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【YouTube版】世界を照らす日本の光 ~ 内村鑑三の『後世への最大遺物』を読む

「日本にのぼる道の光をもって、世界の暗(やみ)を照らさん」と内村鑑三は戦った。

■1.「一隅を照らす」と「誰にでも遺すことのできる遺物」

 能登半島地震の被災者の皆さんが、雪や雨、寒さの中で大変な思いをされている姿には心が痛みますが、日本の多くの国民の支援には、心温まる思いがします。

 その一つがふるさと納税による災害支援ですが、なるほどと唸らされたのは、他自治体による代理受付です。被災地の自治体は、救援活動で受付事務などする余裕もなく、また職員自身も被災者の場合が多いでしょうから、他の自治体が受付業務を代行して、寄付金額だけ被災地自治体に送るという仕組みです。

 たとえば、「ふるさとチョイス」では、すでに15億7千万円、8万件もの寄付を集めていますが、そのうち80%近くが代理自治体によって処理されています。こういう仕組みを考えた人、実現した人々、さらにはその仕組みで寄付をした人々、、、こういう国民一人ひとりの「一隅を照らす」行為こそ、我が国らしさであり、我が国の強みである、と改めて感じ入りました。

 ちょうど、読んでいた内村鑑三の『後世への最大遺物』(「遺物」は現代語では「遺産」)では、こんな一節がありました。

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人間が後世に遺すことのできる、ソウしてこれは誰にも遺すことのできるところの遺物で、利益ばかりあって害のない遺物がある。それは何であるかならば勇ましい高尚なる生涯であると思います。[内村、637]
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 私の好きな「一隅を照らす、これ則(すなわ)ち国宝(くにのたから)なり」という伝教大師、最澄の言葉と、「誰にでも遺すことのできる遺物」とは、深いところで繋がっていて、我が国の国柄、日本人の生き方を指し示した言葉ではないか、と感じました。

【続きは本編でご覧ください】

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