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映画追い現象

2022 9/19(月)
 
何回も同じ映画を映画館で観るというのが、いつごろからか当たり前になっている。
公開中の「トップガン・マーヴェリック」など、ニュース記事によれば
20回、30回は当然で、110回観たというお客さんまでいるらしい。
2年前の「鬼滅の刃」もリピーターが凄かった。
それ以前では「ボヘミアンラプソディ」「アナと雪の女王」などがあった。今回のトップガンほどの回数は記事になってなかったように思う。
なんせ、トップガンのリピート率がもはやお祭り状態で「追いトップガン」という言葉までネットで生まれている位だ。
そういう言葉が生まれてくると、この映画が好きな人は、自然、競争したくなるのではないか。
「110回!クソー私もがんばるぞ!200回目指すぞ」
「たかだか、200回?俺は500回行ってやる」
「えっ、500達成した客がいる、見てろよ今に1000回行ってやる!」
こうなってくると、人生すべてをトップガンにかけ、体力、気力を消耗し、追いトップガンならぬ、老いトップガンになってしまうのではないか。
俺はというと、トップガン、鬼滅の刃、ボヘミアンラプソディ、すべて観たが一回づつだ。
リピートしたくなる気持ちは分かるが、何回も観てしまうと、せっかく面白かったのが、ある瞬間、飽きるのではないかと思うからだ。
それなら、新しい映画を観たいと思う。
だが、子供の頃は逆に、面白かった映画は何回も観た記憶がある。
劇場ではなく、当時はテレビ。
金曜ロードショー、日曜洋画劇場などで放映されていたのをビデオに録画して、次の週まで何回も観ていた。
新しい映画が来たら、またそれをビデオに録画して何回も観た。
追い「プロジェクトA」追い「コマンドー」追い「子猫物語」
追い「魔界転生」追い「犬神家の一族」追い「八つ墓村」
最初と最後の、淀川長治の映画解説まで繰り返し見ていたほどだ。
追い「淀川長治」までしてしまっている。
あの頃は、映画は娯楽の王様と言われていた時代の名残がまだあったが、
これだけ娯楽に溢れた令和という時代に、同じ映画を何度も観に行く
「追い現象」は、映画がまだまだ娯楽の王様であるということを証明してくれているようで嬉しい。
そういえば、俺の知り合いのが、原一男監督の映画「水俣曼荼羅」を2回観に行ったと言っていた。
2回?そんなの全然、追い、じゃないと思われるかもしれないが、
実はこれ、上映時間が6時間12分あるのだ。
2回観たら、12時間24分。
追い「水俣曼荼羅」を続けたら、追い界のギネスに載るかもしれない。
 
 
 
 

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