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「ピアノがある生活」7年ぶりに戻る~60歳から始まる「私のピアノライフ」再び

この夏、突然、「ピアノがある生活」が戻ってきた。

私は、50年連れ添ったピアノを手放した。その日から、人生で初めて「ピアノが無い生活」が始まった。そこから7年が経った。

※ピアノを手放した時のことは、以前、書いた下記の記事をお読み頂けたら幸いです。

そんなある日、30年来のママ友から、急遽「アップライトピアノ」を譲り受けた。「本当にピアノが来るのだろうか~」実際に搬入されるまで、信じられなかった。

でも当日、ピアノが搬入されると、ビックリするぐらいピアノが、部屋に馴染んだ。

「私のピアノライフ」再び

再び「ピアノがある生活」が始まった感想は~「しばらく知らない場所に旅に出ていた自分が、また慣れ親しんだ街に戻ってきた」そんな感じだ。「ピアノが戻ってきた」というより、「自分が戻ってきた」という感じだった。

ピアノを手放した時に私の中に生まれた「罪悪感」は、「ピアノが弾ける自分」であり続ける事でしか払拭できないと、今そう思っている。

孫と共演した「ピアノの発表会」報告

「生の楽器の音」は、やっぱりCDで聞くのとは違う。

ピアノを手放してから、楽器の音を「生」で聞くことが、殆ど無くなった私にとって、発表会では、特にそう感じた。

子どもから大人まで、そして私のような年齢の者まで、様々な方々のピアノ演奏を聴くことができるのは「発表会の良さ」だと思う。

プロのピアニストの素晴らしい演奏は、チケットを買えば聴けるけれど、決して上手とは言えない演奏(申し訳ございません…)や、可愛い子どもの演奏は、今の私にはなかなか、聴く機会がないのだ。

舞台の上で演奏するお子さんのピアノを聴くと、自分も小学生の頃は、こんな演奏だったな~とか、これまでの自分の変遷を重ねながら、いろんなことを思う。

そして、中高生になると、本当に素晴らしい演奏をするお子さんがいて感心する。学校のテストや部活や、毎日の日常をこなしながら、ピアノの練習をやっていることを思うと、エールを送りたくなる。

音楽の「普遍性」に改めて感動する!

主催された先生が、娘と同じ世代であることもあり、選曲も新しい。

それでも、「ベートーベンのソナタ」や「ショパンのエチュード」「ブルグミューラーの曲」は、発表会の定番だ。

今まで、特に何も感じずに聞いてきた曲だけれど、それらの曲を10代の若い生徒さんが、弾いている姿を観ていると「こうやってピアノ曲は、途切れることなく、弾き継がれていくのだ」と、改めて感動した。自分が死んで、この世にいなくなった後も、「きっと、このピアノ曲は残っていくのだ」と思うと、ものすごいダイナミックな歳月の流れの中に、自分がいるような気持ちになった。

しかも、その曲を弾くためのテクニックは「継続的な努力を無しでは得られない」のだ。どんなに「AI技術」が進んでも、「ひとの指」で「その時だけ」にしか生まれない「演奏」は、何物にも代えられないはずだ。

おまけのエピソード

92歳の母に、今回の発表会の会場を伝えると、「あなた、幼稚園の時、そこで発表会やったわよ~」と言う。え~そうなの!

自分が幼稚園の時に立った舞台に、半世紀ぶりに孫と一緒に、私は立ったのだ。

私が幼稚園の頃、つまり1965年あたり、確か新幹線は開通してた、アポロは月に行っていただろうか~、そんな頃だ。

私が幼稚園だったの時の発表会でも、きっと誰かが、「ベートーベンのソナタ」や「ショパンの曲」を弾いたと思う。あるいは、先生が「講師演奏」で弾いたのかもしれない…… 自分の生きてきた60年の歳月の中で、時代が変わっても、変わることなく演奏されてきた「曲」が、存在していることは、やっぱり、すごいことだ。

今「練習」している事

7年もレッスンどころか、ピアノをまともに弾くことがなかった私は、どれぐらい、ちゃんと弾けるのだろう。

先ずは今まで、レッスンの中で弾けるようになった曲を、譜面をしっかり見ながら、ペダル無しで、「ハノン(音階練習の教本)」を弾くように、弾いている。一音一音を確認する「音取り」から始めた。

それと、今回の発表会で、ある高校生のお嬢さんが弾かれたシベリウスの「金魚草」が素晴らしくて「私もあんな風に弾けるようになりたい!」と思った。たまたま楽譜を持っていたので、早速、この曲だけは「譜読み」から始めている。まっさらな楽譜に「先生の書き込み」は、まだ無い。

ピアノを「いつでも弾ける環境」って、やっぱりイイ。前日に練習したことが無駄にならない。

以前にも記事に書いたけれど「歳を取り、人の手を借りないと生活が出来なくなっても、ショパンのピアノ曲はちゃんと弾けるおばあちゃん」を目指し、これからの日々を送ろう。

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