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ほぼ徹夜明けで行ったお見合い

ほぼ徹夜明けでお見合いに行った。

土曜日、朝の10時半からお見合いの予定が入っていたのに、前日金曜日、友人と朝までカラオケをしたのだ。

お見合いが10時半からという時点で、朝が苦手で、特に土曜の午前中の外出など極力避けたい私は、気が重かった。

お見合いは、申し込まれた側が候補日時を出す。大抵皆、13時から17時開始みたいな感じで幅を持たせて提示してくれるのだが、今回の人は全ての日程が午前11時指定だった。
…朝型の人なのかな。
あるいはお見合いを午前中に済ませて午後を有効活用したいとかか。
正しい発想だと思うが、私とはあまり相容れない。

さらに、お店の予約の関係とかで、さらに30分早まって10時半のお見合い開始となってしまった。
早過ぎると思ったけど、文句をつけるのもめんどくさくて、そのまま了承したのだった。

本来なら前日は絶対に終電で家に帰るべきだったのだが…
お見合いしたって、今後に繋がる確率はとても低いし、それなら今を楽しもうみたいな酔っ払いのアホ思考で、朝5時までお酒を飲みつつカラオケをした。

家に帰って風呂に入り、あと1時間ちょっとしか寝れないとなった時、何度かお見合いをキャンセルしたいという思考が頭をよぎった。
けど、午前中早い時間のお見合いだから、当日だとキャンセル間に合わないかもしれないし、相談所に電話入れるのもめんどくさい、そもそも相談所って朝何時から営業してるんだろう…となり、やっぱり行くことにした。
当日のキャンセルは云々って後で相談所にチクチク言われるのも嫌だし。

ほぼ徹夜明けの目に、青空が眩しい。
私は一体何をやってるんだろう。

お見合い場所は、小田急系の商業施設の中のカフェだったが、中2階みたいなところにあるようで、エスカレーターで辿り着けず、おいおい、ハリポタの駅のホームかよ勘弁してくれよトホホ…となりながら、そこら辺にいたお店の人に行き方を聞いて、どうにか到着した。

カフェはピンクやらパープルやらのロココな感じの内装で、入り口近くの一角にお見合い中の男女が固まって着席していた。
お見合い同志達は、パッと見で分かる。服装とか雰囲気で。
どうやら相談所お見合い御用達のカフェらしい。

自分と相手の名前で席が予約されてるらしいが、入り口で佇んでいても、お店の人が全然捕まらず、お見合い陣地の中に、私のお見合い相手らしき人が座っているのが見えたので直接そのテーブルに行った。
プロフィール写真とさほど変わらない人だったので、すぐ分かって良かった。

大柄の、ゆったりした、気の良いあんちゃんという感じの人だった。
年齢は40歳で、地方公務員。
恐らく都内の区役所勤務だろうか。

彼の仕事の話を色々聞いた。
現在の部署は残業なしだけど、数年おきに異動になって、部署によっては深夜残業三昧という場合もあるらしい。

被災地支援という仕事もあり、彼も3.11の時、東北に派遣されて被災者にお米を配ったりしたそうだ。
現在は同僚が石川県に派遣されているらしい。

そっか、地方公務員だとそういう仕事もあるんだな。

その話の流れで、東京で地震が起きたら大変ですよねという話をした。
都内だと、治安が悪化して略奪とか起きるかもしれないと相手が言っていて、ひょえーって思った。
ちなみに、彼ら職員は、災害時にはなんとしてでも登庁しろと言われているらしい。
大変だ…自分自身も被災者なのに、真っ先に仕事しないといけないんだもんな…

話している間も、お見合いと思われる人たちが何人も店に入って来て、席に案内されていた。
その人たちの姿をチラッと横目で見る。
どんな人たちが活動しているのかやはり興味がある。特に女性。若そうな子も来ていた。

お見合い中、眠くなることはなかったが、徹夜明けの頭のせいか、あまり現実感がなかった。
なぜ私はここで初対面のこの人と、防災袋を用意しているかなどの世間話をしているんだろうなぁとフワフワと思っていた。

彼もまさか見合い相手の女36歳が徹夜カラオケ明けだとは思わないだろう。

彼が「仕事楽しいですか?」と聞いてきて、ハッと我に返る。
いや、楽しくないよ。
どうやら彼も、今の仕事でやっていくしかないなぁとは思いつつ、ちょっとモヤモヤしているところもあるようだ。
分かる…
そう思ってる同年代、意外と多いのかな。

その後、お互いの趣味の話とか休日の過ごし方などベタな会話をし、彼が野球の西武ファンだということを知り、そろそろ1時間経ちましたねと言われ、お開きとなった。

ビルの外に出ると相変わらず空の青さが眩しい。

丁寧に駅までの行き方を教えてくれた彼に礼を述べ、その場で解散。
ありがとう、あんちゃん。
あんちゃん、普通に3人くらい子供いそうな雰囲気だったな。子供とキャッチボールとかしてそう。
あぁいう人がいわゆる結婚向きと言われる人なのだろうか。
しかし、自分とどうこうなっていく想像ができない。
もう二度と会いたくないとかいうわけではないけど、ただただ想像がつかない。
そして向こうも、朝の苦手そうな低血圧女はあまりお好みではないのではないだろうか。

よろよろと駅に向かう。

いつもならお見合いお疲れ様の酒をあおってから帰るところだが、今日はまだ昨日の酒が抜け切っていないし、睡眠不足が過ぎるので、用事だけ済ませて大人しく帰宅した。

うーん、今日も婚活という点では実りなしか、しょんぼり…などと思う余裕もないほど頭がボーっとしていて、かえって良かった。
でも、徹夜明けでお見合いに行くのはもうやめよう。

そろそろお見合いに飽きてきている。

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