたころ、タイの南の島で起きたできごとです。 そのときの新聞記事も切り抜いていたのですが、残念ながら紛失してしまいました。記憶を頼りにアレンジを加えて、お話仕立てに つむいでみました。 ************ あるところに、ちいさな島がありました。 まっしろい砂浜が ぐるりと島をとりかこみ、海はエメラルドグリーンにかがやいていました。大きなヤシの木たちがにょきにょきと そびえ立ち、砂浜にすず

ちいさなともしび

じょき じょき じょき ぎゅっと むすんだ 髪のうえ はさみが すいすい およぎます 切りとられた あたしの髪は もう さいしょから なかったみたい 手放すと決めて のばした髪の はんぶんは わたしのもので はんぶんは さいしょから だれかのもの じょき じょき じょき きれいさっぱり ながれていった 一寸(いっすん)の まよいもなく これっぽっちの みれんもなく ただ たくさんの かんしゃとともに * * * * * * * * * * * 3

たいようのたべもの

スカイブルー! 雲ひとつない 真っ青な空のした 湯気が もくもく 露天風呂 とろとろ お湯たちは つるつる お肌にしっとり なじみ 湯面は たいようと たわむれる たいようの ひかりは ゆらゆら うねり からだも 全身 虹色に ふちどられるよ ひのきの 壁にも ひかりが うずまき ひかりの 影は くるくる うねうね それは まるで おおきな おおきな ひかりの網(あみ)が くるくる うずを まいてるようで その ひかりの網が すくうのは お魚 ではなく  はぁ〜!

サンタの手紙と1ルピー

“いのちの本質は愛です。… 愛に囲まれているとき、いのちはより完全にそれ自身になります。” (風景の天使のことば、ドロシー・マクリーン『天使の歌が聞こえる』(日本教文社より) クリスマスの時期が近づくと、毎年必ず思い出す、ちいさな男の子がいます。 中学生のころ、わたしは黒柳徹子さんの『トットちゃんとトットちゃんたち』という本を読みました。 ユニセフの親善大使としての活動が描かれている赤い表紙の本でした。 とてもやせ細った男の子の写真や未だに世界各地でつづいている紛

ルルとココとホワイトラベンダー

わたしの畑ガーデンには、「ツンデレな」ホワイトラベンダーがひと株います。 まだ森のなかで暮らしていた2年前、兄弟たち3株と一緒に、ちいさなポットでやってきたのが このツンデレちゃん。森で仲良くなった友だちからもらった大事な苗です。ひと株だけかなりツンツンしていて葉っぱはあっちこっち飛び跳ね、からまっている(笑)。兄弟たちと一緒に地植えしたのに嫌がり、、、このツンデレちゃんだけは さらに葉っぱが乱れる始末、、、。 ひと株だけ明らかに、グレている、、、笑。 (じゆうな木)「地

On my way〜ひみつの花園〜

日々 たんたんと 楽園をつくりあげたひとたちがいる。 毎日 毎日 すこしずつ すこしずつ 種をまき 苗をうえ 新芽を愛で 木をはげまし ながい ながい 歳月をかけて。 あるところに、とても素敵なお庭がありました。 そのお庭は そんなにおおきくありません。 たんぼ2枚分くらいの広さでしょうか。柿畑に囲まれたしずかな場所にひっそりとありました。 外から見えるのは木々の垣根と裏門の南京錠のかかった大きな扉。そのなかに素敵な庭が息づいているだなんて、外からは全く想像がつきま

曼珠沙華

母親と あるく  ちいさな 男の子 はっと 瞳を かがやかせ つないだ手を ぱっと 離し とことこ とことこ かけだしました 満開の 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)の前 その男の子は たちどまり 曼珠沙華の 背の高さまで 腰を すこし かがめます ちいさな手のひらを ぴんとひろげ そっと やさしく とんとんと たたくように よしよし よしよし 曼珠沙華を なでました うつくしいものが うつくしいものを 愛でている 秋の やさしい 散歩道