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元祖平壌冷麺屋note(68)

冷麺屋に書簡が届いた。

先日、長田の夜、平壌の夜を過ごしたKさんからの、律儀で丁寧なお礼の手紙。そして何というスピード。千里馬、万里馬の速度で、集合写真付き。

その影響のためか、麺打ち脳内BGMは「パルチザンの歌」と「遊撃隊行進曲」だった。途中、とある番組のオープニングテーマがリピートされたので、数十分、麺を練りながら、記憶の部屋を探った。タカタカ、タラーンタ、タカタカ、タラーンタ。「アルフ」でもなく「フルハウス」でもない。

小学時代は、カセットテープで、音楽を採集していた。カセットデッキの録音をボタンを押し、息を潜めてテレビのBGMを録音する。金曜ロードショーや、火曜サスペンス、シンプソンズのテーマなど、気になった音楽をひたすら集めていた。

そのサンプルの部屋を訪ねても見つからなかったが、ふいに、4年前の韓国での番組のテーマソングにたどり着いた。「玉柳館ソウル一号店」。平壌冷麺ファンである、有名歌手のジョン・パクが冷麺屋に来て数日間、撮影をした。

ジョン・パクは撮影用に特大冷麺を平らげた後、オフレコで特大をもう一杯食べて、「これは内緒だけど、今までの平壌冷麺で一番」とサムズアップしてくれたのだった。

いつもより早めの帰路。自宅の最寄り駅で、いつも立ち寄るたこ焼きのマスターと遭遇し、立ち話も何だからと、いつも立ち寄るからあげ屋へ案内。二人のマスター同士は隣のお店同士ながらの初対面。数分だけ同席、たこ焼き屋マスターが唐揚げを奢ってくれた。朝まで話が弾みそうな勢いだったけど、すぐに退散。

明日は、妻と1時間だけ<まやむすび>のお手伝いをすることになった。冷麺マンがおむすびマンに。そういえば、娘が2歳のとき、アンパンマンのキャラクター表を見ながら、指差しては名前を読み上げていた。

アンパンマン、ばいきんまん、メロンパンナちゃん・・・。しかし、なぜかおむすびマンだけは、こう呼んでいたのだった。

「おいしいやつ」

何も間違っていない。おいしいおむすびは、人に幸せを運ぶ。

おむすびマンより、おいしいやつに、ワタシモナリタイ。




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