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月と6ペンス 読書ログ

歴史的大ベストセラーである1919年発表『月と6ペンス』(作:サマセット・モーム)を読みました。

狂気から生まれる芸術性、人間の才能、男女の考え方の違い、愛、恋、など、普遍性の高いテーマが小説中に沢山ちりばめられている作品でした。

今もなお世界中でこの作品が広く愛されている理由もわかるわけです。

おそらく、この作品を読む人誰しもが、自分の過去の恋愛経験と照らし合わせずにいられないのではないかと思いながら、あっという言う間に読み進むことができました。もちろん恋愛うんぬんを抜きにしても、小説として単純におもしろい作品です。

どんな人にこの作品をおすすめしたいか、考えてみました。

  • 才能ある人に惹かれてしまって過去に痛い目にあったことがある人

  • それなりに失恋したことがある人

  • 芸術(特に絵画)が好きな人

こんな人には一読をおすすめしたいですね。

この手のタイプの本は、何年か後にまた読むと、自分が登場人物の誰と共感できそうかが変わってくることがあり、長く楽しめる一冊だと思います。

呼んでいる最中、思わず下線を引いてしまう箇所が沢山あり、そういう意味では、ハっとするようなメッセージが多く含まれている教科書みたいな要素のある小説だとも思います。読みやすい作品であるとも言えるかもしれません。

個人的に、この小説から今の私が受け取れた一部のメッセージは

『愛』は相手を所有とか占有することと同義ではないことを忘れて、恋をする男女は、嫉妬や支配欲に我を見失ってしまうことがあるということです。


もう一つは、

人はみんな心の平穏を求めたり、平穏である状態こそが本来望まれるべき状態なんだと願って信じているかもしれないけど、もしも圧倒的な狂気や没頭、価値の破壊がなかったら、芸術なんて生まれていないんじゃないか。
芸術家たちは、何かを生み出すために、その限界に挑戦したいのではないのか。

ということです。


人の心を動かす芸術を生む為に必要なものは、
狂気か正気か、慈愛か、破滅か創造か。
ますますわかりませんね。

最後は全て『無』に還っていくのでしょうか。

気になる方はぜひ読んでみてくださいね。




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