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CHOOSEBASE SHIBUYAでの買い物体験から見たOMOの課題と未来

こんにちは、株式会社アイリッジ取締役の渡辺智也(わたなべともや)です。
※Twitterもやっています!

私の本業は、OMOのためのデジタルマーケティングをお客様にご提供することです(卓球選手ではありません!)。

OMOは、「Online Merges with Offline」の略で、「オンラインとオフラインが融合した世界」といわれています。

スマートフォンが流行り始めた10年くらい前から、モバイルサイトやインターネット広告、SNSといったオンラインで広く情報を発信し、関心を寄せてくださったお客様を実店舗へ誘導して商品の購入やサービスの利用を促す取り組みが始まりました。
スマートフォンは位置情報を使ったマーケティングもできるので、例えば、銀座駅周辺にいる方に、あるブランドの銀座店に誘導するためのクーポンを配布する、といった「スマートフォンならでは」のマーケティングができるようになっています。

今では、さらにお店のデジタル化が浸透し、よりオンラインとオフラインの境界線をなくなっています。
オンライン、オフライン含めてお客様にどういう体験をしてもらうのか考えて、ニーズに合わせた最適なサービスを提供し、質の向上を目指す、という意味で、どちらもこれから非常に重要になると考えています。

…というわけで!
最近、OMOに関する最新の取組みを視察してきましたので、今回はそのレポートをお送りします!


<目次>
1.CHOOSEBASE SHIBUYAはオンラインとオフラインが融合する場所だった
2.ディスプレイの美しさと、品揃えの面白さは一見の価値あり!
3.真のOMOへの伸びしろを見せてもらった体験

1.CHOOSEBASE SHIBUYAはオンラインとオフラインが融合する場所だった

「CHOOSEBASE SHIBUYA」はOMO、つまり「Online Merges with Offline~オンラインとオフラインが融合した世界」を体現したもの、ということで、本業に密接にかかわる新業態としてオープン前から注目していました。

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「CHOOSEBASE SHIBUYA」は、展示されている商品を手に取ったり試着したりすることができ、詳細情報や価格はQRコードで読み取ったWEBページで確認します。
購入する場合はそのままWEBページ上にある買い物かごにIN。
店内を回って欲しいものをすべてWEB上の買い物かごに入れたら、「CHOOSEBASE SHIBUYA」にあるレジで支払います。
レジはクレジットカードや電子マネーが対応、現金は使えません。
5分ほど待つと、WEB上の買い物かごに入れた商品が用意され、実物をそのまま持ち帰ることができます。

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これはまさに、オンラインとオフラインが融合する場所になりそう!と期待が持てました。

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ちなみに訪問したのは平日夕方、緊急事態宣言が解除された渋谷の街はなかなかの人手。
とはいえ、百貨店には若者はなかなか寄り付かないのでは、と思っていたのですが、おしゃれな外観に引き寄せられるように、20代前後の女性たちが訪れていました。
みんな携帯片手に思い思いに商品に触れたり、WEBサイトを読み込んだり…していたと思います(笑)商品みてて夢中になっててちゃんと見てませんでした。

2.ディスプレイの美しさと、品揃えの面白さは一見の価値あり!

「CHOOSEBASE SHIBUYA」でまず目にとまったのは、商品ディスプレイの美しさ。
そして品揃えの面白さ、です。
産業廃棄物であるホタテの貝殻から生まれた洗浄パウダー、倉庫に眠っていた石を活用したジュエリー、ボトルからキャップまで再利用できるボトル、編み手の顔が見える手編みのニット、アパレルのタグを付け替え再販に取り組むカットソー…

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きっとここでしか手に取ってみることはできないのだろうな、という期待感があるものがたくさん並んでいました。
量販店やチェーン店ではなかなか見かけないであろうこだわりの商品に、一気に触れることができる。
これはまさに「買い物体験」の醍醐味ではないか、と感じました。

私が購入したのは、

廃棄される服やものをベースに作られた「スリッポン」
これは、120年以上の歴史を持つ、継ぎ目のない編み方の手袋作りの技術を足まわりに応用して作られているそうで、サステナブルと伝統を併せ持つ、新しさと歴史を感じさせられるものです。

それから、
化学調味料や動物性原料を一切使っていない「オリジナル麺 しょうゆ味」

両方の商品とも最後、再生可能なショッピングバッグに入れてもらえたのも、貫いてるな~と思ったところでした。

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3.真のOMOへの伸びしろを見せてもらった体験

「CHOOSEBASE SHIBUYA」での体験を通して感じたこととしては、OMOの課題と未来です。

率直にいうと、Online Merges with Offline~オンラインとオフラインが融合した世界、にはもう一歩かな、ということです。
確かに、オフラインで手触りや質感、サイズなどを確認でき、オンラインサイトで購入して、オフライン店舗で商品を受け取ってそのまま持ち帰ることができる、という流れは、ECサイトで「商品到着まで数日待たされる=できればすぐに商品を使いたい」という消費者のニーズに対応しているように思えます。
実際に、私も帰宅してすぐ、ラーメンを食べましたし(笑)

ただ、スムーズにそれらの導線が進めるか、というと、まだまだ改善の余地があるように感じました。
たとえば、「CHOOSEBASE SHIBUYA」では何をするにもスマホでWEBページを読み込むことが必要ですが、気になるのは通信環境。
「CHOOSEBASE SHIBUYA」のターゲットであろう若い人は、通信データ量がさほど多くないプランで契約している人も多いでしょう。その都度、WEBページを読み込むことに心理的抵抗を感じる人も多そうです。
専用のWi-Fiなどを案内して、通信データ量への懸念を払拭するなどが必要そうです。
(もしかしたらWi-Fiは飛んでいたのかもしれませんが…私もかなり探したはずなので、気づけなかったとしたら、それはそれで別の課題、といえそうです)

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また、いちいちQRコードを読み取ってWEBページで情報を読んで…としている間に、商品に初めて出会ったときの「これは!!」という体感温度、購買意欲が下がっていくような気がしました。
また、WEBページを開くと、思った以上に価格が高くて、お呼びじゃなかった…という「時間の無駄感」を感じたのも否めません。
オフライン店舗でどこまで情報を掲示するか、正確なデータを取ることとユーザーが欲しい情報を提供することとのギリギリのラインを検証していく必要がありそうです。

というように、まだまだ伸びしろがある、というのが率直な感想ですが、そもそもOMOをわかりやすく体現したスペースがある、ということそのものが素晴らしい進化だな、と。
私もOMOに少なからず関わるビジネスパーソンとして、この業界の発展に寄与していきたい、と決意を新たにしたのでした。

CHOOSEBASE SHIBUYA
西武渋谷店 パーキング館1階
https://choosebase.jp/

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