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残された時間を、家族とともに暮らしたい

介護保険の調査の面談時、私は公平・公正な調査を心懸けました。

この調査のことは、思い出すと、今でも胸が苦しくなります。
調査時は、常に冷静に平常心で臨みました。

大病院のMSW(医療ソ―シャルワ―カ―)から、介護保険の緊急調査の相談がありました。
40歳の女性の方の介護保険利用の相談でした。

がん末期の状態の方で、治療方法がなく、ご本人が在宅生活を希望されているということで、MSWが代行申請されたようでした。

そのご家族には、3~4歳の子どもさんがいて、その女性は残された時間を家族とともに暮らすという選択をされたのです。

調査の日、色々な思いを抱えながらも、調査項目に沿って、ご本人に聞き取りを致しました。

多分、抗がん剤治療を行われたのでしょう……頭部には医療用帽子を被ってあり、ベッド上に臥床されていました。

動作を確認する項目もあるのですが、体調に負担がある場合は、無理しないでくださいね。と念を押しました。

その女性の方は、面談時に少しも嫌な顔もされずに、淡々と受けてくれました。

が、その方は腹水があり、今後の生活を考えると胸が痛みました。

面談前にMSWより、調査後に担当の医師から、詳細の説明があるので、医師の部屋に来て欲しいとの声掛けがありました。

医師の部屋を訪ねると医師から、丁寧に状態の説明を受けました。

医師が、調査員に直接に説明することは、通常は殆どありません。

私は帰庁して直ぐに、上司に報告をし、暫定利用のために、関係機関に連絡を入れました。

事情を察した関係機関は、直ぐに対応してくれました。

その後のことは、調査員には分かりません。が、想像は聞かずとも分かります。

私自身は無宗教ながらも、この世に神様?は、何故このような試練を与えるのかと恨みました。

文章を綴りながらも、当時のことを思い出し、言い知れない思いに捉われました。

*2号被保険者とは、40歳~65歳  未満の方で、特定疾病の認定を受けた方が対象です。


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