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1.はじまり 〜車椅子ユーザーへの道〜

その日は何となく始まった。

私は更年期を目前に控えたお年頃。体の不調も多少感じ始めている。疲れは一晩寝ても取れないし、肩こり、目の疲れはマンネリ化していた。しかし、それもお年頃のせいと流す毎日。

その日もゴミを車に積み込み、日課のゴミ出しをしながら会社へ向かった。自宅と会社は400m。もちろん歩って行ける距離だがそこは田舎。ほぼ車移動で一歩たりとも歩かない。ほんの5分の通勤で会社へ到着。さあ仕事だと車から降りようと座席から片足を下ろし、体をひねったそのときだった。

ツキーン‼︎
痛っ‼︎

背中に嫌ーな痛みが走った。
今までに感じたことのない、背中の一部にツキンとくる痛みだ。

その痛みは数秒でジワーと薄らぎ直ぐに消えた。車から降りて腰を2,3回ひねってみたが痛みもない。何だったんだろうと思いながらも気にすることなく仕事へ向かった。

私の仕事はほぼ一日中デスクワークで椅子に座ったままだ。少しは動けば良いのだが、椅子に座ったまま、つま先で椅子を漕ぐようにして移動する横着ぶり。その日も椅子に座った体の向きを回転させて、ちょっと横の物を取ろうとしていた。

ツキーン‼︎
痛っ‼︎

うっ! また嫌な痛み。
しかしその痛みはまた数秒で消えた。

そんなことが何回か続き、背中を痛めたのかなと思っていた。

それから日々の忙しさに追われ3ヶ月が過ぎていた。痛み止めも必要ない程度の痛みということもあって放置していたのだ。

しかし人間の感覚というか直感というかは素晴らしい。なかなか治らないその痛みが普通ではないと気になり始めていた。


2話目へ続く… 


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