見出し画像

🎬アキラとあきら 感想

苦しい子ども時代を送った山崎瑛と、大企業の御曹司でありながら跡継ぎの座を拒絶した階堂彬。
「アキラ」と「あきら」がメガバンクで銀行員として成長し、窮地に立ち向かっていく。

熱い。
とにかく熱い。
竹内涼真と横浜流星が全く違った個性を演じるややアイドル作品寄りの映画かと思っていたら、見事に予想を覆された胸熱映画。

二人の入行当初のプレゼンシーンから始まる物語はいささか大げさに見えて、二人の生い立ちに裏付けられたキャラクターもありきたりと言ってしまえばそれまでと思って観始めたが、物語はそんな予想をはるかに上回る熱量で観る者を圧倒していく。

本当の銀行員とは?
人にとって仕事とは?
定番の池井戸作品ゆえ熱いビジネス映画のストーリー・テリングは安定しているのだが、その問いに代表される映画のテーマが自分の胸の奥深くに眠っていた情熱をかき立てた。

当初、竹内涼真の瑛のやることや言っていることが青臭すぎて見ていて恥ずかしくなるほどなのだが、途中から彼の仕事に向かう真摯な姿勢に心を動かされてしまう。
瑛の仕事ぶりに自分が仕事を始めたばかりの青臭かった頃の仕事のベクトルをかぶらせて、忘れていた情熱がよみがえり胸が熱くなった。

ビジネス・ドラマとしても階堂一族の家族の問題と融資の是非をうまく絡めていくストーリーは見事なまとめ。
地方から本部に戻る瑛の物語など語り尽くせていない部分もなくはないが、映画としての長さとしてはコンパクトにまとめられていて好感が持てた。

塚地武雅と満島真之介が、出番は少ないが重要で善意にあふれた熱い役を好演している。

江口洋介が銀行員として冷徹で全くブレず銀行員とは何かを瑛にきびしく教えながらも、最後の最後に最高の見せ場を全部持っていく存在感はさすが。一番カッコよくてグッときた。

自分が何のために仕事をしているのか、仕事は誰のためにするものなのか、自身の仕事のあり方に迷ったときこそ必ず観てほしい映画。
正直もう少し早く、若いときにこの映画に出会いたかった。

#映画感想文
#映画好きと繋がりたい
#映画好きな人と繋がりたい
#アキラとあきら

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?