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おもひでぽろぽろ鬼子母神堂

2022 10/30(日)
 
唐十郎の「唐組」のテント演劇を初めて観に行って来た。
古くからの友人である俳優の、中村健が出演しているからだ。
俺は、落語の世界に入る前は、ずっと演劇をやっており、中村健とは20年位の付き合いがある。
今回、生ける伝説の人、唐十郎の芝居に出ると聞いて、自分のことのように嬉しい。チラシを見ると、中村健の写真が載っている。
1パーセント位は疑っていたので、安心した。良かった。
会場は、雑司ヶ谷にある、鬼子母神堂と書いてある。
安産祈願で有名なお堂だ。
そういえば、鬼子母神堂には数年前に行ったことがある。
最初は、雑司ヶ谷にある並木ハウスを見ようとして行った。
手塚治虫がトキワ荘から引っ越しした有名なアパートである。
まだ現役ということなので見に行ったら、それよりも、近くにあった鬼子母神堂に目を奪われた。
なんという怪しげな雰囲気。いわゆるパワースポットのような迫力あるオーラに、俺は、吸い込まれるように中に入った。
印象深かったことは、境内に、木造の小さな駄菓子屋があったことだ。
これも、また、なんとも怪しげで、駄菓子屋なのにパワースポットのようなオーラを放っていた。
懐かしくなって、駄菓子を買っている時に、店員のおばあちゃんが面白い話を色々聞かせてくれた。
江戸時代から200年以上続いている歴史ある駄菓子屋で、おばあちゃんは子供のころから店番をさせられていたらしい。
その中でも一番驚いた話がある。
「あのねぇ、この駄菓子屋はね、アニメのモデルになってるのよ」
「えっ!そうなんですか?」
「何のアニメだと思う?」
「えー、こういう懐かしい風景だから、昔のアニメですか、なんだろう」
「ふふふ、私の後ろにある、あの絵を見て」
「あっ、あの絵は!見たことありますね、えーと、題名が思い出せない」
「あるでしょ、そう、正解はね、えーと、なんだっけ?」
ズッコケそうになったが、そこに飾ってあったイラストをよく見たら、俺はハッキリと思い出した。
「おもひでぽろぽろ」だった。
ジブリの名作だ。俺が中学生の時、劇場に観に行った。
この駄菓子屋が、モデルだというのか。こんな場面あったかな、思い出せない。思い出せないおもひでぽろぽろってなんなんだ。
「おもひでぽろぽろですね!」
「ふふふ、そうそう、このお店がアニメに出て来るのよ」
おお!確かに、イラストの絵とこの駄菓子屋は全く同じだ。
「ほら、見て、ここ」
「あっ!この店員さん」
「ふふふ、私かしらねぇ」
おばあちゃんの若かりし頃、といった店員の女性が描かれていた。
「記念写真いいですか?」
スマホを取り出すと、おばあちゃんは嬉しそうにイラストを持ってくれた。
フォルダーの写真記録を見ると、あれから6年たっていた。
おばあちゃんは、まだ元気なのだろうか。
そんなおもひでを振り返りながら、俺は鬼子母神堂に入って行った。

※続きは後日

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