【映画】哀れなるものたち 自分と同じ考察のブログがないから書いてみた

初めまして。
初投稿なので読みにくい箇所もあるかと思いますが、ご容赦、ご指導ご鞭撻お願いします!


・映画“哀れなるものたち”の考察を書いてみた理由


2024年1月26日公開の映画、“哀れなるものたち”を遅ればせながら見てまいりました。
少々難解な映画なので、見終わった後に考察をしているブログをいくつか見てみましたが、自分と同じ感想、考察をしているブログがなかったので、いっその事自分で書いてしまおう!と言う事でつらつら書いていきます。
ネタバレ注意です!!

・この映画は人生観を問う映画だ

他のブログではフェミニズム映画だ!とする考察を幾つか見かけました。言われてみればそうだと気づきましたが、それ以上に感じたことは“人生バランスが大事よ”という事です。

・登場人物は大きく2分できる

まずは主な登場人物をさっと纏めます。


ベラ••• 本作の主人公、大人の体に胎児の脳を移植された女性。物語の進展と共に成長を見せていく。

ゴッド•••ベラを生み出した外科医。自身を研究者と強く自負しており、常に理性的な態度を示す。

マックス•••ゴッドに師事する医学生。感情的になる一面をゴッドに指摘される事がしばしばある。ベラに対して愛情を示す。

ダンカン•••弁護士。外界を見たいベラを旅行につれていくが、同時に性的欲求を満たす為でもあった。

アルフィー•••移植手術前のベラの旦那。軍の将軍であり、すぐに銃を向け、人を操ろうとする残忍さが特徴。

ベラ、マックス以外の人物で理性と本能を表していると考えます。

理性の具現化•••ゴッド
本能の具現化•••ダンカン、アルフィー

ベラ自身はというと、物語序盤は本能(幼児の脳を持つ為)、終盤にかけて理性へと成長していきます。
マックスも理性と本能の2つを持ち合わせます。

・全員が魅力的でありながら“哀れなるもの”である

物語はゴッドの自宅兼研究室から始まります。
モノクロだったり色味の少ないシーンが続き、この時点では理性的な世界は無味乾燥な印象を受けます。
物語終盤でゴッドは周囲から嘲笑や恐怖の対象とされていた事を告白しております。
理性だけで生きた哀れなるもの“poor thing”

少し話が進み、ダンカンがベラを連れ出してから海外旅行のシーンが始まりますが、先程と対照的にカラフルな色使いが印象的なシーンが広がります。暴力的な一面も同時に知る事となりますが、欲求に従った結果、魅力的な世界に身を置く事となったベラが描かれます。

しかし、船旅の乗客に影響を受けてか哲学に傾倒し始めたベラは理性を身につけていきます。本能に素直でい続けるダンカンは次第にベラに振り回され始め、生活に狂いが生じます。最後には一文無しとなり投獄されてしまいます。
アルフィーもベラに逃げられた挙句、ヤギ人間にされてしまいます。
本能で生き続けた結果、残念な事になったpoor things

ベラは理性を身につけて、本能に生きた者達とは違い、没落する事なく成長を続けます。
ゴッドが危篤となり、ベラが帰省した時にはモノクロだった博士の家はカラフルに描かれており、魅力的だった本能のシーンと同じように理性も魅力的である事を表しているかの様です。

興味を引いたポイントとして、物語が進んでいく毎に、観客が哀れと感じる対象が変わっていく事です。
つまりは理性、本能どちらも魅力と哀れみを感じるものでもあると言う事であり、どちらかに傾倒し過ぎると良からぬ結果を招いてしまいます。理性と本能を持ち合わせたマックス、職業として娼婦となり本能と理性のバランスを持ったベラは幸せな結婚を迎える事となりました。
娼婦でありながらも毎日違う自分を見つける事が出来ると言ったベラの発言からも、苦労がありつつも学びを得ている良いバランスであったと思いました。(職業に貴賎無し)

・アルフィーは何故出てきたのか?


理性と本能の対立を表すだけならアルフィーはいらん!という疑念が視聴中に拭えませんでした。これは恐らく物語としての面白さを出す為の演出だと思います。
そんなもんかいな笑 と思われるでしょうが、あまりに突然登場するので何か深い意味を持たせてるとは思えないのです。

・多分バッドエンド

ベラは最後、ゴッドに外科医になりたい旨を伝えます。マックスはこれを応援していましたが、これはやがてベラが理性にどんどん傾倒していく→ゴッドと同じ運命を辿る(poor thingとなる)事を示唆していると思われます。

以上の事から理性と本能のバランスを取っていく事が大事だという感想を持つに至りました。

・一番印象的だったシーン

詳細は割愛しますが理想主義のベラが現実主義のハリーにキスするシーンが、心にジワッと来ました。

思想の違う者同士でも、相手を受け入れる器を持てば共存出来るという事が表現されていると感じており、戦争の終わらない世の中、馬の合わない同僚がいる職場など様々な環境で求められる考え方だと感じています。


スマホで2000文字書くの結構大変だ笑

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