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『私たちの世代は』ただただ、沁みる。

瀬尾まいこさんの新作を読みました。
涙を流したし、心にしみわたる感情がありました。
私が言葉にするのは勿体ないほどだけど、少しでも多くの人に知ってほしいから紹介してみます。
ネタバレしたくないので、詳しくはかきません、ご安心ください。

新聞の広告で見つけたこちらの本は、コロナ禍に学生だった子供が大人になるまでをえがいています。
私自身は大学3-4年がコロナでオンライン授業&オンライン就活をしました。思い返すと外出しなくて楽だった遠方の就活もあれば、
最初の頃は本当に誰とも会ってはいけないという、見えないウイルスに脅威を感じるみんな・社会の目線がこわくて怯えていました。
友人ともLINEとか散歩のときにちょっと外であうくらいで、
一人暮らしだったけどおうちにお邪魔するとか考えられないくらい
みんながウイルス、をもっていてもおかしくない という風潮がこわかった。会って話すことが相手の迷惑になるし、ましてや実家に祖父母と住んでいるみたいな人は特に気を付けないといけなかったはず。
命の問題でもあって、きもちの問題が軽視された時代だったかも。
コミュニケーションができなかったり、うちにこもりっぱなしの生活は人間をダメにしていった部分もあった。
私は一人でなんとか淋しさに耐えようと、趣味を始めたけど
授業がオンラインでいまいち頭に入ってこなかったり、何かが止まってしまった、進まない感覚に苛まれていた。

コロナを実用書ではなく小説で扱うってのは、本当に難しい。
事実と異なることを書いてはいけないし、その時代のドコにフォーカスするかによって見え方(ポジティブ・ネガティブ)は大きく変わる。
小説はあるひとりとか、ひとつの物事にこだわらないと深さがでなくておもしろくない。でも、偏りすぎないのもときにはだいじ。
それを瀬尾さんはなんなくこなして、物語を展開する。
いつもその技術には驚かされるのだ、今回ももちろんお気に入りの本となった。

対面とオンラインのそれぞれのよさとか、人間関係の構築について考えさせられる作品、ぜひ読んでみてください!

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