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🎬search/サーチ 感想

映画のすべての場面が、パソコンのサイバー空間のマルチタスクで描かれている異色のサスペンス・スリラー。

一人娘のマーゴットと突然連絡が取れなくなった父親のデイビッド。
娘の行方を探すため、デイビッドはマーゴットのSNSなどにログインし、全く知らなかった娘のいろいろな顔を知り、彼女につながる情報をつかんでいく。

娘の失踪、そして捜査に至るストーリー自体には強烈な新鮮味があるとは言えないのだが、あらゆる映像がすべてパソコンの画面で構成されているというアイディアには驚かされた。
画像通信やSNSの画面が次々にマルチタスクで展開し、徐々にスリリングな展開へと加速していく着想はうまい。

DMのちょっとしたやり取りや検索画面の入力などで、主人公のデイビッドの困惑や躊躇、後悔などのいろいろな感情が表現され観る側にダイレクトに伝わってくるのはパソコンやスマホを使っていれば誰しも心当たりがあるからで、デイビッドの心情描写としてわかりやすい。
しかも事件の進行とともにSNSがバズり、コメントなどがデイビッドの意思に関係なく次々に上がってくる状況は精神的に焦らされている気分になりイライラさせられる。
ニュース映像もテレビよりドギツい感じだったりと、サイバー空間ならではの語り口になっていて映画としての説得力もある。

物語は意外な方向に二転三転しながら、余計な描写はなく最後までノンストップで進んでいくので、息つく暇もなくスピード感があり展開に没入できた。

とにかくストーリーについてあれこれ考えるより、パソコン画面から一歩も出ずに映画を1本成り立たせたアイディア勝負の作品としては大成功だと思う。
本作が2018年の映画なので、それより進んだ現代を舞台にした2がどんな展開になっているのか、ぜひ観たくなった。

それにしても、父親とはいえデイビッドが娘のマーゴットのSNSのパスワードなどをどんどん書き換えて、サクサクログインしていく場面を自分のアカウントに置き換えて想像してしまい、そのほうがずーっと怖くなってしまったのは私だけ?

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