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「知識創造」って…何のこと?


こんにちは、noteコーディネーターの玉岡です。
本日ご紹介する書籍はこちら、「マンガでやさしくわかる知識創造」です。

と、このタイトルを見て「ああ、知識創造!しかもマンガで!今すぐ読みたい!」と思えた方はかなりニッチな人ではないかなと思いました(著者の皆様、編集者の方、ごめんなさい)。
私自身、「……知識創造?マンガで?」というのが正直な反応。そもそも「知識創造」なる言葉を固有名詞としてとらえたことがなかったので、
この本で何が語られるのか、読み始めるまでイメージが湧きませんでした。

しかし、ご安心ください。
会社組織に属し、組織内で与えられた役割に即した成果物を為したことのある方。つまりほとんどすべてのビジネスパーソンに刺さりまくる一冊です。





第1章 思いを起点に、共感を基盤に、人を巻き込む

さて、「知識創造」とは何か。
第一章では、その手掛かりを「ナレッジマネジメント」として定義します。



・職場に点在する、先人が残したノウハウの所在を明らかにすること
・そのノウハウを誰でもアクセス可能な状態にすること(DB化すること)

こうしたアクションを顧みない組織はほぼないと言ってよいと思います。
この活動は、実は1980年代から学理として確立されていったのでした。

こうした活動に「知識創造」という名前がついたのは、一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生(私の指導教官です)と、ハーバード大学ビジネススクール教授の竹内弘高先生の研究の成果からでした。野中先生と竹内先生は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」ともちあげられていた1980年代の日本企業のモノ作りの現場を研究して、日本企業の強さの源泉は暗黙知を活用した新たな知識の創造にあることに気づき、知識創造理論として提唱したのです。

59P

ナレッジマネジメントのスキームは、SECIモデルとして昇華していきます。

第2章 知識創造では「場」が大事

上述したSECIモデルはあくまでスキームです。
スキームをルールに落とし込むには、「現場」の生成が必須。
第2章では、「知識が生まれる「場」の条件」として、知識創造への人のかかわり方を解説します。


そして、場作りの鍵は「楽しみながら」。その通りですね。

人間は楽しみを求めている、ということです。そして、楽しいと思えることは続けられる、ということ。「場」の参加者と一緒に、楽しめることを見つけて、楽しみながら、知識を創造していけると最高です。

113P

第3章 知識創造を推進するリーダーシップの能力とは

本書のストーリーでも物語られますが、知識は創造して終わりではありません。
その組織が存在し続けるかぎり、更新されなければ生きた知識にはなり得ませんよね。
そのために「場」が求められ、そして場を牽引する「人」が求められます。
第3章では、その人に求められる資質を「ワイズ・リーダーシップ」として紹介します。

各資質の解説は、ぜひ本書を読み進めてください。
そして最後に、このチェックシートで自分を査定してみましょう。
あなたのリーダーシップは、どんな傾向ですか?

第4章 知識創造活動をイノベーションへつなげる

最終章では、「知識創造」のゴールをイノベーションと位置付けます。
イノベーションを、経済学者ヨーゼフ・シュンペーターは次のように定義します。

「経済活動の中で生産手段や資源、労働力などをそれまでとは異なる仕方で新結合(newcombination)すること」

189P

これまで本書で取り上げられてきた、場の創造、人による実践がイノベーションの実現条件なのですね。
そして、本書は次の見出しで本文を結びます。

ノリよく、マメに、楽しみながら

198P

エピローグでも語られているとおり、知識は実践されて初めて意味を持ちます。
そのために必要な姿勢を、本書は「楽しみながら」とまとめます。

マンガによる抜群のストーリーパートと、そこから展開される実践知の分かりやすい解説パート。
ぜひ、楽しみながら読み進めてください。

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