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元祖平壌冷麺屋note(239)

クリスマスの日の朝、娘はプレゼントとサンタさんの手紙と絵本を嬉しそうに手にした後、真夜中にサンタさんを見たよ、と自慢気に話していた。

ドキッとして「赤い服を着ていた?」と聞いたら、「黒い影しか見えなかったけど、誰かと話をしているみたいだった」ということだった。トナカイのルドルフか、妖精のエルフと話していたのかなあ。

聖夜に一人ホラー映画を観ていた、変なおじさん説は消えたのだった。

休日は、娘が英語のウィンター・スクールへ行ったので、妻と数年ぶりのデート。仁川へ墓参りに行くと、毎度ながら驚くほどの快晴だった。

阪急電車に乗って、雑誌SAVVYに紹介されていた、サラリーマン御用達の大衆食堂ほうらくへ。

きつねラーメンと小チャーハン、妻はオムライスと小ワンタンを注文。セットにすると200円割引。素朴で美味しかった。

ユニクロに立ち寄った後、妻がSAVVYの最新号をコンビニで買ったのを借りて、栞さんの日記を歩き読みしながら(日付が自分の誕生日だった)、本の栞へ。

今年分の本は買い納めしていたので、年始に買いたい本をリストアップしながら棚を見てまわる。妻は、昔に手放した写真集と岡崎京子の本が気になるようだった。

喫茶蛙や木琴で、一服。建物の前に着いたとき、「あっ、soriさんがあったビルだ」と妻が呟いたので、それで初めて気が付いた。妻と付き合い始めた10年の前のデートで、かつてあった、素敵なデッドストックショップに立ち寄ったことがあり、まさにその場所だった。

夜は家族三人で、ハルベからプレゼントとして送ってもらった、神戸牛のすき焼き。お腹いっぱい、ごちそうさまでした。デザートは、冷麺スープと水キムチ。

娘が英語スクールで製作した万華鏡を覗いてみると、子供のときにタイムリープした。世界がぐるぐると回り、なんでもキラキラ輝いて見えた。

翌朝、起きてすぐの娘が、万華鏡を眺めて言った。「これで今日も楽しいことがたくさんだ」

万華鏡を覗かなくても、娘の瞳と、言葉は、いつでもキラキラ輝いている。



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