見出し画像

韓国の孤立する青年たち

私たちが活動する生涯学習館にあるコミュニティには、人権問題の学習コミュニティもあります。
市民アゴラ1期生同士であり、今年最後の特別講義に参加しました。

保護施設を18歳になれば自動的に退所しなければならない青年たちのドキュメンタリーを何度か見たり、ニュースにもなることが増えたように感じます。
それは当事者の切実な思いから、その思いを受け止める大人まで、果てしなく渦巻いては消えゆくような社会の中から届くメッセージでした。

日本でも引きこもりやニートといった社会問題として取り上げられ数十年、韓国では社会から孤立している青年が30万人以上と言われています。
ただ講師として来られた支援団体の代表もおっしゃっておられましたが、韓国がほかの国々と違うのは、完全な引きこもりは少ないという点です。
そこで説明された孤立する青年としての定義は以下の通り。

  • 社会に出る準備が不足、あるいは社会への適応が苦手、放棄

  • 長期的に未就職状態、進路決定が難しい

  • 限定された関係の中でだけ生活し、社会とは断絶状態

  • 集団や組織への参加が難しい

  • 6か月以上限定された空間の中で生活

大学を卒業してから就職まで平均1.6年といわれる韓国で、2030世代の自殺率は増加傾向にあります。
2019年から社会問題として認識され始めたこともあり、人々の関心や認識もまだ薄いと言わざるを得ない現状です。
他の社会問題と同様に、民間や企業で試験的に運用したものを一般化あるいは政策化する流れがあり、韓国も他国の政策や対策を取り入れてきました。
青年手当、優待貯金制度など青年に特化した政策も増えてきています。

普段は主に環境問題について活動したり学習している私ですが、孤立青年たちの現状やそれでも彼らの可能性を信じて活動なさるお話を聞きながら、韓国での社会問題が本当に同じところで行き詰っていることを感じました。
表面上に現れる問題は違うけれども、やはり社会は人間がつくりだすもの。
環境問題も青年たちの孤立の問題も、根っこは同じなのです。
青年たちが感じる否定的な感情は、近年環境問題に対する感情と似ています。

それでも、代表は支援ではなく投資だと思って活動していらっしゃるとおっしゃいました。
それだけの可能性を青年たちは持っているのだと。
活動の中で出会ったある青年は、代表に感謝する気持ちをこう表現したといいます。

憂鬱な日曜日ばかりだった私の人生が、わくわくする金曜日に変わった

つい環境問題をテーマにすると、深刻な状況が強調されがちになります。
もちろん深刻なことは事実であり、余裕がないのも事実です。
しかし、それだけでは本当に気がめいってしまったり、諦めがでてきたりすることもあります。
どうしようもない、どうせ変わらない、大変だ、お終いだ……
まさしく憂鬱な日曜日!
(私個人的には慌ただしい週末から解放されるので、むしろ月曜日が待ち遠しいのですが ( *´艸`)
だからこそ、よりたくさんの市民の方々に、少しでもわくわくするような金曜日のような韓国の未来そして地球の未来のために、一緒になってできることは何だろうか。
そのためにも、自分自身がそういう状態でいられるよう、早寝早起き!
自然のくれるパワーと知恵に感動して、そこに集まるたくさんの方々の笑顔とパワーも頂戴しております。
来年の計画書提出も気候変動のように待ってはくれませんので、頑張ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?