入院は年明けの1月5日に決まった。もちろん初めてのことで、退屈しないようにと本を買い込み、スマホには大好きな福山雅治の曲をたくさん取り込んだ。

当時はサブスクなどというものはまだまだ普及されておらず、レンタルしたCDをPCへ取り込み、それをスマホへ。と今では考えられないくらい面倒な作業をしていた。

それを考えると今はなんて便利な世の中だろう。スマホ一台あれば、音楽、読書、映画…そして極め付けはSNSだ。どこにいても誰かと繋がっていられる。病院からYouTubeを発信する人がいるくらい病人も暇がない。

病院からは入院に必要なものが伝えられていたが、大したものはこれといってない。今は便利なもので、必要な日用品からパジャマまで全てレンタル。用意したものは下着とマグカップ、お箸くらいだった。

そんなこんなでお正月を味わう余裕もなく、用意を済ませて病院へ向かった。

９話目へ続く…

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