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短編小説

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日常がテーマの短い小説をまとめています。
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記事一覧

【短編小説】線香花火

「線香花火しない?」 同じマンションの1階に住む彼から連絡があったのは、お風呂場で体をキ…

夏袋
4年前
19

【短編小説】『offlineの生活』

「久しぶり~、元気だった?」 「ああ、元気だよ。そっちは?」 「元気だけど退屈してるよ~。…

夏袋
4年前
7

【短編小説】はじめて見せた欲だった

「今日どうする?」 「うーんなんでもいいかなあ、外で食べてもいいし、なにか家で作ってもい…

夏袋
4年前
8

【短編小説】 不在票

その日は少しばかり肌を湿らす雨が降っていた。 2ヶ月ほど前は多少遅い時間でもまだ日の明る…

夏袋
4年前
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【短編小説】『シロツメクサ』

自分のことを思ってくれる人と付き合うのが幸せの秘訣だ。 以前、そんなことを聞いたことがあ…

夏袋
4年前
9

【短編小説】銀座線、浅草行き

「上野で飲んでるんだけど来れない?」 彼女からの連絡はいつも突然だ。決まった約束なんてし…

夏袋
4年前
12

【短編小説】最高の出会い

十二月の後半、目に見える眩しさを放っている渋谷は街全体が幸せを噛み締めている。 年末に向けて残った仕事をせわしなく片付けて、「お先に失礼します」と何が失礼なのか入社時からよく分かっていない常套句を伝え、いつもより1時間ほど遅くオフィスを後にした。 ビルの自動ドアが開いた瞬間、冷たい風がほほに当たる。こんなことならマフラーを持ってくればよかった。 街の模様替えに反抗して、まだタンスから冬物を全部出し切っていないことに後悔した。 恋をしていない時の冬の街に、私はどうも馴染め

【短編小説】変えたくないもの

二〇一九年十二月三一日 二三時五十分 あと十分で今年も終わる。年末のテレビ番組の出演者も…

夏袋
4年前
9

【掌編小説】記憶の作品集

「こうやって全員が集まるのって久しぶりじゃない?」 「確か前に集まったのって卒業式の打ち…

夏袋
4年前
6

【短編小説】『選べたはずの未来』

 ひと目見て、彼女だと気づいた。 お昼時を過ぎた山手線内回り。 ドアの入り口に立ち、流れ…

夏袋
4年前
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