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道を拓くのは開き直り

道を拓くのは開き直り

意味:もう無理だと思った時、開き直ることが道を拓く。

類義:負けを受け入れた潔さは、試合に負けても勝負に勝っている

(例)いやぁ、自信を持って勝負に臨んだんだけど、思いも寄らないハプニングが起きて、もうどうしようもなかったんだよ。頑張っても悪足掻きしても、どうしようもないと思って、潔く肚を括って開き直ったら、結局勝負には負けたんだけど、新たな可能性の扉が開いて、今までになかったことができるようになったんだよ。まさに「道を拓くのは開き直り」ってことだね。

前回の創作ことわざでお送りした「負けを受け入れた潔さは、試合に負けても勝負に勝っている」で、紹介しようと思っていた事例を、「道を拓くのは開き直り」という、より相応しい創作ことわざで紹介していきます。


催眠術師対菅田将暉

よくテレビで見かける催眠術師、十文字幻斎という方がいるのですが、俳優の菅田将暉さんを催眠にかけるという番組で、引退を覚悟していたということがあったそうです。というのも、菅田さんに幾つも催眠をかけようとするも、何一つ掛かることはなかったんです。

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菅田将暉さんの指が開いちゃった・・・(ちょっと申し訳なさそうww)

しかし、幻斎さんは、放送を止めてもらうことはせず、ありのままを流してもらい、奥様には、「俺、もう引退するかもしれない」と漏らしていたそうなのですが、放送後、幻斎さんの元に、今までの3、4倍の仕事依頼が舞い込んだそうです。その理由は、「ヤラセではなく、ガチでやっている催眠だから」というものだったそうです。幻斎さんは、自らの失敗を、隠すことも誤魔化すこともせず、引退を覚悟するほどの思いで受け入れて認め、結果は予想を遥かに超えるものでした。

これだけ見たら超格好いいですが、裏話としては、現場に弟子を呼んでいたので、催眠に失敗して、放送を止めてもらうことなんか恥ずかしくてできなかったそうです。弟子にそんな恥を晒すくらいなら、ありのままを見てもらい、引退した方がマシ、と思ったんでしょう。弟子がどう思ったのかは定かではありませんが、その潔さが、催眠を成功させる以上の成功を引き寄せたと言えます。

歴史にみる負け戦からの大逆転

もう一つ運が良かったのは、その相手が菅田将暉だったということです。仮に、素人相手であれば、それほど注目もされなかったでしょうが、菅田将暉というトップクラスの若手俳優だったことも、注目度もあり、逃げなかった潔さが増しますよね。戦国時代、まだ弱かった徳川家康が、「三方ヶ原の戦い」で、当時最強と言われていた武田信玄相手にして怯み、恐怖のあまり脱糞して逃げ帰ってしまったというエピソードがあります。その屈辱を忘れないよう、着替える前に、自らの醜態を自画像として絵師に描かせ、それが「しかめ像」という絵画として残っています。

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このように、強大な相手にチャレンジするだけでも価値があったり、それを受け入れて認めたことで、家康は天下を取る原動力になったのかもしれません。幻斎さんの場合も、菅田将暉さんの名を借りて、じゃないですが、人気俳優相手の注目される戦いに、負けたけれども逃げなかった、ということが評価につながりました。

催眠術師であれば、催眠を成功させることは仕事で当たり前のことです。芸能界では、ヤラセは当たり前のような所がありますが、だからこそ、失敗を受け入れたことは、価値があった訳です。失敗して言い訳したり、みっともなく足掻いていたら、この結果にはならなかったでしょう。ここでの「潔さ」が、時として試合に勝つ以上の価値を生み、負けを勝ち以上の価値にしたと言えます。

試合の勝ちに拘るより自分を貫けるかが勝負

「勝負」は、もちろん勝ちたいし、勝つために練習もするし、努力もします。トーナメントにおいては負けたら終わりだし、学校、社会においては競争を強いられ、勝たなければ意味はない、負けたら終わり。というような価値観を刷り込まれます。知らないうちに争いに巻き込まれ、勝たなければならなかったり、負けたら終わりと思い込まされています。

しかし、一度の勝利が後の大敗になることもあるし、一度の敗北が後の大勝になることもあります。勝ったこと、負けたことを、一生引きずり続けて、過去に捉われて生きる人もいます。

今回の創作ことわざが、なぜ道楽的かと言うと、「道楽家」にとっては、勝敗は関係ないのです。言ってしまえば、勝っても負けても、その経験を得ることが勝ちなのです。勝つための努力はしますが、負けてもいいし勝ってもいい。その一時の勝利のためだけに拘らないということです。

前回と今回で、呂布カルマさんと十文字幻斎さんの二人を例にとりましたが、この二人は「道楽家」であるとは思いません。ただ、彼らの行動は「道楽的」だったと思います。

世の中、成功することや、勝つことが大事だと言われていて、それを否定するつもりはありませんが、見方や考え方を変えることで、勝敗の価値はいくらでも変えられるということです。
道楽舎では、道楽家となってその為の考え方や生き方を身につけて、誰かが決めたことに捉われず、自由に生きていけるコミュニティにしていきたいと思います。


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