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エドワード・ヤン監督の映像、遠い台湾の日々への旅

皆さん、エドワード‧ヤン監督をご存知でしょうか。彼の名前を初めて知ったのは、東京のある小さな書店で、台湾映画に関する本を手に取った、晴れた日のことでした。特に舒國治氏の著書『憶エドワード‧ヤン』は、私の心を強く惹きつけました。



この本は、ヤン監督の生涯だけでなく、彼が愛した時代、そして映画を通して表現した台湾の歴史に焦点を当てています。舒氏はヤン監督の親友として、彼の姿を繊細な感情と共に描写し、読者をあの頃の日々へと誘います。



私にとって、ヤン監督の映画は遠い故郷や過ぎ去った日々への手紙のようです。彼の描く世界には、旧台湾の日本的風情と、民国初期の中国文化が共存しています。彼の作品はただの物語ではなく、台湾の記憶、そして歴史そのものと言えるでしょう。



ヤン監督に触れると、日本の映画監督、濱口竜介氏の名前を思い出す人も多いかと思います。彼がヤン監督の作品と初めて出会ったのは、大学時代の午後。「一一」という作品に心を奪われたと言います。その時、彼はまだヤン監督の深みを完全には理解していなかったようですが、その感動は言葉にできないものだったと語ります。




濱口氏は言います。「人生の苦味を味わった人だけが、ヤン監督の映画の真実の深さを感じることができる。」私もその言葉を胸に、ヤン監督の『一一』や『牯嶺街少年殺人事件』を観る度に、心の奥深くまで感動が響きます。



最後に、濱口氏はヤン監督の作品にまだ触れたことがない人々へアドバイスを送ります。「彼の作品からどれを選んでも、エドワード‧ヤンはただの監督ではないことに気づくでしょう。」私からの付け加えをするなら、ヤン監督の映画は、遠い過去への旅のようなもの。心の中に永遠に残る、台湾の美しい日々を再び体験させてくれます。



目を閉じ、エドワード‧ヤン監督の映像があなたをあの時代に連れて行く時、映画と生活の美しい出会いを感じることでしょう。

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