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『死にゆく営業、生き残る営業』

はじめまして。

梅田翔五(job_and_life)と申します。

株式会社iCARE というスタートアップで、営業チームのマネージャーを務めています。


34歳、既婚、娘2人

趣味は、自分の真顔を集めることです。

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こちらの記事は『営業 Advent Calendar 2020』の13日目の記事として投稿しています。(Twitterのハッシュタグは#営業アドベント


さて、過激なタイトルの本記事ですが、今日は『営業のキャリアについて考えるきっかけ』になるようなものを書いてみようかなと。

特にこれから営業に就こうと考えている大学生や、転職を検討している営業の方に読んでいただきたい。

今でこそIT企業に務めていますが、僕は前職で転職エージェントのマネージャーに従事しており、また現在も自社採用に携わっているので『キャリア』の話は個人的に好きなんです。

今回のアドベントカレンダーは、イケイケの方々が集まっているので、その中で僕が『キャリア』を語るのは恐れ多いんですが、まあ皆さん優しいから多目に見てくれるでしょう(笑)



ってことで、早速ここから本題。

突然ですが皆さん
営業職の人口って今どんどん減っているの、ご存知でしょうか。

国勢調査によると、2000年に468万人いた営業職が、2015年には336万人にまで減ったそうです。その減少数、15年で約130万
毎年8〜9万人が営業職から離れていった計算になります。

経済成長が停滞しており営業職を増やしづらい市況感、また少子高齢化により生産人口自体が減少しているなども要因として挙げられますが、それにしても数字がちょっと大き過ぎる。
何か他にも要因があると考えるのが妥当です。

そして、やはり要因として大きそうなのは『インターネットやAIなど、テクノロジーの台頭』なんでしょう。
テクノロジーが人の仕事を奪うなんて話は、今どき聞いたことない人の方が少ないですよね。

これから、ますますこの流れが顕著になることも容易に想像できます。

ITの進化エグい。ぴえん。

ではそんな中、僕達営業はどのように生き残っていけば良いのか。
そんなことを僕の主観でツラツラ書いていきます。

本日の内容
・ テクノロジーは味方につけねば
・ 営業の居場所  
・ まとめ



テクノロジーは味方につけねば

そもそもテクノロジーは僕達の敵なのでしょうか。
ある日突然、殺しにやってくるのでしょうか。

僕はもちろん違うと考えています。
テクノロジーは仕事を奪うのでなく、代わりにやってくれるのです。
ここの認識がまず大事じゃないかなと。

つまり、テクノロジーが業務を代わりにやってくれるなら、僕達は僕達にしかできない業務に集中していけば良いのです。

やっといてくれてサンキュー!的なノリで。
かわいい後輩みたいな奴なんですテクノロジーちゃんは。


テクノロジーのおかげで、営業という仕事(というかモノを売る活動全般)も非常に効率化される時代になってきています。

※ここで言うテクノロジーとは、SFAやMAツールはもちろんだし、オンライン会議ツール、社内チャット、タスク管理、WEBセミナー配信、ECサイト、SNSなど、マーケや営業活動に関わる情報技術全般を指してます。


「お客さんがメールを開封したかわかる」
「Googleカレンダーと連携し、お客さんに日程を選んでもらう」
「オンラインで商談が簡単に行える」
こんなの僕が営業始めた12年前じゃ考えられませんでした。

ですが、まだまだ人間でないとできない業務は多く残っている。
つまりそこに着目し、人間だからこその価値を発揮できれば、必然的に生き残る営業になるんだと僕は考えます。

そしてここから特に重要ですが『人間にしかできない業務を見つける力』を養うには、そもそもテクノロジーで何ができるかをキャッチアップしておく必要があります。

テクノロジーを把握せずして、人間がやるべき業務を定義するなんてのは不可能。僕達は人間としての権威性を保つべく、最新のテクノロジーを常に使う側にまわらないといけない。
でないと、簡単にテクノロジーに捕食される立場になります。

テクノロジーちゃんは、それを上手く使う者には可愛い後輩のような存在なんですが、実は自分に関心を持たない人達はバクバク食べちゃう漫画の大食いサイコパスキャラみたいな奴だったんですね。


「オレハラヘッタ。オレアイツタベル。」

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なので、具体的に1つアドバイスを申し上げるなら、若手の営業の方は、テクノロジー導入を積極的に進めている企業に勤めることを強く薦めたいです。
中堅以上の方で、もし今レガシー(時代遅れ)な会社に勤めているのなら、あなたがIT化を推進していくのが良いかもしれません。

テクノロジーに関するリテラシーって本人の努力ももちろん必要ですが、それ以上に環境要因って大きいと考えています僕は。
レガシーな企業に勤めるというのは、今の時代を生き抜く営業にとってはそれだけで重い足枷となっていきます。
ITリテラシーが、転職市場での評価材料の1つにもなる時代ですし。

ただ、こんなことを書くと
「おいおい梅田、営業ってのは、そういうもんじゃねーだろ!
 営業とは、お客様の課題を発掘し、提案し、解決すること!
 テクノロジー導入とかはあくまで手段でしかないだろ馬鹿!」
なんて言われるかもしれません。

言いたいことはわかります。
本質的な営業スキルってやつは、テクノロジーとは別個のものでしょう。

ただ[営業スキル]と[テクノロジー]の関係性を戦場に例えるなら
営業スキルは、兵士達の狙撃の命中率みたいなもの。
訓練を沢山させ狙撃精度を高め、なるべく的に命中するようにさせることです。

一方でテクノロジーというのは、その兵士達が使う銃の飛距離や威力、弾数を飛躍的にアップさせるようなものです。

どんな狙撃の名人だったとしても、それが火縄銃では現代の戦場では生き残れません。最新の銃を導入し兵士達がその使い方を知っていてこそ、兵士達の狙撃スキルが活かされるのではないでしょうか。

ちなみに偉そうに書きましたが、僕のITリテラシーは高くないですw
これはレガシー企業からIT企業に来た人間だからこその強い感想であり、自戒だと思ってくださいw



営業の居場所  

営業業務の多くをテクノロジーが代替えしていく中、人間にしかできない業務もあると書きましたが、それは特にどこらへんにありそうなのか。
その点について次に述べます。

キーワードは『複雑性』『価格』です。



『複雑性』について

人はモノを買う時にお金を払いますが、このお金を払うという行為は常にリスクをはらんでいますよね。
『払った金額に対し、得られる価値の方が低いリスク』です。

◯ 払った金額 < 得られる価値
× 払った金額 > 得られる価値

要するに、お金払ったけど思ってたんと違ったーという状態。
「このラーメン1,200円もするのに、クソ不味い!!!」みたいな。
こういうのは誰もが避けたい。

なので、このリスクを最小限に抑えるため、人はモノを買う前にそれ相応の情報収集をします。
そしてその情報収集もインターネットを筆頭としたテクノロジーのおかげで簡単にできるようになりました。
今の時代のお客さんは、昔よりも賢いなんて話よく聞きますね。

ただ、そのインターネットでいくら情報収集をしても、どれを買えば良いかよくわからないという経験、皆さん1度はありませんか。

・機能が多い
・プランが多い
・不確定要素が多い
・専門用語が当たり前に使われている
・実際に触れてみないとイメージが湧かない
・情報が多過ぎて、信頼性の高いものがどれか不明

など

このインターネットでいくら情報収集しても、なかなか理解しきれない性質が『複雑性』です。
この複雑性の高い分野のプロダクトやサービスほど、営業の居場所が広く残っているように僕は感じます。

例えば、昔僕は生命保険に加入しようと思った時に自分で色々調べたんですが、わからないことがけっこうあった。
保険の種類がたくさんあるし、説明が色々小難しい。
そもそも今まだ健康だから、ちょうど良い掛け金とかもよくわからない。
ある程度までは理解できた気がするけど、自分だけで意思決定するには自信が持てない状態だった。

だから結局、ほけんの窓口に行って、自分で調べた情報を答え合わせするかのように1つ1つの疑問や懸念をお店の人に相談したり確認して、最終的にプランを決めました。

これはtoCビジネスの例ですが、toBにもこのような複雑性の高い分野が多くあります。というか、toBの方が多いかな。

つまり信用できる専門家へのニーズです。
自分のニーズを整理してくれ、自分に合った情報をわかりやすく教えてくれる、そんな人間だからこそできる繊細なコミュニケーションが複雑性の高い分野には求められます。

裏を返すと、ネットで調べれば自分で十分理解できる分野ほど、営業が不要になっていくとも言えます。


『価格』について

また、ここまで話した複雑性と一緒に考えていくべきが、2つ目のキーワード『価格』です。

これは簡単な話ですが、人は買うものが高ければ高いほど慎重になります。金額が高いほど、先ほども書いた『払った金額に対して、得られる価値の方が低いリスク』も高まるからです。

アパレルECサイトで3千円のTシャツは気軽に買えますが、20万円のスーツならちゃんと試着したいし、お店の人にトレンドなども聞きたくなりませんか。

つまり複雑性同様、高いものを買うときほど、信用できる専門家へのニーズが発生するように思います。

裏を返すと、安いものほど営業が不要になっていくとも言えます。


この『複雑性』と『価格』を4象限で表すと下記のようになります。

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右上に近づくほど、信用できる専門家ニーズが高まる、つまり営業の居場所が広く残るというのが、僕の考えです。

そして左下に近づくほど、営業の居場所は狭くなるでしょう。
安くて単純なものはもうネットで情報調べて、ネットで買っちゃうのが今の時代。いちいち営業に会うのはわずらわしい。

要するに僕が言いたいのは、テクノロジーが発達するほど、営業が消えゆく業界と残る業界の差が顕著になっていくということです。


まとめ

という感じでざっくりですが、今後の営業キャリアに関わる最近考えていたことをまとめてみました。

・テクノロジーを味方につけ、人間がやるべき営業業務に着手すること
・プロダクトやサービスの特性を理解し、この市場は営業が必要なのかを考えること

上記2点を是非、頭の片隅にでも置いといてみてください。
そんなに的外れなことは言ってないと思いますので。


今回のnoteでは、営業としてどうすれば成果が出るかなどは一切触れませんでしたが、それは他のアドベントメンバーの方にお任せしますw

さーて、何か偉そうなこと書いちゃったし、僕も仕事ますます頑張らないとー!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!​

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