見出し画像

旅行記: なんとなくウズベキスタン攻略法

ウズベキスタン。

中央アジアに位置し、古くは砂漠のオアシスとして栄え、シルクロードの中央あたりに位置し、アジアとヨーロッパをつなぐ重要な拠点となった国。

美しいターコイズブルーのタイルで彩られたモスクが特に有名。

そんなウズベキスタンのメインの都市(タシケント、サマルカンド、ブハラ)を週末+αバックパッカーで旅行してみた感想と自分なりに次回行くならこうするという攻略メモを残したい。


攻略法①予算をちゃんと立てる

つまり、適正価格を把握した上で、自分が納得できる(払ってもいいと思える)価格を決めておくとストレスが少ない。

ウズベキスタンは物価がとても安い。

スーパーでミネラルウォーターが一本40円。

サマルカンドの駅で売っている顔より大きいナンが一つ65円。

交通費も宿泊費も思ったより断然安い。

しかし、それは現地の人の生活レベルであって、観光客には適用されていないケースも多々ある。

美術館や博物館、モスクなども現地の人と観光客の価格差がある。

オフィシャルなタクシーでさえメーターはない。ドライバーによっては規則無視で10倍の値段をふっかけられる。

スーパーマーケットなどのきちんとした店でないかぎり、値札はない。

売店のアイスですら、観光客となれば10倍の値段を最初に言われる。

何でも適正価格に近づけようと思うと、粘り強く交渉が必要になるが、それに対して最初は「騙された」気持ちになったり、交渉に疲れたりしてすごくストレスが溜まった。

しかし、次第に交渉が上手くなっていくにつれ、

「この物やサービスにいくら払ってもいいと考えているか」

という基本的な売買の理念にたどり着いた。

嫌なら買わなきゃいい。価値があると思えばお金を払えばいい。

ふっかけられる値段も私たちからしたら払えなくはない金額なので、面倒な人は払えば良いと思う。

しかし、きちんと割り切った方が後味が良い。

彼らは騙そうとしてるわけではなく、払える人から払ってもらおうとしているだけだ。

これでも営業をしているので価格交渉は日常茶飯事だが、ウズベキスタンでの日々の交渉にはかなり鍛えられた。

最終日にはとてもタフな営業研修を切り抜けた後のように疲れ、もうこんな旅行はするもんかと思ったが、数日経てば清々しい気持ちになり、またあのサバイバルな空間に行きたくなっている。

攻略法②利害関係のない味方を見つける

ウズベキスタンの人は基本的にとんでもなく親切だ。

ウズベク語、タジク語、ロシア語などが主要言語だが、どれもわからない私にも丁寧に道を教えてくれたり、たまたま英語が話せる人が電車のチケットを買うのを手伝ってくれたり、乗り合いタクシーの作法を教えてくれたり、建物や街の歴史を説明してくれたりする。

見ず知らずの神学校の学生がお茶を奢ってくれ、イスラム教について聞きにくい突っ込んだ質問に対しても色々教えてくれた。

タクシーの価格交渉をしていた時のこと。

私が

「言っている値段の半額以下で行けるはずだから、お前のタクシーには乗らない」

とかなり強気に言って、他のタクシーを拾おうとしたところ、交渉していたはずのドライバーが代わりにタクシーを拾い、私に代わって行き先を伝え、私の言い値(さっきその人が言っていた半額)で価格交渉をしてくれた時はさすがにびっくりした。

(その後かなりバツが悪く、モスクであのドライバーに良いことがありますように、と神社や寺のように祈った。)

自分の利害に関わらなければ、基本的に善良でとても親切でピュアな人が多い。

そういう人を見つけて旅の味方にすると上手くいくことが多く、その出会いや出来事が楽しい。

どこの国でも旅をしていると人の出会いはありがたく、とてもステキなものではあるが、ウズベキスタンでは特にそれを感じた。

攻略法③暑い時は動かない

今回は夏に行ったので昼間の温度は38度から42度。

日差しがきつく乾燥しているため、普段は赤くならない私の肌でも少し外にいるとチリチリと痛くなった。

ウズベキスタンの人によると、8月は絶対に旅行に来ちゃだめ。暑すぎて店もやる気がでないし、人がイライラする。7月や9月前半もきつい。

ラマダンはそんなに厳しくないけれど、できれば避けた方がいい(やはり空腹でイライラするから)

冬は天気が悪いからだめ。

そのため、日本人ツアーは気候のいい春と秋に集中する。

この時期は稼ぎどきなのでどこも混んでいる。標準価格も高くなる。ふっかけられる金額も増えるから要注意。

次回行くとしたら6月末から7月上旬で滞在期間を延ばし、昼はホテルでのんびりするか、冷房がきいた電車移動をしておくのが良い。

ウズベキスタンも夏は日が長いので19時くらいまでは明るく、治安が良かったのでサマルカンドやタシケントでは夜でも動ける。

日が昇って本格的に暑いのは14-16時あたりなので、早朝6-12時や、夕方17時-22時くらいまでを活動時間にするといいだろう。

電車はあえて高速鉄道のアフラシヤブ号に乗らず、シャーク号にすると値段も安く、前日でもチケットが予約できることが多く、かなり空いていて、日中発がある。

私が最後にブハラからタシケントに戻ったシャーく号はあいにくクーラーが壊れていて弱冷車状態だったが、別の日に乗ったシャーク号は快適だったので安心してほしい。

攻略法④地産地消をする

その土地の名物を食べたり、お土産を買ったりするとき、必ずその産地にいる生産者の人から買うべき。

ウズベキスタン名物はたしかにどの都市でも売っているが、生産者から直接買ったものと市内で観光客向けに売られているものではクオリティが天と地の差である。

私の失敗はサマルカンドという観光客ホイホイな街でスザニ(シルクとコットンの刺繍)と陶器を買ってしまったこと。

比較的マシな店で頑張って値切ったこともあり、そこまで高い値段ではなかったし、一応ハンドメイドなのだが、その後ブハラ、ギジュドゥバンなどでスザニの作家さんや窯元を訪ねたら、同じ値段で遥かに品質が良いものを買うチャンスがあった。

結局二度買うこととなり結構な出費(勉強代)になったので、皆さんはもっと賢く生きてほしい。

特産地の生産者から直接買わなければ、イミテーションや中国産のレプリカ、品質の悪いものを掴むことになる。

食べ物に関しても、メロンの産地で食べたメロンは千疋屋などの高級フルーツ店以上の味がしたし、場所によってナンの味も変わるので、よくよく調べていくといい。

幸いネットには産地や生産者さんの情報や地元のレストラン情報がたくさん出てくるし、個人的に気に入った場所は私も教えたくて堪らない(ツイッターかどこかにDMください)


今回行けなかっ都市や場所なども結構あったので、次回はぜひ周りのタジキスタンやキルギスタンなどと一緒にゆっくり訪ねたい。

ウズベキスタンはセブンスタンの中で今一番行きやすい国だと思うので、この写真をみて魅かれた人はぜひ航空券と休みの日程をチェックしてほしい。

きっと非日常体験とサバイバルで感覚が研ぎ澄まされるはずだ。

読んで頂いてありがとうございます。 駐在生活や旅行での気づき、日々出会う美しいもの、海外情勢ニュースについて書くことが多いです。 他の記事もよければ見てもらえたら嬉しいです。 頂いたサポートは世界の素晴らしい手仕事を保護し紹介するための資金としてありがたく頂戴します。