万華地区、台北の中心地。ここには、1920年代から市民の舌を楽しませてきた古いアイスクリーム店、「龍都冰果専業家」があります。その魅力は経年変化せず、多くの人々にとって「アイスクリーム店の生きた化石」とも言える存在です。

この店が移転する度に、熱心な顧客たちはその後を追いかけます。それは、「八宝氷」と呼ばれる特別なアイスが、彼らの心に深く刻まれた思い出の一部だからです。そのアイスには紅豆、緑豆、ピーナッツ、タロイモ、カリカリ団子、もち団子といった7つの豊富なトッピングが彩りを添えています。

時代が変わり世相が変化しても、「龍都冰果専業家」は伝統的なアイスクリームの風味を維持し続けています。新鮮なフルーツドリンクやレトロなシェイブドアイスは、訪れる全ての人の味覚を喜ばせてきました。寒い冬の季節には、花生のスープや八宝粥、甘いもち団子といった温かいメニューも用意されています。

店のメインは新鮮なフルーツジュースで、多彩なフレーバーが揃っています。中でも人気なのは総合フルーツジュース、パパイヤミルク、スイカミルク、パイナップルジュース、マンゴージュース、アボカドミルクなどの華やかなラインナップ。さらにピーナッツとコーンの氷、タロイモ氷、ビール牛乳氷、スイートポテト氷、緑豆牛乳氷、紅豆牛乳氷といったユニークなアイスクリームも注目を集めています。

一番の人気は「八宝氷」です。一つのボウルで様々なトッピングが楽しめるとあって、多くの顧客から選ばれています。その優しく甘いシェイブドアイスに、ピーナッツ、紅豆、もち団子、やわらかなタロイモが加わることで、それぞれが口中で溶け合い、深い満足感をもたらします。

台湾の多くのアイスクリーム店は、夏には冷たいシェイブドアイス、冬には温かいスープを提供するのが常です。「龍都冰果専業家」もその例外ではありません。既に3代目を迎えたこの店は、台北で最も歴史のあるアイスクリーム店の一つとして知られています。

訪れる人々は龍山寺への参拝を終え、百年の歴史を刻んだこのアイスクリーム店で心地良い冷涼感を味わいます。また、日本からの観光客も多く、店内では日本語が飛び交っています。これこそが新型コロナウイルスを乗り越えた現在の象徴でしょう。