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江戸の名君たち

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江戸時代には、領民のために善政を行った名君が輩出しました。その名君たちをご紹介します。
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JOG(277) 保科正之 ~ 清冽なる名君

 保科正之は、会津藩領民に仁政を施し、将軍家綱の後見役として「徳川の平和」の礎を築き上げた。 ■1.心配り■  信州高遠(たかとう)藩3万石の小大名・肥後守(ひごのかみ)保科正之(ほしな・まさゆき)が徳川第2代将軍秀忠が側室に生ませた子だという事が知れ渡ると、いまのうちに正之に取り入っておこうと、近づいてくる大名があらわれた。 __________  お上(3代将軍家光)とこなたさまとが血を分けた間柄におわすことは、まことに祝着。それがしから御老中がたに働きかけ、早う天

JOG(130) 上杉鷹山 ~ ケネディ大統領が尊敬した政治家

 自助、互助、扶助の「三助」の方針が、物質的にも精神的にも美しく豊かな共同体を作り出した。 ■1.Uesugi Yozan, who?■  1961年、第35代米国大統領に就任したジョン・F・ケネディは、日本人記者団からこんな質問を受けた。「あなたが、日本で最も尊敬する政治家はだれですか」  ケネディはこう答えた。「上杉鷹山(ようざん)です」[2,p3]  おそらく日本人記者団の中で上杉鷹山の名を知っている人はいなかっただろう。鷹山公は江戸時代に米沢藩の藩政建て直しに