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別府のパンフレットをコーディネイト

35年ほど前、前勤めていた福岡の本社から、「別府」のパンフレットの仕事が入ってきました。
まだ、企画段階で、福岡のスタッフとしては、「別府」の事がよくわかりません。
そこで、コピーライターが来県するので、案内をしてくれないか、という仕事でした。
早速、やって来たコピーライターは年齢も近い女性で、すぐ意気投合し、私の偏見に満ちた「別府」を案内しました。

その頃から、全国的にも地域で活躍する撮影コーディネイターがちょくちょくいて、特に“映画”に関しては、ここからの景色が良いとか、ここのこの食べ物が有名だとか、そのカットはここで撮影するのが良いとかコーディネイターが紹介して円滑な撮影をするのです。
凄い人だと、エキストラを集めたり、お昼のお弁当の手配をしたりと仕事は色々です。
私も近い事をやっていました。
今は、地域の観光課の人が案内することが多いみたいですけどね。

「別府」の有名な所はわかるので、マイナーな所や物産を教えて欲しいと言われ、その頃まだ観光になってなかった所を案内しました。
「浜脇高等温泉」を紹介したかったのですが、時遅し、壊されていたので、「別府市公会堂」を紹介。
ステンドグラスの階段が素敵です。(当時、ここも壊そうとしていました)

別府市公会堂
踊り場のステンドグラス
照明も素敵です



歴史のある古い喫茶店の「茶房 信濃屋」
今でも、古民家カフェとして営業しています。
大分の郷土料理「だんご汁」も食べられます。

茶房 信濃屋
だんご汁定食

お土産として、復活させたい物もありました。
当時、廃れていたけど気になっていた、「血の池地獄」に売っている「血の池軟膏」です。
凄く効くのですが、臭い❗️
色が付いたら取れない❗️
と困り物ですが、医薬品です。

血の池軟膏


それから「ざぼん漬け」
アクを抜いた「ざぼん」という大きな柑橘の皮を砂糖で煮た甘くて少し苦味のある食べ物です。
別府では温泉に浮かんでいる所もあります。

まるまる ざぼん漬け
別府にはザボン風呂もあります


あと、「カボス石鹸」も紹介しました。

カボス石鹸

当時は『古い物は、もういらない。
新しいものを作り出していこう』
という考えが多くて(高度成長か、バブルの影響かも)
『古くても良いものはあるんですよ』を、随分発信していた記憶があります。
今、そういう時代になって嬉しいです。

そういえば、その時、とっておきの温泉を紹介して欲しいと言われ、秘湯に連れて行きました。
別府には、三大秘湯と言うのがあって「蛇の湯」「鶴の湯」「鍋山の湯」というのがあります。

三大秘湯、案外近いです


「鍋山の湯」は別府が一望出来て眺めが良いので、そこに連れて行きました。
が、そこまでの道が、かなり酷く、大雨が降ると道が川になり、その後大きな川の後が酷いデコボコになる為、温泉迄車で行くのもなかなかの所なのです。
その時は運良く温泉迄たどる事もでき、それまで着替える所も無かったのに誰かが半畳程の掘建て小屋を作っていて、コピーライターの彼女から「一緒に入りましょう」との誘いを受け、
タオル一枚ずつで入りました。
ここは硫黄成分が多くて、タオルも染色するくらい温泉効果の高い温泉です。
3日は匂いも取れません。
山の方を見れば「仮面ライダー」が出て来そうな景色で、反対は別府湾が一望できる景色です。

昔はこんなに草生えてなくて
もっと岩石だらけだった
浴槽が二つありました


まったりしていたら下から、タクシーが登って来たので、二人で慌てて、タオルで身体を隠し、小屋に駆け込み着替えました。
けど、運転手さんと、男性のお客様達がとてもニコニコしていて、タクシーが止まっていた所から小屋を見ると、あまりのボロ小屋で、多分見えていたんでは、、、😅

そうして撮影ではスタイリストもする事ができました
出来上がった「別府」のパンフレットですが、
私がコーディネイトした所や、物が随分採用されていてとても満足いく物に仕上がり、まだ、建物も、名産品も残っている事が嬉しいです。

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