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逃げちゃダメなんてことない

「仕事でミスをして、これ以上迷惑をかけたら申し訳ないから退職したい」という相談を受けました。
誰にでも、「もうここにいたくない」「ここにいるせいで自分は力を発揮できない」「早くやめたい」と感じるときがあると思います。
個人的に、そうした状況の時は非効率で非生産的かつ精神衛生上よくないので、一刻も早く環境を変えるべきだと思っています。
一方で、世の中的には「最初に逃げることを考えるなんて・・・」と言われるケースが多いでしょう。
これが意外と深いと思っていて、「逃げる」=「投げ出す、後先考えず飛び出す」という前提で扱われるケースが非常に多いです。

「逃げる」ことではなく「意思決定しない」「思考停止している」ことが悪いこと

私自身もそうでした。
特に仕事について、売り上げが上がらない、契約が取れないといった自分の行動が原因であるとわかっていながら、「もう辞めたい」と思い続け、胃に穴をあけてまで仕事に行っていました。「辞める=逃げる」つまり悪いことだと思っていたから。
今振り返ると、その時点で思考停止していて、「早くこの場を離れたい」一心しかなかったように感じます。
せっかく自分がなにをしたいかを考えぬいて選んだ職場、もちろん偶然入社した会社でも、せっかくの機会を逃すのは非常にもったいないことです。
少なくとも、自分で決めたことだから。
「逃げちゃダメ、辞めちゃダメ」ではなく、「考えなしに行動してはダメ」に置き換えましょう。
少し気持ちが楽になります。

どうしても無理だわ・・・の時は

まずは落ち着きましょう。

  1. この場から離れることのメリット、デメリットをメモしてみる

  2. メリット、デメリットのどちらが大きいか比べてみる

  3. メリットの方が大きい場合、今の環境を変えるためにはなにをするか考える

  4. デメリットの方が大きい場合、次の環境選びを失敗しない方法を考える

今の環境を変えるためには何をするか

やっぱり今の組織のまま、環境を変えたい、それはめっちゃ難しいです。もう長いことその環境で成り立ってきている組織に新たに自分(あえて異分子と呼ぶ)が入って、異分子が「これは私に合わない!」といってもそりゃ当たり前よ、となります。
しかし、自分が今いる環境に問題を感じているということは、先輩、上司、同僚も少なからず同様の問題意識を持っているはずです。はじめにすべきことは、問題意識をきちんと言語として表現し、その人たちを味方につけることです。よく、「飲み屋で愚痴る大人になるな」と言われますが、この記事では大いに結構です。今いる環境がもう無理だと感じているなら、それを吐き出す同僚と、変えようとしてくれる先輩と、問題提起してくれる上司が必要だからです。でないと精神が壊れます。
そうして味方につけた人がいれば、これまでよりかなり組織にいやすくなると思いますし、なにより自分から発信できる人、なんとなく不満があったことを言語化できる人なんだ、という信頼感を持ってもらえると思います。

次の環境選びに失敗しない方法を考える

組織(会社)を辞めるのは意外と簡単で、私(あなた)の代わりはいくらでもいるので、一人抜けたとて仕事は誰かが引き継いで普通に回りますから、「この仕事は私にしかできない」「このお客さんは私を頼ってくれているから」という思考パターンはいったん捨てましょう。意外とみんな、なんとも思っていません。むしろ転職しますと伝えると応援してるよと快く送り出してくれる方も多いです。

なにに問題を感じて「逃げた」かったのか

それが人間関係なのか、業務そのものなのか、会社の仕組みなのか、働き方なのか、業務量なのか、通勤ラッシュなのか、喫煙所がないからなのか、どんなに細かいことで書き出して、「逃げたいリスト」を作ってください
なにか必ず引っかかることがあるはずですし、アウトプットすることによってしかわからないこともあります。
私がやっているのは、ポケットに入るメモ帳を持ち歩いて、イラついた時に日付と時間となににイラついたかをメモしています。これ、後から見返してみると、これは自分が悪かったなとか、これは仕組みを変えなきゃなとか、現状の問題点の洗い出しに役立ちます
こうしたアウトプットを通して、次の組織選びのネガティブ選択肢リストを作成します。これに当てはまりそうか、ど真ん中で当てはまっているのかで点数をつけて新たな環境を探します。

自分に原因はなかったのか

思考停止しかかっているときは、ほとんどの場合自分には原因がない、悪いのはあいつだ、悪いのは会社だ、と思い込んでいます。
しかし本当にそうなのかを自分で知る必要があります。これも、「逃げたいリスト」を反芻していくと、理解できます。

自分の幸せは自分で決める

大きな会社に入ること、安定した生活を手に入れること、人それぞれ欲しいものは違います。しかし、1日のうち3分の1以上を占める仕事の時間を苦痛に感じていたら、幸せな人生であったとは言えないと私は思っています。
私たちが感じている不平不満、もう逃げたい、という気持ちは悪いことではなく、そこで思考が止まってしまうことが悪であり、きちんと考えて行動すれば、決して悪いことではないんじゃないかなと思います。
そこから逃げ出す(=他に移る)ことは自分を守るため、幸せになるためにきちんと考えて選んだ結果なら、気にする必要はないのです。

だいぶ偉そうになりましたが、個人的見解ですのであしからず。

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