見出し画像

🎬デューン 砂の惑星 PART2 感想

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版『デューン砂の惑星』シリーズ第2弾。

PART2鑑賞にあたりPART1を再鑑賞して予習。
かなり忘れていた設定などもあり、予習してPART2を観たのは個人的には正解でした。
人それぞれで、あまり気にしないで観ても大丈夫かもしれませんが…

ドゥニ監督作品では『ボーダーライン』が特にお気に入りなのだが、このシリーズでもドゥニ監督らしい美しさと不穏さが共存する映像と音楽の調和による独特の世界観は健在。
まず延々と続く砂漠の描写の"水がない"残酷さと、それでも美しいと思ってしまう映像に惹きつけられる。

父親を陰謀で殺されたアトレイデス公爵家の御曹司ポールが、砂の惑星「アラキス」こと「デューン」の砂漠の民フレメンの一員になるまでの数々の試練のシークエンスは少し長く感じてしまったが、ストーリーとしては後半の盛り上がりにつながる大切な部分。
サンドワームを乗りこなすシーンはリンチ版で見ているので知っていたが、サンドワームの描写がリアルでフレメンたちの反応にも納得できる。
ポールが伝説の救世主として覚醒し、フレメン軍を率いて宿敵ハルコンネン男爵家と皇帝シャッダム4世に反撃を開始する場面からの戦闘シーンの迫力は「さすが!」と言いたくなる。

撃ち込まれるミサイルや銃火器などの描写の質量の大きさは、『ボーダーライン』でのリアルな銃器描写にも通じるものがある。
クライマックスの要塞破壊シーンの重量感は、映像・音響ともやはり劇場で鑑賞すべきところ。
宿敵ハルコンネンの部隊はもとより、前作で圧倒的な数でアトレイデス家を殲滅した憎い皇帝親衛隊を次々と倒していくシーンの連続には高揚させられた。

前作で出番の少なかったサンドワームだが今回は大活躍で、十分な重量感がありその迫力に圧倒される敵側の動揺にも説得力があった。

前作では上品な役柄ゆえに線の細さが感じられたティモシー・シャラメが本作で完全覚醒。
公爵御曹司という気品に加え、砂漠の民を鼓舞する勇猛さと『ボーンズ アンド オール』で見せたような繊細さを兼ね備えた複雑な"救世主"ポールを見事に演じた感が強かった。

後ろ盾となるのがハビエル・バルデムとジョシュ・ブローリンというのも贅沢な配役。
個人的には、前作で出番が少なく物足りなかったジョシュ・ブローリンが、今作では"らしい"活躍してくれたことの満足度は高かった。

一方、『エルヴィス』での繊細な演技とダイナミックなコンサートシーンでブレイクしたオースティン・バトラーが、かなりイカれたフェイド=ラウサを凶暴に演じていて存在が印象に残る。
リンチ版ではスティングが演じて話題になった役柄だが、オースティン・バトラーがストーリー展開の丁寧さもあってとはいえ見事に演じ切っている。
欲を言えば、最後に重要な見せ場はあるものの、もう少し出番が欲しかったかもしれない。

砂漠など、ほぼロケによる撮影らしく、それゆえの美しさと過酷さを兼ね備えた自然描写と特殊効果で表現された部分の親和性は高く、映画としてのバランスはすこぶるいいように思った。

ストーリーとしては、壮大な原作ゆえに2作で完結することはなく、むしろ「え⁈」で終わった人間関係やこれから活躍するであろうキャラクターも存在していているので早く次回作が観たいところ。

今後が楽しみだが、ドゥニ監督は3作での卒業を匂わせていて、それがシリーズの雰囲気に大きく影響しないかは少し心配かも。
「何年かけて、シリーズ何作まで作るのか?」が、初老の人間には気になってしまいました。
前作がプロローグ的な映画だったので、戦闘シーンなど飛躍的に増えた本作は続編としての満足度は高い映画でした。

#映画感想文
#映画鑑賞記録
#映画好きと繋がりたい
#映画好きな人と繋がりたい
#デューン2
#デューン砂の惑星PART2

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?