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「夜空はいつでも最高密度の青色だ」

 書店である詩人を探していたら、その方のお目当ての作品は見つからなかった。ただ、最果タヒさんの作品がいくつも並んでいた。最果さんの作品にも事前に目をつけていたものがあって、それは並んでいた。ただ、別の作品を購入した。

 詩集「夜空はいつでも最高密度の青色だ」

 夜空も青も大好きだからというシンプルな理由だったが、即決した。タイトルは最初の詩「青色の詩」の中の一説。

 思ったより難解で、全部はわからなかった。文法もただの文と違う。ただ、そこに何かが込められてる気がして、それをわかろうとしてもわからなかった。それでも、いつか読み返した時にわかればいいかと思って、そのまま読み進めた。


 読みながら、どこかで似た雰囲気の文章を読んだことがあると思ったら、ある人の文章だった。
 簡単に理解できないけど、おそらく私より綺麗な世界を見ていて、核心を突いたことを書いているように感じる文章。私とは明らかに違う世界を見ていて、私にはできない表現を使って、五感で感じたことを文字に起こす。表面は明るい色を纏っているけど、内側は真っ黒い頑丈な芯が通っているように感じる。同じ黒でも、上品に黒光りしているか、血が酸化したような黒なのかで違いはあるけど。
 語彙や表現はプロの方が上手なのは当たり前だが、どこか雰囲気が似ている気がした。お2人とも、どんな人なのかはまるでわからないけど、きっと、共通してるところもあるんじゃないかな。


 もっとキラキラした作品かなと思ったら、そんなことはなかった。ちょっと黒い靄がかかった世界を見ているけど、それを清潔に見ようとしているように感じた。
 客観的と主観的をうまく混ぜたような視界。
 真に何を言いたいのか理解できたら、世界がもう少しきれいに見える気がした。不純で濁ったフィルムが、浄化されるのではないかと期待したくなった作品だった。

 絶対に読み返して、その時に理解が深まるような、そんな五感を養いたい。



2024.03.05

夜空はいつでも最高密度の青色だ

一旦、読了

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