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(2024年2月)上野でみた大道芸 その2 後編

(つづき)

スパイアクション映画のようなパントマイムショーな大道芸をやっていましたが、ダイナマイト(のおもちゃ)の火を消すためのムチを忘れてきてしまった大道芸人の人。
このあとどうなるのでしょう。

長いホウキをおもむろに手にした大道芸人の人は、それを使ってパントマイムを始めました。
さらに左右の手にそれぞれ持った棒でその長いホウキを弾くと、まるで魔法がかかったように動き出しました。
あたたかい拍手が人々から起こります。
気を取り直した大道芸人の人は、スパイアクション映画をモチーフにした2時間を超える超大作を、なんと3分にまとめて見せてくれるそうです。
2時間を超える超大作を3分に。
仮に、もとの時間が130分とすると圧縮率2.3%です。
すさまじい圧縮率です。
タイパにこだわるZ世代もキョトンとします。
それはさておき、大道芸人の人は数々の小道具を使いながらアクションパントマイムを披露してました。
そのパントマイムは、時に笑いがあり、時にお客さんにからみ、拍手を受けながらギャラリーとなった多くの客を引きつけて行きました。
なによりテンポよく行われます。
コーラの缶を使ったマジックで盛り上げた後、「忘れてきたムチの代わりに別の芸をします」。
30cmほどの長さの棒の上に赤いスカーフをかけ、さらにその上にコーラの注がれたワイングラスを置きました。
その不安定なものを、なんと顎に乗せました。
体を動かしバランスをとります。
そして、瞬間。
赤いスカーフを抜き去りました。
湧き上がる大きな拍手。
ワイングラスのコーラを飲み干して大団円、と思ったら、再びスパイアクションへ。
大きなトランクの上にすわり、激しいカーアクションを彷彿とさせるスピード感あふれるパントマイムに、ギャラリーのボルテージもあがります。
小道具を交えたクライマックスまで駆け抜けて笑いと拍手があたりを包みました。
スパイアクションも無事にエンディングを迎え、お客さんを交えてのフィナーレにより、ストリートシネマパントマイムのショーは終演となりました。
おしまいに、大道芸人の人がギャラリーの前から消えて最後の笑いを誘いました。

終わってみれば幾重にも人垣ができ、劇場で見るのとは一味違ったショータイムは、ある種、映画にまつわる思い出となったことだと思います。

おわり

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