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日本人の思考回路

こんにちは。
㈱くまテックのくまごろです🐻

我が県は日本一高速道路が通行止めになります。霧です、霧。雪なんて目じゃありません。濃霧です。しょっちゅう止まるので少々の事では止めません。目の前を走ってる車のテールランプが全く見えなくなる位まではチャレンジしてくれます。その暗闇をどうにか車を走らせる為に思い付いたのが先導車です。10台間隔位に煌煌と明かりを灯した車を走らせて車速感なんかを教えてくれます。端っこなんかも反射坂なんてレベルではなくギャンギャンと照らしています。それでも濃霧の中では辛うじてぼんやりわかる程度です。
何も見えなくなったら通行止めになります。死ぬからな、マジで。初見ではこのレベルで通すのかと驚かれると思います。うちの従業員さんは泣きながら帰って来ていました(笑)

海の突端にある灯台もそうですね。ここに近付いたら死ぬよ。とか航路はこっちだよとか教えてくれます。海の上はもっとやばくて濃霧の時はレーダーだけで航海します。隣のおっちゃんの顔も分からなくなる位すごいのでこれは到着したらタイムスリップしとるななんてくまごろは考えています。そんな時でも灯台の灯りは届くのです。

管理システムは灯台や誘導灯に近いのです。皆さんの歩むべき道筋を照らしてくれます。今時、カーナビを使わない人はいないでしょ。慣れた道でも到着時間の予測等に役立つので走り回るボクは常に使っています。道を知っているから大丈夫というものでは無いのです。くまごろは若かりし頃日本中をバカでか地図を膝に乗せて得意先へと走り回っていました。その頃はカーナビなんてなくそれはそれは迷走していました。

皆さんも気付いていないだけで世の中はとても便利になっています。気付いていないだけです、それが当たり前になったから。

昨日の続きです。

なぜ、あれほどの金額になり納期が遅れまくり挙げ句吹っ飛んでしまったのか。SAPが昭和っぽいからとか扱えるエンジニアがオッサンばかりだからとか言う理由だけではありません。

SAPはパッケージ管理システムです。くろくまくんみたいなものです。SAPの良いとこは世界規模で対応出来るというこの一点が優れています。グリコさんみたいな会社になりますと世界中色んな国で商品を販売していたりします。社長があの国の今週の売上げなんぼやねんと聞いたら直ぐに分かります。それまでは現地法人に連絡して無数の伝票を集計して徹夜で作業してこんなん出ましたけどーってやってました。報告は一週間後なんかです。

この情報化社会でそれはとても致命的になります。今現在の情報をリアルタイムで確認し、問題があれば直ぐに対応するという事が求められます。

SAPと言うか管理システムというのはそういうものです。

本題です。

SAPは今回バージョンアップをしました。それについてはかなり早い段階で通知をしていたみたいです。バージョンアップと言うのはより良い仕組みに変更しているのです。それだけではありませんがそんな説明してたら夕方までかかります。

管理システムが変わると何が起こるか?

世界の殆んどの国ではその管理システムに対応した人員配置が行われます。殆んどは人員削減が出来ます。そろばん弾く人が数百人→電卓叩く人10人→パソコン1台みたいな感じでは無いのですがそういうイメージで業務の無駄を効率化して行きます。
優秀なシステムによって企業が変化していくのです。そしてそれが生産性を高める事に繋がります。

これを言うとだいたいボクの友人はそんな事をしたらみんな職を失って大変だと言います。これは日本人特有の優しさや思い遣りという気持ちから来ている言葉です。
しかし日本は社会主義国家ではなく資本主義国家です。資本主義の国に社会主義的思想を持ち込むと様々なズレが生じます。これは我々が学んで来た教育の問題かなと思いますが。

SAPだけではなく現在皆さんが耳にするIT、DX、システムなんてものは全てが生産性を上げる為のものです。

生産性を上げる為に作ったシステムを日本人的思考をしている会社に持ち込むとまあまあ大変な事が起こります。特にSAPはドイツの会社です。考える民族です。日本人のメンタルを理解されている方はあまり多くはないでしょう。

ここからは私の想像です。ボクも何度も体験していますので容易に想像が出来ます。

より生産性を高める為にアップデートしたSAPを導入するにあたり海外の殆んどの企業はそのシステムに合わせて会社が変化すると書きました。ではこちらの会社では何が起こったのでしょうか?

多分、会社から『前と同じにしてくれ』とかここはこうだからこうしてくれとかの声が上がったと思います。

なんせ350億円です。何でも出来るはずです。前出来た事はもっと出来ると考えるのが日本人です。それが出来ないとめちゃくちゃストレスを感じるのが日本人のメンタルです。

受ける方も350億円貰うんだから何でも受けちゃいます。そもそもITコンサルティングが入っちゃったもんだからエンジニアの声等届くはずもありません。

やるだけや❗ってなったと思います。くまごろも350億円なら魂を売るかもしれません。

そして最新のシステムにアップデートしたSAPを謎の機能てんこ盛りにしてよくわからないものに仕上げて行きます。

おかしいですよね。生産性を劇的に改善する為に作り上げられたシステムを現場で働く方達の『今まで通りが良い』の一言で一気に退化させるのです。
そもそも納期が遅れたのを見ても開発費が350億円に膨れ上がったのを見てもわけがわからない機能がてんこ盛りになりすぎて原型を留めない代物になったであろう事は容易に想像出来ます。
SAPはパッケージシステムなんです。必要な機能をチョイスするって感じかな。魔改造を施し過ぎて吹っ飛んだって感じかな。そらもう気持ちよく吹っ飛んでいきますわ。

グリコも公式にシステムの改修をするか我々の方が変わるかを考えると言ってました。この時点で今から考えるのはくそやべえですが我々が変わる必要があると言うことに気付いたのはさすがです。

皆さんは変化する事を恐れていませんか?
前と同じ事をするのはとても楽です。誰もが楽をしてお給料を頂きたいのです。
これまではそれで良かったかもしれませんが今の世界の状況を見て下さい。そんな事ばかり考えている人間が大部分になってしまうと後進国の烙印を押されてしまいます。

現在の日本の状況を全て政治家の責任にするのも分かりますがボクは変化する事を恐れてしまった今の状況が一番の問題なんじゃないかと感じています。

もうちょい続きます。

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