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殺風景なワンルームで暮らす私と、ささやかな物欲

私は物欲があまりない。ブランド物の服やアクセサリーに興味がないのはもちろんのこと、まず部屋に物があまりない。どれくらい物がないかというと、私が過去に上がり込んだことがある他人の部屋と比較したとき、私より物が少ない部屋は1,2回ほどしか見たことがないくらいだ。

自室にあるものといえばベッド、冷蔵庫、仕事用のデスクと椅子など必要最低限のものくらいで、たぶん明日引っ越せと言われても難なく荷造りできる。

なんだか「どう?私ミニマリストでしょ?とでも自慢したいのかよ」と思われそうな出だしですがそんな気は毛頭なく、なぜなら私は自分の物欲のなさについて悩んでいるからです。最近物欲について考えることが多いので色々書くことにしました。

めちゃめちゃセンスのいい部屋に住む友人の話

こうやって考えを巡らすきっかけになるのはいつも人との関わりがあるときで、今回のきっかけはこの前の週末、親友の家に寝泊まりしたことだった。彼女は可愛い食器やインテリアに目がなく、そういった物に触れてこなかった私から見ても可愛いな〜と思うものが部屋中に溢れている。

そんな部屋にいると、たしかに居心地いいなと思うし、私の部屋にも"自分のお気に入り"がたくさんあったらいいなと思う。そこで私は家に帰って、よし私も部屋に自分の好きな物を取り入れていこう、と弱火くらいのやる気で奮い立った。

とはいえ、買い物が面倒くさい。

そういえば今使ってるコップがダサいからまずそれを買い換えるか、と考えつき、私が知る中でもっともイケてるECサイト「北欧、暮らしの道具店」をブラウザで立ち上げる。

まぁなんとなくこれ可愛いなというグラスがあったのでポチろうとしたとき、いや一応Amazonも見とくか…と思って同じ商品名をAmazon上で検索する。すると「飲み口が分厚いので○○ってブランドの方が好みでした」的なレビューを見つけたのでやっぱそっちにするか…ああ楽天のポイント溜まってたっけそしたらやっぱそっちで買おうかなとかぶつくさ言いながら楽天アプリを開き…

20~30分ほど悩んだ挙句、ようやく購入ボタンを押した。購入ボタンを押すという行為は、即ち口座からその分の代金が引き落とされること、かつ部屋に物が増えること、かつ物によってはそれを手入れし続けるコストを受け入れることへの決意と同義である。

まぁなんかちょっと大袈裟に言ってますが、はしょって言うと私は買い物が面倒くさいんです。

趣味としての買い物と、作業としての買い物

でもきっと、買い物が面倒くさいのは大なり小なり誰だってそうだと思う。

とすると、買い物を楽しめる人と私の決定的な違いは「これほしい!」と心がときめくものを買っているか、部屋からダサいものを排除するためにその代わりとなるものを買っているかだと思う。つまりゼロをプラスにする趣味としての買い物か、マイナスをゼロにする作業としての買い物かの違いなんだろうなと。

そう思うとなんだってそうだ。例えばゼロをプラスにする仕事は楽しいけど、ミスの埋め合わせとかのマイナスをゼロにする仕事は楽しくない。私は買い物についてマイナスをゼロにする作業だととらえているから、こうも面倒に感じるんだろうな…と気付いた。

ささやかな物欲を満たすこと

と、ここまでかなり悲観的に書いてしまったが、私にも買い物をする喜びが皆無なわけではない。通販で届いたバッグがとびきり可愛かったときや、お気に入りの香水と出会えたとき、買ってよかったー!と心から思うし、何よりそれを身につけている自分を好きになれる。

出かける前、どのバッグにしようかなと鏡に合わせて悩んだり、寝る前に好きな香りに包まれながら布団に入るのは、日常に小さな幸せをもたらしてくれる。

長々と書いておきながら私の物欲があまりないことに変わりはないし何も解決はしていないのですが、ささやかな物欲の芽が芽生えたときは、ちゃんとそれに従ってあげようと思ったのでした。

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