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呼吸する大地とよろこびの波紋〜大地の再生 vol.1〜


やさしい てのひら そっと ふれて

くらい ふかい よどみから

ゆるやかに 水は うごきだす 

やがて 風が そこにうまれ

よどみは いまや はれやかに

とうめい色を またたかせ

風と おどり ひかりと まうよ!

ひろがり ふくらむ

ひかりのはもん

あらゆるいのち ゆりおこし

そのすべてを だきしめて

めぐりめぐるよ ちきゅうのなかを。


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2019年のおわりのことでした。

たまたま手に取った『自然栽培 vol.19「水」はすべて』(2019.6) という雑誌のなか、NPO法人地球守代表の高田宏臣さんの記事『水の流れが、大地の呼吸を呼び戻す』が目に飛び込んできました。そこで初めて「大地の再生」の活動に出逢い、大きな衝撃を受けました。それから本やオンラインの講演で少し勉強し、翌年、わたしは電車を乗り継いで京都の山奥へ。

ちいさなスコップを片手に、初めての「大地の再生」ワークショップに参加したのです。

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講師は「杜ノ匠ノ(もりのたくみの)」の しょうさん。なんと、わたしの友人の友人でした。(世間はせまい、、、笑)

しょうさんは、「大地の再生 結の杜づくり」を主宰する矢野智徳さんのお弟子さんのひとり(NPO法人地球守さんとはまた違う団体です)。

まずは日本全体の地形図とともに、現在地の地形の流れをみていきます。自分が立っているその場所も、もっとひろい全体の一部であり、大きな流れのなかにあります。地図を見ながら、わたしは嬉しくなりました。どんなときも大きな何かと分かちがたく つながっていて、なんだかとても心強く感じたのです。そして自分が何かに集中して物事を進めたり創っていくときも、全体を俯瞰するその視座も忘れないよう大事にしたいなと想いました。

そして、その流れに沿ってほんの少し、スコップでやさしく大地をかいていくと、さーっと風がながれはじめます。淀んだ水が、みるみる透明になっていく。そして、周りの空気がどんどん変化していくのです。

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丸1日たっぷり作業しましたが、参加したみんなの顔は晴れやかで、その土地がよろこんでいるのも感じました。さわやかであたたかなエネルギーにあふれて、あぁ自分にぜんぶ還ってくるんだなと改めて感じてしまう。

“わたしたちが地球に対しておこなうことは、みんなわたしたちに還ってくる”

昔きいた、ネイティブアメリカンの方のその言葉が胸に鮮やかによみがえります。

そして、なんて素晴らしいことでしょう、スコップひとつで できることがたくさんある。たくさんの災害や気の滅入るニュースが多いなか、そのことがほんとうに嬉しくて、おおきな希望を感じたワークショップでした。

大地の再生の視点は、山道でも、公園でも、ちいさな畑や庭でも、(部屋のなかでさえも!)応用できます。散歩をしながら、その場所の地形のこと、水脈の流れ、滞っている場所、その理由(どの建造物が停滞を引き起こしているか)、どこを少し掘ったらもっとよくなるだろうか?、風の道をどうやって通せばいい?、、、そんなことを考えたり観察したりしていると、周りの自然がもっと身近に感じられ、木々のささやきも聴こえてくるようです。

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森のなかに住んでいたころ、わたしはカーテンも窓も開け放して眠るようになりました。虫も入ってきますが(!笑)、それは何ものにも代えがたいくらい気持ちがいいのです。開け放たれた窓から流れる風は、網戸ごしの風とは全然違います。空気の流れも、虫の歌声、沢水や葉っぱのさざめきから感じられる振動も違うのです。

特に素晴らしいのは満月の夜。満月の夜は、お月さまのひかりがたっぷりふりそそぎます。やさしい夜風はわたしの体に光と風の波紋を描き、そのなんともいえないやさしい波紋は、わたしの内面にも広がっていくようでした。

自然の風は自由です。

この日のワークショップでは、畑のなかに人工的につくった池の周りでも作業をしました。この池は山の湧水を引いていました。そして山から引いた湧水の入口と出口に「網」を置いて、池のなかの稚魚が逃げないようにしていましたが、網のまわりは泥がつまりやすくなっていて水がよどんでいました。

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ちいさな網たったひとつで、空気の流れ、水の流れは一気に変わってしまうのです。窓の網戸とおんなじです。しょうさんはその泥でよごれた網を掲げながら言いました。

「ちいさな四角の網が集まってこれはつくられていますが、こういう形(四角)は自然界にはないんです」

わたしのちいさな畑では、「四角い」木の杭を、竹の支柱を補強するために一緒に打ち込んでいるのですが、どのつる植物も「四角い」杭には全く絡まっていこうとしません。みんな四角い木の杭をよけ、まあるい竹に絡まります。

わたしたちは網を外し(お魚も逃げませんでした。笑)、すこしスコップで流れをつくると、水と空気がみるみる(!)自由にかけめぐるようになりました。

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大地の再生は、自然が本来持っている力を信頼し、それを引き出すような手法です。そこには人間のエゴや傲慢さをこえた、自然への深い愛と尊敬の気持ちがあるように感じます。講師の しょうさんも、地球守の高田さんの講演でも、その佇まいや言葉のなかに、そういうものが溢れていました。

そして しょうさんが「大地の再生」を学んだ矢野さんは、阪神淡路大震災をきっかけに、この道へ入られたそうです。矢野さんの言葉もまた、ひとつひとつが自らの経験に裏打ちされ、心に深く染み入ります。

 おすすめの動画↑


その矢野さんを追った映画が現在、全国で上映中です。
ドキュメンタリー映画『杜人(もりびと)』。

この活動があたたかな想いとともに、ひろがりますように。
たくさんのあたたかな手が、大地にやさしくふれますように。


【おまけ】

さあ、かえろう。
ある日、畑仕事をおえ、いつものように畑の入り口で畑を見渡していたとき、ひらひら1頭の美人さんが、後方から畑のなかへ滑り込んできました。

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ツマグロヒョウモンのメス☺️
(じゆうな木)「つまちゃん♡ あそびにきたの?」
(ツマのメス♀)「♡✨」

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かわいすぎ☺️♡
こうしていつもなかなか帰れない。。。笑

すると、、、

ひらり!

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なんと、

オスのツマグロヒョウモンもやってきました。😶✨

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(じゆうな木)「デートの待ち合わせだったの?☺️」
(つまちゃんカップル)「♡♡✨」


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蝶がすき☺️
蝶もまたわたしのなかに よろこびの波紋をひろげていきます🥺♡
みんなのなかにもよろこびの波紋✨
ひろがりますように🌈


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