昔から洋服が好きだ。

興味を持ったのは小学4年ぐらいかな？
このぐらいの年齢になると周りの目を強く気にし始め、その流れで自然とファッションに興味を持ったのかもしれない。

昔家の近くに「フットアップ」というお店があった。
スポーツ用品店のような雰囲気だけど、スニーカーが置いてあったり、かっこいい服やキャップがあったり。

店内に入ると、レザーのような動物的な匂いだったり、プラスティックのような人工的な匂いがしたり、独特な匂いがしてとてもワクワクした。

当時お店にはキッズコーナーのようなものはなく、大人をメインにしたお店だったような気がする。

だから例えばスエットならMサイズを購入した。

背が小さかった僕は、お尻が隠れて、手首付近がシワシワになるほど、大きなサイズを着ていた。

スニーカーもセール品だったことがあり、親に無理やり買ってもらったことがある。
（足は大きくなるからという理由で、大きめサイズでもOKというわけで）

大きめサイズのスニーカーを買ったことで、タイトに靴紐を結ぶことができて、結果的にさらにかっこいいスニーカーになって嬉しい発見があったり。

とにかく楽しかった。

ファッションでの一番の思い出は、スーパー内の一角にあった、アメリカンカジュアルなお店での話。

母と買い物途中にお店に立ち寄り、ベージュのリーバイスカラージーンズのセール品（セール品好きだなー）を買ってもらった。

初めてのリーバイスだったし、前からちょっと憧れもあったから嬉しかった。

自分の身長が高くなり、体が大きくなって、ジーンズがパツパツになるまで大事に履いてたし、履いてる時は自然と心が喜んでいたと思う。

そして中学では古着ブームがあり、高校でもファッション雑誌を読みまくり、大学では地方から東京へ買い物へ行くほどファッションにのめり込んだ。

でも、気がつくとファッションが楽しめなくなっていた。

小学生の頃のワクワク感がなくなっていた。

多分「かっこいいファッション」という正解に近づくコーディネートをするようになったからだと思う。

好きだからこの服を買うのではなく、人気っぽいから、持ってるこの服と組み合わせるため、人にかっこいいと思われたいから、モテたいから・・・という他人の意識が強くなったからだ。

自分が好きだから買うのではなく、他人の目を意識して買ってしまう。

ファッションが好きという気持ちはずっと持ち続けてると思っていたけど、それよりも辛い気持ちを抱えることになった。

そして今。

結婚をして、子供ができて、仕事が忙しくなってくると、だんだんその意識も消えて、自分の好きな服を素直に楽しめるようになってきた。

もちろん服の組み合わせを考えたり、ファッションスナップを見たり、人の目線も気にするんだけど、まずは自分の「好き」を大事にするようになった。

他の人から見ると40点ぐらいからもしれないけど、自分の中では80点ぐらい。このぐらいがいい。

自分で100%って思ってると、100じゃないと認めたくない！！って思いが強くなりそうだもんね。

これからもそれなりに服は買うと思う。
あの頃の、ベージュのリーバイスのような買い物がたくさんできれば、僕は幸せだ。